家畜な日々
非現実:作

■ 〜更なる改造計画〜9

手術台にて両手足を大きく広げたまま、縄で縛られての拘束状態で暫く…… ……。
全身麻酔が効いてきてフワフワと落ちる寸前、細い注射器を手にした手術着の寺谷様を目視して…… ……。
やがて落ちた。


次に目を覚ました時は、カーテンから日が差し込んでいた。
重い頭で考える考える。
確か寺谷様の病院に行ったのは深夜の筈だった……つまり一夜が明けたという事だろう。
とにかく頭が重く、朦朧としている。
横になっている状態で少し頭を上げて私は全身を見た。
…… ……毛布が掛けられている……暖かい。
四肢の拘束も解かれてはいるものの、動かせなくは無いが動かす事すら面倒臭い。
だけど何ともいえない違和感を感じている。
何ていうか。
その不安感は麻酔を打たれる前に寺谷様が言った言葉を思い出させた。

「マジックを直接オ○ンコに注射する、一回目は100ccだ。
が、言っておくがこれは非合法のドラック、はっきり言って医者の私ですら後遺症は解らん。
だから100cc単位で数日掛けて打つ。」

思い出した瞬間、恐怖に青ざめた。
そして今その違和感を感じてしまっている。
腰を上げたいのに腰が上がらない……下半身に力が入らないのだ。
(怖い、コレ怖ぃいい!!)
息は荒くなり、視線は誰かを探す。
一種のパニック障害的な感覚に陥った。
発汗が止まらず、寒くないのに震えが止まらない。

「ごっ、ご……ご主人様ぁっーーっ、寺谷様っぁああ!!!」

泣きそうだった。
いや、実際涙は零れていたかもしれない。
とにかく必死だったのだ。
雌豚と変態家畜と堕ちて、頼れるのはご主人様達だけと知らされる。

「何だ、どうしたっ!?」
「ご、ご、ご、ごひゅじん様ぁぁぁ〜〜」

私の悲鳴を聞き付けて、真っ先に飛び込んで来てくれたご主人様。
嬉しくて涙が出てしまう。

「ご主人様ぁ、あのあの……」
「どうしたんだ、何か身体がおかしいか?」
「ぁいぃぃ……」
「何処だ、何処がおかしいんだっ!」

こんな私の為に必死になってくれるご主人様……甘えたい、ご奉仕したい……。
沸々と雌魂が込み上げて来る。

「か、下半身が……下半身が感覚無い……です」
「オ○ンコがかっ?」
「いぇ……下半身全体が……」
「どう感覚無いんだ?」
「下半身が無くなっっちゃったような感じで……」
「足とか、力が入らないのか?」
「は、ぃ」
「どうしたかね!」

少し遅れての寺谷様登場。
ご主人様が私の訴えを説明する。

「ふむ…… …… ……では、手術は成功したようだな」
「え?」
「ぇえぇ?」

満足気な寺谷様、ポカンとした私とご主人様の表情が回答を求める。

「それなりにドラックの性質は研究してたさ、実際限りある時間でだがな。
今回神経に直接注入という荒業だったが、問題ないと判断して実行したのは想定済みだ。」
「というと?」
「打ち込んだ箇所と周辺部位の神経を鈍らせるだろうが、それは一時的なものと解ってた。
打った場所、即ちオ○ンコの神経は衰退してゆくが周辺部位は問題無いと解っていたんだよ。」
「というと…時間を追えば問題ないと?」
「ああ、問題無いだろう」
「〜〜〜そうか、そうか……それなら…… ……良かった」
「前も言ったかもしれんが、私もこの雌豚を潰す事は勿体無いと思う。
廃人化させる事は絶対にしないつもりだ。」

医者である寺谷様の言葉に、私含めて一同安堵するのだった。
と……私は少し変な気持ちになったていた。
(こんな博打みたいな肉体改造を受けて何で私……安心してんだろ……)
という複雑な思いが交錯するが、今を生きる為に自ら選んだ「変態家畜の雌豚」としての道に、足を止めるという考えは無かった。

「数時間、あるいは数日掛かるかもしれんが安静にしておくべきだな。
下半身の感覚が戻り、精密検査を行って次の注入を行うつもりだから安心してくれ。」
「解った、雌豚由紀の下半身が戻ったらまた連絡する」

そういったご主人様が…… ……私をお姫様抱っこしてくれたのだ。

「さ、帰るぞ」
「ぁぃい……」
「動けない間は私が全部看病してやるからな雌豚、食事から下の世話までな。
だから良い子にしてて療養に励めよ?。」

ご主人様の久々に見る優しい表情と労いのお言葉。
駄目だ……もう涙が出そうだった。

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