家畜な日々
非現実:作

■ 〜刺青〜11

1月31日/快晴 午後14時20分

旅立ちの日としても最高の天候こと日本晴れ。
国際空港の待合ロビーに私達は立っていた。
流行のコートを見事に着こなすユウジ様の傍らには、寄りそうに腕を組んでいる繭様。
……実に嬉しそう。
ムネ様と佐治様が2人に送った、ブーケに似せたフラワーアメジメントは、黄色いチューリップと白いバラ。
花言葉は「結婚おめでとう」らしい。
繭様とユウジ様のこの旅行は、婚前旅行なのだ。
2人は将来を約束した中となったらしい。
ご主人様はともかく、この場に居るムネ様も佐治様も自然と顔が綻んでいる。
私を介して同盟者となった皆様も、やっぱり祝福すべき事なんだろう……。

「ん、どうした雌豚由紀?」
「うっ……ぁの、声が大きい……です」
「誰に言ってるんだ?」
「あ……あの、あの…あの」
「ちゃんと言ってみろ?」
「ご主人…さま」
「くく、流石は変態家畜だ、雌豚由紀はこんなトコでも平気らしい」
「しかも自分で云っておきながら感じてるようですねぇ〜〜」
「そ…そんな事…はぁ〜」

そんな事があるのだった。
気が気じゃない……通り過ぎる全ての人の視線が気になっている。
(嫌じゃ…なぃ)
笑顔と涙が似合うこの出会いと別れの場、国際空港ですらこの身を曝け出す事に感じている私。

「でもサ、何か癪よねぇ?」

ムネ様と佐治様が送った、フラワーアメジメントを振りながら繭様が言う。

「私達ってぇ、注目されてないよねぇ〜、ユウジ?」
「ぇ……え?」
(…ぁ!?)
「だってこんな素敵なブーケを2人で持ってさ、腕組んでるでしょ?。
だったら普通…私達の方に注目浴びるじゃない?。」
「あ…あぁ〜〜ああ、そうだねぇ」
「こういうシュチュエーションでさぁ、お見送りもアリってねぇ〜。
やっぱ、新婚旅行だってとか思うじゃなぁい?。」
「だねぇ〜〜」

繭様の言葉に全員の視線が私に集中するのだった。
(ぁ、ゃだっぁ……)
途端に羞恥心が感情を支配する。

「こんな格好されちゃねぇ〜?」
「だぁね、こりゃ負けるよ」
「あぁ……ぁの、そのぉ〜〜これは……」
「フンッ、何を気取ってるのよ雌豚由紀さん?」
「ぃ…ぇ、その……」
「確かに花嫁より目立つ服装はNGですなぁ〜」

ムネ様まで悪乗りしだすのだった。
決して私の意志では無い。
これは……ご主人様が要求した件をムネ様が用意したモノに過ぎないのに……。

「悪い変態家畜だな、全く以って社会の常識を解ってない」
「ぅう……そんな」

改めて言われ、途端に私は怖くなった。
俯き両手で全身を包むようにして、恐る恐る周囲を伺う。
…… ……だが。
然程意識していなかった時は気付かなかった、周囲の羨望の眼差しが突き刺さる。
この場には似つかわしくないのは……私。
(そ…んな)
今まで気付かなかった事に呪った。

身を屈めてその場にしゃがみ込むと…… ……。

「ぁあっぁ〜ぐぅっ…くっぅ!!」

場に似つかわしくない派手な声が自然に出た。
(は…ずぅかしいぃぃ)

「そりゃ無理じゃ、お嬢ちゃんよぉ。」
「ぇ?」
「亀甲縛りは直立が一番じゃよ、下手に身体を動かせば絞まるわい」
「ぅっく!?」
「佐治さん、この雌豚由紀はきっと感じたくて,
しゃがんだんでしょうよ」
「かのぉ?」
「こいつは根っからの変態家畜ですから」
「ぅぅ…ぅ」
「今の感じ方は確実に秘所の割れ目に縄が入ったぞぃ?」
「そうなのか、雌豚由紀?」
「……」
「答えないなら、強引にしゃがませるぞ?」

アノ感覚は、ここではもう嫌だった。
もう一回されたら……自制に自信が無かった。

「はぃぃ、あの……雌豚由紀はぁ、はぁはぁ、縄に感じまし…たぁ」
「ははは…正直者だなぁ〜〜、気をやるなよ雌豚由紀ぃ?」
「んぅく……はぁぅ…はっぁ……・はぃぃ」
「でだ、どうなったのか教えるのが雌豚由紀の使命だろう?」
「んぅ…ふっぅ……」
「どうした?」
「あの…あの、雌豚の卑しいオ○ンコにぃ……。
麻縄が一気に食い込んでぇ〜ぇ、激しく擦られま…したぁ。」
「くっく、ホレぇ……感じてるじゃないか」
「ぁっ…やぁんくふ!」

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊