家畜な日々
非現実:作

■ 〜さよなら過去〜11

タタッという軽快な足音を真横で聞いた。
(だっだれ……誰なのっぉ、ンッゥはっぁはぁ!)
誰かが私のすぐ真横にいるのである。
瞬間、全身で汗をかく恐怖感と……はしたなくもジンワリと雌汁を垂れ流す興奮の狭間に酔いしれている。
今の私は身動き出来ず、そして声も上げられない状態の全裸。
常人では考えられない程、ご主人様により様々な肉体改造を施された裸体なのだ。
そしてこの個室には学級委員長兼生徒副会長の山崎君と、学級委員副会長の渡辺さんが居る。
不意に渡辺さんが問いかける声が聞こえた。

「山崎君サ?」

声の位置的に、真横の足音の主は副委員長こと渡辺さんだったようだ。

「え、あ、う、うむ……何だい?」
「こういうのってサァ〜〜〜」
「?」
「ふふっ、お好き?」

言い終えた渡辺さんが、バサァッっと勢い良く重荷だったシーツが解放したのだった。

「ぁっぉ!!!!?」
「っ!?」

いきなり視界が開けた状況下でも、私は雄の臭いを自然と嗅ぎ分けていたのだった。
視線が彷徨う事数秒……。
私の視線は確かに山崎君を捕らえていた。
それはイキナリで…… ……そしてお互い絶句してしまう状況下。
互いの視線が長く絡み合った中、鉄砲玉を喰らった様な表情で必死で理解しようとする山崎君こと学級委員長。
彼の全うな生き様と既に敷かれていた軌道のレールには、こういうアクシデントは無かったのだろう。
その常識に囚われている彼は覆す声すらも出せない。

「ふふ、どぉ〜〜〜中々素敵で美しい『モノ』じゃない?」
「……ぇ…あ、てそのっ……なっ?」
「やぁだ〜〜山崎君だって女の全ては見た事あるでしょぉ〜?」
「ぁ……いぁ……いやっ、まぁっまあ……ねっ!」
「だぁ〜よねぇ〜〜、お互いいい歳なんだしねねぇ〜〜ふふふっ」

口には猿轡をされたままで、両手両足を拘束されている私は全てを晒し続けている。
そんな私に、渡辺さんはいきなり左手で胸を強く掴み絞ったのだった。

「ぁンっぅ、っぎンっぁ!!」
「どぉコレぇ、私達の事を学生時代あんなに見下してさぁ〜〜。
自由奔放に遊び倒してたあの由紀なんだよ、ふふふっ!。」

胸を襲った左手は、より強く強引にそして乱暴に揉みしだかれる。
こんな立場ながら今でも自慢の胸の形を、滅茶苦茶に変型させる程の強い揉み方で渡辺さんは再度口を開くのだった。

「ふふふ、この子はね今の仕事……あぁ、ごめん間違えた、仕事じゃなくってね?。
純粋に自ら希望したんだってぇ〜ありえないよねぇ〜、あの高飛車なアノ頃らしてみたらさ。
で今はね、どうしようもなく変態で、人間以下の雌豚なんだってサァ。」
「わ、わ……わた…渡辺君……これはいったい!?」
「まぁまぁ〜」

山崎君がようやく紡ぎ出した言葉に、渡辺さんが何やら耳打ちをした。
そして扉へと足を運びながら言ったのだ。

「じゃあ……ごゆっくり〜〜お二人さん〜」
「ぇっ、ちょっと待ってくれ、わっ…わっ渡辺君っ!!」

山崎君への言葉の返しは扉の閉まる音だった。
あまりの唐突な出来事に身動きできないでいた山崎君と、両手足を拘束された私を交互に見た渡辺さんは、手をヒラヒラと振って扉を閉めてしまったのである。
   ・
   ・
   ・
   ・
「こ、これは……どういう事なんだ……?」

飲み終えたビールの缶を片手に握り潰して山崎君が言った。
渡辺さんが出て行った後、こうなる事を私は確信を持っていた。
あの山崎君がまだいる、というのが何よりも証拠。
(ぁぁぁあ〜〜〜っ!!)
身体が疼いて仕方ない……。
次第に拘束された肢体をうねらせている。
渡辺さんの耳打ちは効果覿面だったようだ。
何故なら、校則が服を着ているとまで陰口叩かれていたアノ学級委員長山崎君が未だにここにいるのだ。
普通の彼なら、何かの事件に巻き込まれたと通報されかねない。
だが私を見る山崎君の目は、高校時代では考えられない程に狂喜に歪んで満ちていたのだった。

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