家畜な日々
非現実:作
■ 〜さよなら過去〜16
そろそろだ「出番」が近付いて来る。
「ソレ、くれる?」
「え?」
「シャンパン」
「あ、ああ……」
山崎君が半分飲んだシャンパンを口にして、丁度一口分を残して山崎君に戻しながら口を開いた。
「……私ね、何だかんだ言って今が一番幸せ。
アンタの事はそう……嫌いだけど迷惑掛けたわ、ソレ……飲み干しなさいよ。」
シャンパングラスには私の口紅がベッタリと残してある。
そして私は出口へと歩を進めた。
スライドショーは……丁度すり返られた私と山崎君の痴態が映されているのだろう……。
キャーーーッという悲鳴と、いきなりの興奮場面に抑えきれなかった男子達の好色染みた声が会場に響き渡る。
「ぇっ、ちょっとっ、な、何なのっ……だっ誰がこんな悪戯っ!!?。
と、とと、とにかくっ……次、次行きますっ!!。」
迫真の演技をする壇上の副委員長が滑稽に思えた。
そして次の写真はアレだ、そう。
会場がどよめいていた。
「ぇ、え……え、なにコレ……」
「きゃあぁぁぁぁぁっ!!」
「ちょっとっ、何よこのイヤラシイのはっぁ!!?」
「ちょっと待て、由紀って書いてあんぞ?」
「ま、まさかっ?」
会場内がざわついている。
ブルルッと身体を快楽で震わせながらゆっくりと歩を進めた。
「いやいやいや、明らかに加工だろ〜コレは」
「もういいから、さっさと画像止めてよっ!」
「でもさ……超似てね?」
「だよなぁ〜〜髪型とかサ、そのまんまだし?」
「確かに……いや、でもこれは無いだろ……あの人だぜ?」
これが私である、と知る人間は副委員長と学級委員長のみ。
だけど、憶測の限りで同級生達は限りなく私を連想させていた。
この異常なる痴態を、元同級生の私に……。
「悪戯にも程があるんじゃね?、この加工見たら由紀さんマジ切れすんよ」
「ってアレ、いねぇ?」
「いねぇって事はマジか?」
そうね、確かに前の私なら激怒の極みだったかもね。
でもね、ソ・レ・ワ・タ・シなの。
「ねぇーだろ、普通……」
「まぁ、な……ドSだもんな……」
「だけどスゲーなコイツ、刺青かなアレ?。
蛇とか蝶とか……エロ過ぎだろこれ……。」
「つーかさ、ピアスとかマジえぐいぜ?」
「あれって……閉じない……よな?」
誰かの声。
(よく知ってるじゃない、こういうのに興味あるの?。
私のね、オ○ンコはね、察しの通り閉じる事なんて無いしいっつもドロドロしてんだぁ)
歩く度に洪水のように噴出す雌汁。
「何、信じらんない、ちょっとっぉ男子っ、何見てんのよっ。
こんなのっ、只の変態じゃないっ!!!」
(ふふふ、そうよね……只の変態でしょ?)
「そーよそーよ、どうかしてんじゃないのっ!!」
「いゃ……でも、よぉ……」
元同級生の女子達に軽蔑の罵声を浴びかけられて、男性陣の声が沈黙し始める。
(でもサ、釘付けなんでしょ?)
……私に。
「わ、渡辺さんっ、早く画像を消してっ」
「で、でも先生っ、電源が消えないんでっす!!?」
「な、何ですって!?」
恐らく彼女は仕草だけだろう。
尚も私の本性は同級生の皆に晒され続けているらしい。
「でも超似てるわ、ヤベーー今日卒アルバム見てヤルわ俺っ!」
「けっ、汚らわしいわっ!!」
「脳裏に焼きつかせてよっと!」
そう、そうなの……私でヌくんだ。
会場のドアを閉めながら私は何度目か解らない絶頂を向かえてその場を後にしたのだった……。
私の通り過ぎた跡には、点々と雌汁の痕跡。
そう、これは私が望みご主人様が実行してくれた過去への決別なの。
■つづき
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