家畜な日々
非現実:作

■ 〜さよなら過去〜9

何か別の事で気を逸らしていないとどうにかなりそうだったので、飲む気も無いシャンパンを手に取った。
だがグラスを持つ手はガクガクと震え、半分以上をテーブルに零してしまう。

「あらら、もぉ〜駄目じゃない〜」
「ぁっ…も、持てなっ、落としそうっ!!」
「ホラホラッ!?」

震える手からグラスを副委員長が受け取り、どうにかグラスを床に落とすという目立つ失態は免れた。
今私は、副委員長と一緒にひっそりと壁の華となっている。
勿論自主的にである。
会場に戻った私を待ち侘びていたという同級生の集団は適当に追い払っている。
あからさまに態度が変わった私の事を理解出来ないと、遠くから好き勝手な事を言いあっているようだ。
別に何を言われようがどうでもいい、この状況でそんなの全く気にもならない。
今ただ1つしたい事は、どうにかしてでもこの身体を鎮めたいだけ。

「ねぇ……大丈夫、なの?」

荒い熱の篭った吐息を撒き散らしながら、私は無言で首を横に振った。
四隅の端の壁にもたれて、どうにか倒れるのだけは我慢できているという感じである。
媚薬の効果はあれから直ぐだった。
最初はジワジワと効いてきたという程だったのだが、螺旋階段の途中で全身が疼き火照りきったのだった。
一旦ご主人様の元へと戻ろうかとも思ったが、更に媚薬を追加されるのが怖くてそのまま会場へと戻ってきたのだ。
そして今は何も考えられない程、身体は快楽に飢えている。
ガチガチと歯が鳴り、ドロドロに溶けきったオ○ンコからシトシトと雌汁が垂れ流れ続けている。
ロングフレアスカートのお陰で何とか人目には付いていないが、ストッキングがグッショリと濡れて気持ちが悪い。
床の高そうな絨毯も酷い事になっているのだろう……。
既にもう2度、何も触れずに勝手に私は軽くイッていた…… ……。
他の人の視線を背中で守ってくれている副委員長が、俯いている私の顔を覗き込んだ。

「ちょっとちょっと視線が定まってないってば、ホント大丈夫なの由紀ってば!」

視線を合わせたつもりだった……だが副委員長の姿がぼやけていた。
快楽の絶頂を迎えても、またすぐに押し寄せてくる。

「はっ〜〜……ぁぁ……」

再び大きく吐息を漏らし、震える身体を両手で強く抱える。

「ね……ぇ……副委員長ぉ…ぉ、あのっサ……身体……はっぁ」
「えっ、何っ!?」

私がどんな存在かというのはある程度理解している筈の副委員長だったが、彼女自身が未知な境域なのだろう。
私の姿に大分狼狽していた。

「悪いん…だけっぇッハァハァ……身体ね、支えってっぇんぅクッゥ!!」
「えっぇ……身体をっ、身体を支えるのねっ!?」

副委員長が両肩に手を置いた。
私がこれからどうなるのかを理解したのだろう、慌てながらも副委員長は手を添えてくれた。

「だぁぁめっぇ……か、肩じゃなくて、はぁっはぁぁ……脇の下を支えっぇてんンン!」
「ぇ?」
「身体っぁ……崩れそう、なンのっぉ〜〜〜……お願いだか…ら」
「わっ解ったから、お願いだから倒れないでよっ?」

副委員長が両脇を強く支えてくれる。
それを確認してから、ハンカチを口に含んで喘ぎ声を押し殺して…… …… ……。

「んっぅ〜〜〜ぁっぁああぁぁあぁ〜〜〜〜〜〜っ……っぃ…… ……」
「ちょっとっ、ねっぇ、嘘でっしょっぉ!?」
「んっぁぁぁぁ〜〜〜〜……〜〜ぁくぁ!」
「やだっ、ねっぇ!?」
「ぁ……ン……ぁ…っぁ〜〜〜〜〜〜〜〜」

無行為でイッた3度目の絶頂は……
目の前がフラッシュし、全身から力が抜け落ちた。
そして……そのまま副委員長へと持たれ掛かり堕ちた。



気が付いた時、目の前にはご主人様がぼんやりと見える。
(あれ……私……アレ?)
段々視点が定まり、見間違う訳無いご主人様がはっきりと映った。
(ぇ……どうなって?)
だけど思考は中断されたままで、状況が理解出来なかった。
そんな私に、ご主人様が呆れ顔で説明したのだった。

ここは例の男子更衣室の一室。
副委員長の機転で連絡を受けたご主人様が、介抱という形でここまで連れて来てくれた訳だ。

(ああ……なるほど、ご主人様にっ!?)
「…っぁっぁあ!!?」

ようやく頭が整理出来て、ご主人様にお礼を言おうとした瞬間だった。
再び身体がビクンと跳ね上がり、開きっ放しの口からハンカチ越しの喘ぎ声と涎が垂れ流れる。
4度目の絶頂はご主人様が見守っての男子更衣室でだった。

「全く……ド変態家畜に調教してはやったがこうまで完璧な雌豚になっていたとは、な」

見下ろしながらそう言うご主人様の表情は怒ってはいなかった。

「ぉふぁけ……ぉぁいあふぇぇん……」

申し訳御座いませんと言ったつもりだったが、唾液で塗れたハンカチのせいで巧く言えなかった。

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