家畜な日々
非現実:作

■ 〜愛しき繭〜9

同時系列 由紀(4)

ズキズキと…… ……。
痛みというか、疼く感じ。
それが下半身から……。
麻酔から目覚めた時、一夜が明けていた……。
いつもの地下室ではなく、ご主人様の寝室に私は横に寝かされていたのだった。

「目、覚めたか?」
「…ご、ご主人……様?」
「随分と長く眠っていたな」
「す、いません」
「まぁいい、痛み止めを飲ませてやるから待ってろ」

ご主人様が後ろ向きで用意をしている。
未だボーっとしている私は起きる気力も無く、ただ身を預けるばかり。
下半身からの疼き(みたい)なものが気になるが、今はただ寝ていたかった。
オ○ンコや乳首にピアスを入れて頂いた時よりは痛みはマシだったが、どうにも気だるさに負ける。

「痛み止めと化膿止めの薬だ、飲ませてやる」
「……ぇ?」

片手のコップの水を一口飲んだご主人様が、私の口を口で塞いだのだ。
(ぅ…そ!?)
ゆっくりと私の口の中へ水と薬が流されていく。
それは、優しい口付けだった……。
ご主人様の変態家畜の雌豚となって、初めての優しいキスだった……。

薬を飲み終えた私だったが、先程の衝撃のせいで全身硬直のまま、遠ざかるご主人様を目で追うばかり。
それを不思議そうに見つめ返すご主人様が言った。

「どうした?」
「あ、あ…いぇ……」
「気にするな、ただ薬を飲ませてやっただけだ」
(確かに、そうなんだけど……)

何かこれまでに無い妙な感覚になった。
(キスなんて……別に、私……)
昔の私はバーやクラブで出合った男に「キスしてあげよっか」と、ブランド品の代価交換に使うほど簡単なものだったはず。
それが…… ……。
まるで幼い時代の初恋のキスみたいな変な気分。

「お前は私の大切な変態家畜だ、死なれては困るからな」
(大切…困る……の?)
「クリ○リス包皮の除去手術は無事に成功したよ」
「ど、どうなっている…のです……か?」

寝ているままなので下半身を確認することは出来ないが、どうなってしまったかは気になる。

「それはお前自身の目で確かめろ、新たな雌豚の身体をな。
寝ていれば3〜4日でシャワーも浴びれるし普段の生活が出来るらしいぞ。」
「……は……ぃ」
「それまではここで寝ている事を許してやる」
「あ、ありがとう…ございます」

肉体改造を施された後は、ご主人様はいつも優しい。
寝ているだけの私に四六時中離れずお世話してくれる。
(……ご主人様が優しいのは、決して優しさなんかじゃないんだけど……)
不思議と安心する私がいた。
   ・
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あれから毎日、私は広場に四つ這いのまま固定便器になっていた。
自然の生理現象であるオシッコも、欲望に満ちたザー○ンを身体中に浴び続けた。
朝と夜は大変で……360度全てがチ○ポに埋まるも、更に行列ができる程だった。
放置されたままの私には、ユウジ(様)が三度の食事を持ってきてくれる。
犬用のボウルには、たっぷり入れた牛乳に浮かぶ現地のパンが2つ。
両手は拘束されているので、勿論舌だけで不器用に口に運ぶ。
そう……あの変態家畜に変わってしまった雌豚由紀みたいに……。
そんな私は大分すえた臭いに変わった。
例えるならそう、古びた駅の公衆便所の臭い。
洗われる事すら許されない、私は公衆便器…… ……。
現地の女の人からは軽蔑の眼差しを浴び、男の人からは現地語で「便器」と呼ばれる、今。
(パパ……)
遠い故郷を思い出すと、自然と涙でぬれる。

今日も原住民達の就寝前のオシッコを浴び終え、ベトベトした全身休めるべく目を瞑っていた。
そこに足音1つ……。
(まだ……いたの?……それとも精液?)

「公衆便器繭〜」
「ぇ?」

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