家畜な日々
非現実:作

■ 〜主役は後から〜8

……全身を束縛されての決して逃れる事が許されない蝋責めは尚続いていた。
空調こそ効いているものの、身体に突き立てられた蝋燭の炎は殆ど揺られる事ないのはせめての救いだろう。
だが、じわじわと確実に蝋は熱され、熱い雫となって垂れ続ける訳だ。
そんな私の状況を横目に、ムネ様が拍手一つ打ってにこやかに言うのである。

「さてと、じゃぁ〜ボクからのもう一つの結婚祝いですよ〜」
「雌豚由紀を燭台にしたいと発案したムネさんの祝い物か、何だろうな」
「フフフ、いい表現ですねぇ〜燭台かぁ〜〜さすがは大野さんですよ。
実にボクのプレゼントには持って来いの素敵な明かりかもしれませんねぇ。」

そう言いながら、ムネ様は地下室の全てのあかりのスイッチを消したのだ。
途端、視界が闇に染まり一瞬の恐怖感を覚える。
そんな緊急化において動かざる人以下の燭台と化した私の身体が、小さな黒と赤の灯火を照らし続けていた。

「おぉっ、まるで本当の燭台さながらだな」
「ウンウン、こりゃぁ思った以上に上出来な燭台ですよぉ〜〜。
これなら小さい画面でも十分に見える見える!!。」

どうやらご主人様にすら知らせていないらしいサプライズのようである。
キョトンとしているご主人様を他所に、ムネ様が手持ちのバッグからノートPCを取り出した。

「怒らないで聞いてください、繭さんから了承は貰ってますケドねぇ〜。
今から流すのは父親の大野さんが繭さんに愛情を注いだフォトを纏めたものです。」
「いつの間に?」
「いやぁ〜少し詳しい分野で楽しんでいただけたらってね。
ホントはプロジェクターとかで大画面でお見せしたかったのですが用意出来なかったのですよぉ。」
「どれどれ……ぉお、これは繭の入園式に撮ったものだよっ!」

ご主人様がノートPCに食い入る。

「あ、はぃ〜〜写真をPCのツールで編集して合わせてみましたよぉ」
「ほっほぉう……んン、これは……お遊戯の写真か」
「かぁいいですよねぇ〜〜〜繭さん」
「ぁあ、ホントに自慢の娘だよ」

少し涙声になりつつあるご主人様が答えた。
ノートPCからはおあつらえ向きな(何処かで聞いたことのある)音楽が流れており、より感傷的になっているのだろう。

「おっ、コレは繭の入学式の時のだよ、ほらランドセルが大き過ぎてなぁ。
これはうちの……あいや繭の母親の形見でね、結局6年間ずっとコレを使ってたんだよ。」
「ハハ、まだランドセルに背負わされてるって感じですねぇ〜〜」

地下室は暗く自身の身体で灯される蝋燭が頼りの光の中、ご主人様は場面が変わる毎にハシャイでいた。
拘束されたままの私には見えないものの、繭様が了承した写真はさぞかしご主人様にとってはかけがえない成長の証なのであろう。
フォトの説明を口にするご主人様の声は時折涙交じりであった。
随分と刻は経った筈だ……そう……随分と。
大小の身体に立てられた蝋燭は短くなる度に次々とムネ様に代えられた。
熱蝋は乳首とオ○ンコ、尻穴の周囲をまるで塗り固めるかのように厚く盛り続け、今では既に熱蝋の熱さすらあまり感じられなくなっている。
だけどそれでも私は短くなる毎にボールギャグから呻き声を発してそれをお二人に知らせる。
悪魔なる……炎。
プレイ用と言えど炎は動物的感覚で恐怖する。
消して止まぬ燭台の灯火は段々と短くなり、そしてオ○ンコや乳首を焼くまでに近付くのだ。
ご主人様はソレすら意とせずに、ご自身で育てあげた繭様の成長記録に釘付けで……燭台となった私は懸命にその役割を務める訳だが、人間以下の最下等の生き物でも火は怖い。

「ぅっふぅぅ〜〜〜っふぉっぁふっぅふっぅふぅううふぅっふぅ!!」
「ヤレヤレ……またか、ムネさん」
「いやいや〜〜残念ながらもう少しでこのフォトも終わりなんですよぉ〜。
ですから…… ……ねえ?。」
「……ふぅむ……ふふっ!」

何やら耳打ちするムネ様の趣向に不安を覚える。
そして絶妙に編集されたフォトは音楽が緩やかに終えると共に終了した(らしい)。
そして素早くムネ様はマウスをクリックして、最後と思われるフォト場面で停止させた。

「コレ、見るとどうです?」
「いやアンタは本当に客商売に向いてるよ、うん」
「と、言いますと?」
「相手の心理をよく読んで、その気にさせてしまうところが秀才だっていう事だ。
コレみたら流石にな…… ……アノ時の気持ちが込み上げてきてしまうよ。」
「これはこれは、ありがたい言葉ですねぇ〜〜んふうっふっふっふ」

ご主人様がノートPCを手にして、ツカツカと拘束された私の目の前まで歩み寄る。
……そして徐に私の視界に入る位置にノートPCを置いて言うのだった。

「コレ……懐かしいだろう?」
「!?」

ご主人様からのご解説は要らなかった。
最後のフォトは繭様の少し強張った笑顔と、見覚えある制服姿。
そう、以前私も籍を置いていた会社の制服姿の繭様は、社会人として不安と期待に満ちた大人になりきれていない笑顔だった。
…… ……私は理解した。
最後にムネ様がこのフォトを選んだ理由を。
よくよく考えてみれば私は燭台程度で済まされるような立場ではないのだ。
ご主人様は言うた「これからが私達の二次会だ」と。

「従順な変態家畜の雌豚と育て上げ、この怒りの感情を忘れてしまっっていたよ。
私の大切な大切な娘を…… ……随分と虐めてくれたのがキッカケだったなぁ。」
「ふぁ、ふっぉあふぅ!」

首を横に振る仕草は弱々しく、それは大概事実だった。
ムネ様はとてつもない仕掛けを御用意していた。

「だろうなぁ……再度、人権などないお前の身体で聞いてみようか?」
「ぅぐぶぅぅう〜〜〜ぁっぁふぁふ〜〜〜〜」
「ではでは、コレなんてどうですかねぇ、汚い雌豚由紀の蝋をこれで剥がすとか?」

シナリオ通りという感じか。
ムネ様が間に入り、バラ鞭を手にして言うのだった。

「ほぉう、随分とまぁ用意が良いな」
「繭さんの幸せは私も同意ですからねぇ、忌まわしい事は全部雌豚由紀に擦り付けましょ」
「ふむ」

バラ鞭を手渡されたご主人様は、グリップを丹念に確かめながら言う。

「ふふっ雌豚由紀の蝋だからな、コイツで思い切り叩かないと取れそうにないな」
「ノートPCはそのままにしておきますねぇ〜〜な・ん・で、思い切りどうぞ〜」
「アンタを味方に引き付けておいて良かったよ」

ご主人様が呟くように言い、シュンシュンとバラ鞭で空を斬った。
久々に拝見する残忍な表情のご主人様はゆっくりと近付いてくる。
タイミングを計らってか、4本の熱蝋がムネ様の手によって引き抜かれる。
ヌゥルゥウ〜〜〜と、深く突き立てられたオ○ンコと尻穴から蝋燭が抜かれ、蝋によって固められた両乳首の蝋燭はボキリと音を立てて剥がれた。

(あぁぁ……下さい、はぁはぁはっぁどうかコノ雌豚にご主人様の愛の鞭を存分に叩き打って下さいませぇえぇ!!)
駄目だ、ボールギャグで言葉は発せないものの私は潤んだ瞳で鞭持つご主人様を見上げて待っていた。

■つづき

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