家畜な日々
非現実:作

■ 〜刺青〜12

腕組をしながら繭様が遮った。

「全くぅ〜〜…この変態家畜の由紀先輩は困ったわねぇ〜?」
「ひっぅ!?」

主様達の言葉だけでも……感じ昂ぶってしまう私だった。
モジモジと内股を摺り合わせ、無意識にも反応してしまうのだった。
直引き続き、周囲のハッとする形相と羨望の眼差しが私を捉え続けていた。

(そうだよ…ね……私、何て格好なのよぅ!!)

今、自分の格好……。

どうあってもこの身の穢れは隠せない。
深く甘い吐息を付き……。
私はこの身を見つめた。

下着は許されていないが…… ……。
コスプレでも淫猥な服でもなく、久々にまともな服を着せてくれた。
繭様とユウジ様の門出を祝うという意味らしい。
長袖カットソーの胸元V字ラインも控え目で、ちゃんと胸を隠されている。
上着も黒のジャケットを羽織られ、更に白のコートが暖かい。
プリーツスカートの丈も良心的な、膝上10cm。
そしてガーターベルトで吊るされていない、ノーマルの薄生地のパンスト。
……そう、問題はコレだった。
(ぃゃ…だぁぁ〜〜)
隠したくても隠せない物が「居る」のである。
その場には絶対に考えられないのが「居る」。

…… …… ……蛇。

行き交う人達が振り向くのは、私の左足に巻きつく蛇の刺青だった。
薄生地のパンストは、全く隠す事無く晒し続けている。
ウネウネと左足に絡み付く、緑の大蛇。
内股へと這い上がった蛇の鎌首は……スカートの奥へと忍び込んでいる。
行き交う人達にもそれがどういう訳か、理解するのは簡単だと思う。
蛇が行き着く箇所を……想像しているのだろう……。
周囲の視線だけで……私は感じ昂ぶっていた。
更にムネ様が言う。

「普通に外に連れ出すだけで、立派な露出プレイになるとは便利ですねぇ〜」
「左足にしかないからな、ストッキングの柄とは思われない訳だよ」
「なるほど〜流石は大野さんだ、考えましたねぇ」
(そ、そういう意味だった……の?)

確かに、柄とは思われていないから人の目が集中されているのだろう。

「くっくっく、存在自体が変態家畜な訳だよ」
(私の……そ、存在……もう普通じゃないのね?)
「あはっ、人じゃなくなっちゃったねぇ〜、由紀先輩はぁ?」
「うぅ…ぅ……」

主様達の言葉責めだけで、ジワリと内股が濡れ始めている。
羞恥心で鋭く身体が反応してしまう。
(もっと欲しい……刺激が好きぃぃ〜〜〜)
そう思ってしまうと、もう自制が効かない程までに私は真性Mに生まれ変わってしまった。
身体を意識的にクネらせる。
亀甲縛りを味わってまでしまっている自分……。
私の痴態を満足そうに見守る主様達……。

「見ていて飽きないわねぇ〜」
「そうだねぇ、旅行に連れて行きたいよ」
「ちょっとぉ〜?」
「じょ、冗談だって……マジで」
「ははは、随分とお気に入りですねぇ〜、ユウジさん?」
「こんな雌豚、他にいないですからねぇ?」
「全くですねぇ〜」

ユウジ様は私との別れを悲しんでくれている。
正直、かなり嬉しい。
(存分に見てぇ〜〜……私の身体を…みてぇ)
ご主人様に覚え込まされた、男に媚びる視線でユウジ様を見つめ続けた。
だが……空港のアナウンスが無情に鳴り響いた。

「じゃパパぁ〜、行ってくるねぇ?」
「ああ、楽しんでおいで」
「行ってきます、大野さん」
「あ、そうだ……ユウジ君、これを頼むよ」
「……手紙、ですか?」

手渡された手紙を、ユウジ様はしげしげと見つめる。
(……ぁ…ぁぁ)
ご主人様は用意周到だった。

「それは、変態家畜の雌豚由紀に書かせたんだよ。
現地に着いたら投函してやってくれ。」
「あぁ〜〜、なるほど〜雌豚のご両親に送るんですねぇ?」
「何時までも音信不通ってのも、なんだからな」
「さっすがパパぁ」
「ふふふ、ゆっくり楽しんできなさい」
「うん♪」


親子がバイバイと手を振った…… ……

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