家畜な日々
非現実:作

■ 〜これが私達の望みです〜19

精液塗れの私の傍をグルグルと回りながら寺田様は言った。

「医者であれば当然、人の身体の仕組みは熟知しているつもりだ。
院長である私も日々において勤勉は欠かしていない。」

ペッィイッッ!!

「ひっぁあっ!?」

いきなりお尻を平手打ちされたのだ。

「そして私はSMにおいても熟知していると思っている。
色々な会員制クラブにも籍を置いていたし、たくさんのプレイもこなした。」
「ぁぁああっぁっぐッッンン……かはっぁっ!!」

足を吊り上げている鎖が持ち上がり、ギリギリと背骨が悲鳴をあげた。
首のギロチンのせいで呼吸も制限されている中、必死で空気を欲する私は、まな板の鯉さながらだった。

「だが……ここまでの変態家畜の雌豚と出会ったのは初めての事。
医者としてもSM経験者としても、雌豚の身体の仕組みは是非知りたい。」
「ま、まさか解体とか、ですか!?」

恐ろしい事を言うムネさんを制して、再び寺田様は口を開く。

「精密検査だよ、医者は内外を知る最高の知識がある、それが精密検査。
身体を傷付けず検査を行い、それを患者に知らせるのは医者の役目だ。」

と、そこで寺田様は持参した大きなアタッシュケースを持ち出した。

「変態家畜の雌豚、お前も自分の体調知りたいだろぅ?」
「……はぃ、寺田様ぁどうか雌豚を診察してくださぃ……」
「フン、気の聴いた言葉が吐けるようになったな」

具体的にどのようなプレイなのか……解らないというのは本当に恐ろしいものなのだ。
期待と不安で言うと不安が大半を占める中であっても私には否定の選択肢は無い。

「まずは身体の中の感度を調べるとしようか」

アタッシュケースから数本のコードを手にする寺田様を見て、これからの検査はやはり普通ではないと悟る私。
(や……怖い……)
身体をくねらせるが、もがけばもがくほど拘束された全身が軋んで痛い。
どのコードの先端にも粘着性のあるプラスチック板、つまり簡易マッサージ器だ。

「大野さん、この雌豚はマッサージプレイは初めてかな?」
「そういや、そうだね……コリでも解してやるのかね?」
「いぃやこれは精密検査さ、感度を調べて神経が正常かを調べるね。
人なら感部がどこら辺か知ってるが、変態家畜雌豚は同じかってのも調べるのさ。」

高校時代から胸の大きさと形には自信もあり、同時に肩凝りには相当悩まされていたのだが……。
アノ頃結構お世話になっていた簡易マッサージ器が、こんなプレイに使われるとは思っても見なかった。
そんな事も知らないでか、楽しそうに寺田様は簡易マッサージの電流板を身体中に貼り付けてゆく。
ジェル状の冷たい板を貼られる度、私は震えながらも耐えるしかないのだった。

「これで大体の感部に貼ったかな」

両乳房・両脇・両二ノ腕・痴丘・内股・腰・お尻・両太股……姿見ではあられもない私が映っていた。

「まるでコードに接続された美人アンドロイドですなぁ〜」
「おいおいムネさん、こいつはただの変態家畜だろうが。
で、簡易マッサージを一発で操る機械に接続すれば検査準備はオーケーだ。」

おそらく電流が流れる機材だろう、ダイヤルみたいなものと複数のスイッチが見てとれる。
端子みたいな先を1つ1つ機材に差し込む寺田様は、もはや医者の顔をしていない。

「では……早速検査開始といこうかねぇ」

まるで下等動物を見下すかのような視線で寺田様がスイッチを入れた。

「ひぐっっっぅ!!?」
「焦るな家畜、全体のスイッチを入れただけだ馬鹿雌豚……。
だがなぁ〜〜〜これをゆっくりと上げてゆくと〜〜。」
「っ……ぃっぁっぁっぁあっぁっぁぁあっぉ、ぐっぁンっぅーーーっ!!?」

言葉にならない悲鳴は、さも人ではなかった。
肢体を完全に拘束された状態で、ビクンビクンと強制的に身体が波打つ。
動けば絞まる度に身体が軋み、自身と裏腹に動いてしまう身体を必死で抑えようとすると電流が全身を貫く。
逃れられないのだ。

「あああはぁあはっはぅはぅっおっぉお……てってらっぁっっだ様っぁ!」
「解ってる解ってる」

私も解っていた……寺田様がダイヤルのメモリを大きく捻る事を……。

「やぁ……ぁぁぁぉ、おゆるし……ぃぁ……」
「やはりメモリは最大で検査はしないとなぁ〜えぇ?」

■つづき

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