家畜な日々
非現実:作

■ 〜これが私達の望みです〜23

四つ這いの体制で、立ち込める臭気の水溜りを私は舌を使って舐め取っている。
だが一向に私の水飲みは終わらないのだ。
時間を掛けてはいけない……焦りつつ舌で自らのオシッコを掬い取る。

「雌豚っ何をしているんだ、もう10分も経っているぞっ!」
「ふっぉぁ…ぁぁあ!!」

口枷のせいで喋ろうにも肝心の口が動かない。
本当にこの口枷が忌々しい……。
オシッコを舌で掬い取るまでは出来るのだが、Oの字に開きっぱなしの口に入る前に零れ流れてしまう。
(ぅぅ…ど、どうしたらいいの!)

「まったく……本当に馬鹿な下等動物だな雌豚由紀は……。
普通の家畜ですらもっと頭を使っているぞ。」
「ぁぉ、ぁっぁおお……」
「時間が経って仕方ないから変態家畜に知恵を与えてやる」

言葉を喋れない私はその場で四つ這いのまま土下座して誠意をみせる。
さっさと終わらせないと次の責めは拷問並みになる、それしか今はもう頭に無かった。
「飲尿」という変態プレイでの羞恥心を、ご主人様達に見せる事は忘れているのだ。

「床に直に口を押し当てて、それから吸ってみろ」
「っあ!?」

私は思い出したかの様に慌てて水溜りに口を押し当てた。
そして……一気に吸い込む。

ずずずずずっぅぅ〜〜〜〜〜……ずぅずぅぅぅぅ〜〜〜

口内に生暖かい体液が吸い込まれてゆき、オシッコの水溜りは濡れ汚れた床が露呈した。
私は初めて覚えた芸に夢中になっている獣みたく、水溜りが残っている処へと口を床に付けたまま移動している。

「大野さん、雌豚由紀が汚した床だが、ここら辺で掃除はいいだろうか?」
「ああ構わんよ、次に進めて下さい」
「ありがたい」

中央に椅子を用意した寺谷様が私の手を引っ張り、無理矢理立ち上げる。
そして椅子を指して云った。

「そこへ座れ、手は背もたれに回してな」
「ぉは…ひ」

云われるがまま、まだ続くのかと疲労した身体を動かして私は座った。
後ろに回った寺谷様は予想通りに手枷同士を鎖で連結させる。
更に左右の太股と足首を麻縄で縛り上げ、M字開脚を施したのだ。
ここまでがあっと言う間の出来事。

「ちょっと予定外であったが、最後の診断といこうか雌豚由紀。
医者というんはな、仕事で落ち度があった場合、それは患者の命に関わる。」
「……?」
「だから全てを完璧にやらなければならない……と私は常々うちの医者に話してる。
先程予定外でやったからよし、というのはいかんという事だよ。」

そう言いながら、寺谷様はバックから1リットルのペットボトルを取り出した。
先程のご高説と見せ付けられた1リットルのペットボトル……理解せざる得ない。
喋る事が出来ない私は、いやいやと首をか弱く横に振る。

「念の為に持ってきておいて良かったよ、1リットルのお茶……。
さっきの予想外の放尿でお前の膀胱には何も溜まってないだろぅ?。」
「はっぁはぁはぁあ…… ……ぃぁぃあ〜〜」
「健康診断には当たり前にやる事だろう、変態家畜の雌豚の尿検査だ」
「おっぉふるひぃっぉおおっ!」
「ふふふ、お許しをという言葉は雌豚にとってはお願いしますの意味だろう?」

寺谷様が片手で鼻フックの後頭部部分のゴム紐を後ろに引っ張った。

「ぁっぎぁ!!」

鼻が更に引っ張られて、痛みに絶えかねて私は顔を上あげる。
……天井と……寺谷様の冷酷な笑みと……もう片手のペットボトルがぼんやりと見えた。

「ごはっぁ……んんっぁんんんンンっぁっ……かっぁはっぁ!!。
んぉンンっぉっぃハッァハァァッ……んっぁ……カッァハッァ!。」

口から大量のお茶を吐き出した。
その度に寺谷様はペットボトルを傾けるのをやめて、私の呼吸が整うまで待つ。

「んんンぉっ、かぁっぁ……んごんんごぐっ!!」

そして再び繰り返される強制水分補給。
人間だったあの頃、美貌を保つ為に老廃物浄化と潤いを保つ為、水分は大分多く捕っていたが、これは流石に辛い。
飲み込む事が出来ないお茶は口から溢れ、顔全体を伝って身体中を濡らす。
だが寺谷様は実に絶妙だった。
呼吸困難気味に陥るのを察するとペットボトルを戻し、私が吹き零すお茶を最小限に押し留めている。
……これも医者ならではの為す術なのだろうか。
既に殆ど無くなっているお茶の殆どは体内に取り込んでいるのが事実。

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