家畜な日々
非現実:作

■ 〜さよなら過去〜2

「で……出来ました、ご主人様」
「ふっふっふっふっふ、こりゃあいいな〜見ろよ繭。
やっぱり拘束着よりも良かっただろう?。」
「意外な展開ねぇ〜」
(あくっぅ……う、上から見下ろしてみるのでさえ息苦しぃ!)

見た限り胸の谷間が少し歪んでいるように見えるが、変という事は無さそうに思う。

「雌豚由紀よ、姿見を見てみろ」
「は、ぃ」

ご主人様のお許しが出て、姿見へと自身を映した。
その途端、声を失ってしまった。

「こりゃ傑作だなぁ、なぁ〜〜雌豚由紀よぉ〜。
間違い無く変態家畜の雌豚に相応しいじゃないか。」
「確かにねぇ〜〜由紀先輩すっっっっごい醜いよぉ?」
「ぁぁ……ぁあ」

鏡に映る正面の姿。
魅力的なプロポーションを作り上げてゆく為に、お金は全く惜しまなかった。
磨きに磨きを掛けた身体と美貌は私の武器……の筈だった。
それなのに今の私の胸と云ったら…… ……。
(な、何コレ、こんな凄い事にぃ!?)

醜く変型した胸を無理矢理詰め込んだせいか、ブラのカップ自体が変型してしまっているのだ。
元来ブラのカップというのは、胸の形を美しく見せる為に矯正させる物である。
今、私のブラは醜いままで包まれているのだった。
どんなに自信の無い胸の形を持つ人でも、これ以上の醜い形はしていないだろう。
私の胸……グニャグニャに歪んでいるのだった。
更にはカップ上半分の黒レースからは、縛られた赤い縄がうっすら見えてしまっている。

「ご、ご主人様……な、縄がっ!?」
「それはワザとだから気にするな」
「ぇ、はぃぃ」
「変態家畜の雌豚らしく、もっと相応しくしてやるからな。
お前らしい同窓会の格好にしてやるよ。」
「あ、ありがとう御座いますぅ」

ご主人様がハサミを手にゆっくりと近づいて来た時点で、ご主人様が何をするのか理解できた。
胸を前に突き出すとニヤリと微笑むご主人様のハサミが、両カップの真ん中を小さく円形に切り貫いてゆく。

「さぁ、お前の卑しい雌豚乳首をここに突き出せ」
「はいぃ」

ブラが外れないようにゆっくりと乳首を探り出して、カップの切り貫かれた穴に乳首を通した。
(ぴったりサイズ……流石ですご主人様)
切り貫いた穴は乳首が丁度出るサイズで、そのぴったりサイズのせいで乳首の根元を締め付けてくる。

「乳首だけを晒した意味、解るだろう?」
「あ、はいご主人様、どうか雌豚に相応しい装飾品を卑しい乳首に着けてください」
「よしよし、」

ご主人様がポケットからプラチナチェーン付きの、小さな鈴を取り出した。
それを見るだけで全身がゾクゾクと感じてしまう。
やはりこれがないと私は私でないのだろう。
乳首のリングピアスに、1つずつプラチナチェーンが取り付けられてゆく。

チリイリィ、リリィィィインッ

付け終えた鈴をご主人様が弾いたのだ。

「ぅっぁあ!!」
「相変わらず鈴も雌豚由紀も良い音で鳴くものだなぁ。
醜い形の上に鈴で乳首が垂れ下がってるぞ、益々ド変態な奴になったなぁ。」
「ありがとうございます、ご主人様ぁ〜」
「ふん、バッカじゃないの悦んじゃってさ、時間無いだからさっさとしなさいよ」
「す、すいません只今……」

慌ててレースの赤ガーターベルトを腰に付け、再び手が止まってしまった。
肝心のストッキング類が見当たらないのだ。
(アレッ、これって?)
パーティードレスを見る…… ……スカート部分は足首が見え隠れするロングタイプ。
ご主人様と繭様を振り返る。

「何、どうしたの、愚図な雌豚ねぇ〜〜〜…さっさとしなさいよっ!!」
「で、ですが……あの、私……足にも蛇の刺青が……」
「だ〜いじょうぶよぉ〜踝辺りの刺青が見えそうで見えない感じって素敵じゃない?」
「ぇっ…ぇ、でもっ!?」
「まぁ〜それ位のスリルも良いかもな」
「パパもOKだってさぁ〜〜ホラホラさっさと支度しなさい〜」
「は、はぃぃ」

ご主人様と繭様のご命令であれば、逆らう気すら起きなかった。
若干の不安を覚えつつ、鮮やかな真っ赤のパーティドレスを手にした。
ベッドに広げられてあった繭様チョイスのパーティドレスは、繭様らしい可愛らしさがコンセプトのようだ。
総シルク仕様でのワンピースタイプは、頼りなく細い肩紐で着込むものである。
何よりも強調している大きなウエストリボンが特徴的である。
スカート部分は数枚によるシースルー生地の重ね巻き。
まるで花びらを象徴にしたような、ボリュームのあるスカートとなっている。

「あの、では、失礼致します……」



着込んだパーティードレス……これも繭様の悪戯なのだろうか、若干の窮屈さがあった。
身体のラインをクッキリ見せるタイプでは無いものの、動くのがチョット辛い。
そして、それは想定外のハプニングを催す。
細い肩紐で吊るされたパーティードレス、胸の部分はV字に大きくザックリ割れており、形が崩れきった胸の部分を辛うじて隠している状態。
ちょっとでも気を抜くとVラインから胸が零れてしまいそうな小ささ。
(これ更に苦しい、よぉ……)
ここまで私の胸は……交差縄に小さいブラ、そしてピッタリサイズに穿たれた穴に飛び出させた乳首と……極限までに締め付けられている。
息苦しいのだが、姿見の前での服装チェックに余念が無い私。
男心を擽らせる美しく見せる着こなしは今だ健在で…… ……。
この繭様チョイスの可愛い系パーティードレスでも鮮やかに演出してみせていた。
例えば?。
後ろは腰部分まで全く生地が無いので背中で丸見えとなるブラ紐も、衣装の胸元で少し見える上半分のブラのレース……。
見せブラだと言っておけば問題ない。
(んぅ、良いんじゃない?)
変態家畜の雌豚も満足の着こなしであった。
どんなものでもセクシーかつ美しい着こなしで、私はどんな男(服従すべき方々)へも虜にしてみせる技術を持っている。
そう、私はかつて合コンマスターとさえ言われた女。
でも……聞くに聞けない状況の問題が2つ程ある。
それは乳首のリングピアスが生地を通して解ってしまう事と、「ここが乳首です」と主張しているようなプックリと盛り上がった乳首に当たる生地の箇所。
(……コレ、どうしたら…… ……?)

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