家畜な日々
非現実:作

■ 〜愛しき繭〜3

ホゥホゥ……と梟(であろう)の鳴き声に、時折大きな羽ばたく音。
ここには街灯などある筈もない、名も無き孤島。
日本では考えられない暗さだ。
真っ暗の中、ただ一人怯え続ける。

集落の中央、広場は無人。
首に嵌められた上下の凹型のせいで首が動かせず、四つ這いの姿勢のままだった。
下の凹型が丁度地面に着いているせいだ。
改めて縄で両手首を後ろ手に拘束されており、顔を拭う事すら出来ない。
ユウジのせいで……私は公衆便器にされた。
婚前旅行とは偽りのものだった。
(ゅう…じ……)
そのユウジは、今ここには居ない。
族長と言われている家に泊まっているのだ。

私を置いて…… …… ……

ここの人達は、夕暮れが近付くといっせいに家路へと戻っていった。
「暗くなったら家に帰る」それがここの集落の掟なのだとユウジが説明した。
当然、私も今日の陵辱は終わったと思っていた。
だけど……。
ユウジは冷たい口調で言った。

「何言ってんだ、お前はもう人じゃないんだから。
お前は僕の何なんだ?。」
(…何でこんな事に…… ……ユウジぃ)
「言わないつもりか、そんなんじゃ雌豚由紀とは張り合えないぞ?」
「ぅぅ……ぅっぅ……」

あの美人で気高かった由紀先輩を、変態家畜の雌豚にまで堕としたのは私達だった。
(……ぃゃよ…そんな……の)
その時の光景が脳裏に蘇る。

「さぁ、言うんだ……僕の何だ?」
(今度は……私がソレを味わう番……なの?)
「さぁっ!!」

大きな声にビクリと身を強張らせて、恐る恐る動かない顔で見上げた。
今まで始めてみる……鬼の形相だった。
(こ…こわ、こわいよ……ユウジ……?)
冷酷で見下ろす威圧的な視線。
その視線は……中高大学、そして社会人となって由紀先輩にもされ続けた視線。
これはそう、苛める側の視線だった。
(ま…た……な…の?)
逆らえば余計に酷い目に合う、私は知っている。
誰かが救いの手を差し伸べてくれない限り、これは永遠に続くモノ。
ここには、その救いの手は無い。
そして私は観念したのであった。

「わた…しは、ユウジ様の……公衆…便……器で……す」
「そうだ、公衆便器は皆が用を足す為にある、だろ?」
「…… ……」
「だったら〜〜〜、解るよなぁ、公衆便器繭ぅ?」
「そ、外?」
「そうだよ、皆が用を足せる為に外にいなきゃな」
「うぅ〜〜〜ぅ、酷いぃぃ」
「公衆便器の設置は、こういう広場がいいだろう?」
(せ、設置って、私ぃ)
「集落の中心に公衆便器、うん中々いいアイデアだろ?」
「ふっぅぅぅ〜〜〜ぅっぅ……」
   ・
   ・
   ・
   ・
ホゥホゥホゥ……ホゥホウゥ……

広場で四つ這いのまま私は放置され続けている。
真っ暗の広場の中、ポツンと拘束された身で……。
公衆便器だから。

何十回と精液を浴びた顔は、分厚い白粉を塗ったようにカピカピとなっている。
口や瞬きをすると固まった精液のせいで、引っ張られるような感覚。
一体どんな顔をしているの?。
(見たいけど……見るのも怖…い)
鼻で息をしないよう、口で息をする事に勤める。
一度も拭う事を許されていないが為、精液の悪臭もキツかったのだ。
だが、原住民の大量の精液は……顔にのみだった。
首に嵌められている上下の凹型で、はっきりと区別されている。
今の私は、顔だけが公衆便器だった。
着ている青色のキャミワンピースもそのままだ。
そしてユウジは、私に貞操帯を嵌めていった。
ユウジの命令を忠実に守る原住民にも感謝だが、これにより私はユウジ以外の人に犯されずに済むのだ。
……決して喜ばしい事ではないが、貞操帯には感謝した。
こんな格好でこんな拘束されては、血気逸る若い原住民から犯されずに済む。
(……こんな事になってしまって……私は……)
これからの絶望に私は身を震わせ恐れる。

ふと…… ……

近付いて来る人影に、敏感に私は反応した。
今起こっている事態に、私の五感は研ぎ澄まされているのだ。
(……ゃぁ…だ、何ぃぃ!?)
1人の男が近付いて来る。
私の方へ一直線に…… ……。
(なっ、何を、する、気!?)
脳裏に昼の惨事が蘇る。

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