家畜な日々
非現実:作

■ 〜主役は後から〜10

「もう長い説明はいらんぞ?」
「…… ……ぇえぇ〜〜〜そりゃ勿論ですとも!。
これ、これを付けて変態家畜の蝋剥ぎなど〜〜如何でしょうかねぇ〜〜。」

ムネ様がバッグから取り出したのはラバー製の全頭マスクであった。

「これはその、被せれば全く見えない聞こえない喋れない……」
「解るよ、そんな事」
「で、ですよねぇ〜〜」

語尾にあははと乾いた笑いを続けながら、ムネ様が焦っている手口で無理矢理私にラバー製全頭マスクを付け出した。
焦っているせいか、グイグイと押し込むラバーマスクが肌に擦れて凄く痛い。

「こっ、これで雌豚由紀は全く見えず聞こえず喋れずの状況ですよっ、ハハハハハ」
「……なるほど、これで確かにどう逃げようとも鞭からは逃れんわけだ」
「ですですっ、こうなったら最後、牛追いのソレと同じくですねぇ〜」
「ふむっ、これは中々面白い趣向だな」
「でっですかぁぁっ、いっゃあ〜気に入っていただいてよかったぁ〜」

全頭ラバーの窮屈なマスクで何の会話がなされているか全く解らない……。
私は首を左右に振りながら状況を少しでも理解しようと必死だった。
見えない聞こえない声も出せない、これは本当に恐ろしい暗闇の世界だ。

「だが、これだけじゃぁ面白くないな……そうだな雌豚を放牧させようか?」
「ふむぅ〜〜今度は縄を解けと言うかね、でもまぁよかろうて」

最初、見えず聞こえずの状態で最初に私の身体に触れたのは誰だかは解らなかった。
だが、拘束された縄がスルスルと解けてから、これは佐治様なのだと私は理解した。
拘束が解けたのは正直嬉しい。
だけど、思考の全般はそれを恐怖と快楽で鬩ぎ合う狭間にいた。
そうなのだ。
これは周知の上。
これからの私へのソレだ。

職人佐治様の華麗なる縄でギチギチに固め縛られた身体は、ようやく自由の身となった。
だが、長時間の無理な格好での緊縛は体力を大分消耗しているようで……。
全身が筋肉痛みたいに軋み、ガクガクと身体は振るえている。

「くっぅ……んぅぅ〜〜ああぅ」

それでも私は私の在るべき態度を取らなければならない。
それが勤めであり、選んだ道なのだから。
ふるふると戦慄く両腕で身体を支え、ゆっくりとだが雌豚のスタイル四つ這いの体勢をとった。

「おいムネさん、コイツ今喋ったんだが?」
「あいたたた〜〜〜〜ミスったぁ〜忘れてました忘れてましたよ。
実はコレちょっと不良品でして、その〜声漏れちゃうんですよねぇ。」
「何だそりゃ、折角褒めたと思ったらこの様か、大丈夫かねムネさんのショウは?」
「いやぁはっはっはっは……面目ない……です〜〜」
「ぁ、あのご主人ひゃぁま〜?」
「…… …… ……煩いっ黙ってろ雌豚ぁっ!!」

ピッシィッィイィイィイイイイ

「あっぁぎっぁひゃっぁ〜〜〜ぁぁ……ぁぁああぁぁぁ〜〜〜ぁふぅ〜」

まるで電撃が走ったかのような尻への一撃に、私は一瞬にして撃沈してしまった。
耐えていた両腕はガクリと落ちて顔を床に埋め、下半身をビクンビクンと波打たせイッてしまったのだ。
久々の鞭の痛打は素早く脳内を溶かし快楽へと変換させる。
それがご主人様の手による鞭であれば尚更だった。

「もぉっとぉぉぉ〜〜もっぉぐくぁさぁぃぃぃ〜〜〜」
「……どうすんだ、ショウは失敗は許されないんだぞ?」
「いやスイマセンスイマセン……それは解っているのですが……」

(ぇ……あの……何で、ですか?)
私は前頭ラバーのせいでご主人様達の声が聞こえず、状況も見ることが出来ない。
何故かご主人様の鞭が来ない。
(もっと、もっともっと変態家畜の姿を晒さないと満足いただけないの?)
そう感じた私は無理な姿勢で緊縛されて痛む股関節を庇いながら腰をグラインドさせながらご褒美を請う。

「ふぁあ、ぁんご主人様ぁどうか雌豚由紀の尻に鞭痕を残してくださぁいぃ〜」
「〜〜〜ちぃコノッぉ、まだ喋るかっ!」

■つづき

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