家畜な日々
非現実:作
■ 〜更なる改造計画〜6
寺谷様とムネ様の言い合いが場を壊してしまった。
「?」な国籍不明な2人の取引相手と、深い溜息を付くご主人様を置いてきぼりにして……。
場の収束にはかなりの時間を費やして、ようやくご主人様の一言で終戦となった。
簡単に言うと、寺谷様が渋々飲んだという経緯。
それでようやくムネ様は正式な商談へと踏み切る事と相成った。
とは言っても先に聞いていた通りに、ほぼこの商談は合意の下のようで…… ……。
「じゃあ、これが約束のマネーだ、確認してくれ」
「えっ、こういう場合っていうのは同時じゃないのか?」
「ご安心を寺谷さん、こういうのは何時もと同じ形式で行うのが大事なんです。
それに……今までの信用信頼の積み重ねもね。」
ムネ様が抱えていたダンボール箱をジャックとスミスの前に差し出して言った。
「OK」とぎっしり詰まった1万円札束を1つずつパラパラと確認する。
それはとんでもない金額なのだろう。
金額は聞かされていなかったが、積み上げられてゆく札束は四つ這いの私の顎辺りまで達する程だった。
「ムネサン、OKね〜〜商売成立ネ〜〜」
「OKOK〜」
スミスと名乗る男がアタッシュケースを床に滑らせた。
慣れた手つきでケースを空けるムネ様。
中にはケース底にガムテープで1本ずつ固定されているガラス製の細い試験管が4つ入っていた。
1本1本の試験管の封を解き、小指を突っ込みそれを舐めるムネ様。
そして……満足気な表情でムネ様は言った。
「OK、純正間違いないね」
「アタリマーエですヨ〜」
右手の親指を突き出してジャックが言った。
ウンウンと頷き、改まって私達の方を向いてムネ様が宣言した。
「交渉成立です、おめでとうございます〜〜」
「や……やけにあっさりだな」
「まぁ〜〜〜ね……事前に説明してあったので、ね」
「今回はムネさんのお手柄だね」
「いやぁ照れますねぇ〜オーナーの大野さんに褒められるとはねぇ〜ハハハ」
「なぁムネさん、商談が成立した記念にコレを用意したんだが、どうだね?」
ご主人様が持参していたリュックから、年代物と思われるワインをかざした。
「それは良いですねぇ〜〜是非是非祝いましょう〜〜」
「だろぅ?」
「オォ〜〜」と歓喜する商談相手。
商談相手は2人と聞かされていたのだろう……ご主人様は5つのワイングラスを持参していた。
「おぃ変態家畜の雌豚由紀っ、テーブルだ!」
「……ぁ、ああ……ぁい!」
咄嗟に私は意味を理解する。
皆様が座る中央に四つ這いで移動して、背中を出来る限り水平に保つ姿勢をとる。
その動きに満足気なご主人様が、背中に放置してあったベニア板を引いて5つのワイングラスを置く。
「ぅぁあ!」
まともに喋れないボールギャグの私は必死である。
もしも傾きにより割ってしまう粗相が無いように……身体の重心をより気にして四足で支えるのだ。
両手両足を大きく開いて重心を安定させる。
「では、あらたる雌豚の肉体改造に乾杯!」
「乾杯っ」
「カンパーイ」
「乾杯」
「イェス!」
変態家畜の雌豚の私を狂わせる5名の悪魔が乾杯のグラスを鳴らした……。
「あぉぅう!?」
こういう趣向を知っているご主人様と寺谷様は一気に飲み干して、わざとグラスを一度テーブルに置いたのだ。
そして更にトクトクトクッとワインを注ぎ合う。
四股に力を入れて限りなく微動だにせず私はテーブルと化す。
「えぇと……ジャックさんにスミスさんだっけか、もっと飲んでくれたまえ」
「オー〜〜オーナーありがトございま〜ス!」
「ありがーとデス」
「お前も飲むか?」
酌をし終えたご主人様の意外な一言だった。
(こ、これはどういう……どうしたら……?)
唐突なお言葉に私は酷く迷いを生じていた。
(奴隷としては飲んではいけないのだけど……もしかしてご主人様は何か趣向を……?)
溜息交じりにご主人様が言うのだった。
「本当に鈍い奴だ、変態家畜なのだからそれ位も察せよ」
「ふぅわぁふぇぁ(スイマセン)……」
「今日は肉体改造第二段の前祝だ、お前にもたらふく飲ませてやるって言ってるんだ」
「ぁぃ〜〜〜……あぃがぉうごあいぁふ!」
「よしよし」
ご主人様が背中のベニア板を取り払い、首輪にぶら下がる小便精液入りの点滴パックの蓋を抜いた。
「ほうほう半分まで飲んだか、さすがは変態家畜だな、いい飲みっぷりだ。
極上ワインをブレンドしてやるからな。」
「ぁぉ!!」
ワインが傾く度、ドンドンと重くなってゆく点滴パック。
乳首ピアスから股間を通され首輪の後ろフックに続いているプラチナチェーンで、再び乳首が軋むように変形してゆく。
「これで一杯一杯まで入ったぞ、さぁ遠慮無く飲め」
「ぉぁ……ぃ…ふぁっぉ!」
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