家畜な日々
非現実:作

■ 〜主役は後から〜2

どうかご主人様、どうかご主人様、ご主人様。
トイレの個室……私は3本の指を口に入れ声を立てずに、もう片方の手でバイブ2本の底を押し当て続けていた。
オ○ンコと尻穴は空間も無いほどにギチギチとバイブで埋め込まれ、職人佐治様の手腕によりバイブは微動程度にしか出来ないない程に縛られていた。
それを承知で私は奥深く突かれたバイブの底をもう片方の手で2つを押し当てる。
(だぁ……ぁっぁぁああぁはっぁハァハァ、ゥンゥウ〜〜ぁはぁは〜〜〜〜っ)
駄目なのだ。
全く物足りない。
欲求は……この身体の疼きはもう…… ……体感では満たす事が出来ないのだ。

「ヒあっぁ、あああぅ……ううぁ?」

ぷしゅあっぁっぁっぁあああ〜〜ーーー………。

3度目の潮吹きだった。
私の意志とは全く関係なく身体は感じて、昂り、最高潮へと上り詰めて、無意識にイク。
自分の身体というのに、随分と身勝手な話である。
だけどこれが現実。
身体で感じてイク事が出来ないのが私。

「ふあ、ふぁあぁん……で、でちゃったぁ、ああぁん……ンぅふっぅ、ふぉあぁ……。
やっぁ、ぁああやぁやぁやぁ〜〜〜んぅぅう、気持ち良くないのっぉ!!。」

ビリビリと痺れるような身体を私はまた奮い起こす。
さっきよりももっと、もっともっとバイブに手を当てた指を拘束に押し当てる。

「ぃう…あぁふふぅ……んぅんんっ!!!」

満たされないこの惨状だが、身体だけでも満足してくれるなら続けるしかない。
気分は……いつだって欲求不満、それがいつの日か私にとって当たり前になってしまっていた……。
やがて身体は疲労を訴え、オ○ンコと尻穴はヒリヒリと痛みを帯びて、その行為は中断されるのだ。



左に女子トイレ、右に男子トイレ、その向かい側にある豪勢な造りの椅子に座っていた。
ふぅ…と軽い溜息を付いて煙草を取り出して火を付ける直前でここが禁煙なのを思い出して慌ててしまう。
時計の針は10分を軽く過ぎていた。
(遅いなぁ…… ……もう)
顔には出さないが苛立ちは頂点辺りまできている。
(っとイカンイカン、営業スマイル営業スマイルと。
だけどそれにしても……さっきの由紀……。)
思い出しただけでアソコがムクムクと立ってきてしまう。
(ムッチャックッチャ……可愛かったな……)
目に涙を浮かべ、ふるふると小さなさくらんぼの様な口が振るえ、整った眉を悩ましげに歪めたあの表情。
以前の最終調教と肉体改造が、由紀の全てを破壊したと言っても過言ではない。
彼女は……完全に雌の変態家畜として、大野さんに従順なのだ。
普段生活を共にしていないボクは、調教の場では支配者達に完全な従順を誓っているのかと思っていたのだ。
だがそれは大きな間違いだったようで、彼女……いや、変態家畜の雌豚由紀は人の心さえも家畜にと染め上げてしまったみたいだ。
(…… …… ……)
沸々と沸き起こるのは、嫉妬感。

「あ、あの……お待たせしました」
「ぅえ!?」

ボクは沸き起こりかけた黒い感情を慌てて掻き消す。

「ああ〜〜流石女性の支度は時間掛かるものですネェ〜〜ははは」
「ぁンぅ、すいません随分お待たせしまして」
「いえいえ〜〜待つのは商売柄慣れてるんですよぉ。
それに〜〜うんうん綺麗になってますよ、これなら大野さんも大満足でしょう〜。」
「はいっ!」
「ははは、は」

大野さんの名前が出た途端これなのだ。
今更何する訳でもないが、もう少し由紀と2人で居たい、ボクは確かにそう感じた。

「もう少し、ちょっとだけココで待機しましょう」
「え、でも」
「どうせまだ、寺谷さん関連の人達でどうにもならないですよ」

「そうですね」と言いながら、由紀はボクの隣に腰を下ろした。
香水を付け足したのだろう、雌独特の臭気から香りのいいミントが鼻を刺激する。
トイレの真向かいにあるとあってか、やけに人の横行が多い。
そして一往に皆、私達の事を視線に入れるのだ。
理由は大体解る。
(ふんっ!)
ボクはどうよと云わんばかりにふんぞり返ってみせるのだ。
「隣に居るのはボクの雌豚なんだ」
「身体にイヤラシイ刺青入れてて変態なボディピアスしてて、今も剥けば縄で縛られてて、バイブ入れてるんだ」
そう言ってやりたかった。
(ああぁ〜〜〜どうせ美女と野獣だろ、でもボクはコイツを何回も使ってるんだぜ!)
そう思うと好奇な視線も返って気持ちが良いものだった。
ここでキスの1つでもしてやれば、更に度肝を抜かしてやれそうだ。
だけど……ボクにはそんな…… ……大野さんの様な寺谷さんの様な度胸が無い…… ……。
所詮、ボクは大野さんや寺谷さんのお零れを頂戴してるしかないのだった。

「あ、ちょっと外で煙草吸ってきます、吸い終えたら戻りましょう」
「え、あ、はぃ」

いやはや何とも、雌豚由紀の返答は澄み切っていた。
反応の違いに悲しくなりながら、ボクは煙草の箱を手に外へと出たのだった。
   ・
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結局私達は、その後もムネ様の煙草タイムを2本追加しつつ世間話しつつ、30分近く間を空けて会場に再入場した。

「開始から40分過ぎ、コレ位が妥当だったかもしれませんね」
「ええ」

新郎新婦とその関係者の席には尚も輪が出来てはいるものの、どう見てもお偉方というよりは交友関係のフランクな輪である。
遠い昔に見た事ある顔らも次の行列に並んでいた。

「どしたの?」
「あっ、いえ……昔の顔ぶれが見えたので」
「ああ〜〜前いた会社……あ、ぁ失礼」
「いえ、あんなのどうだっていいんです、私達も後ろに並びましょう」
「あ、ははっ……ですねぇ〜」

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