家畜な日々
非現実:作

■ 〜主役は後から〜12

「そいつは、えぇと点滴だよな?」
「そうただの普通の点滴だ」
「それでどう雌豚の口を塞ぐ?」
「実演してみせようと思うのだが、良いかね?」

言いながら寺谷様が顎で私を指した。
黙って頷くのはご主人様。

「ショーの続きをやるぞ、いいか動くなよ?」
「ふっぅあンむ!!?」

言うや否や、前頭ラバーマスクで再び顔面をスッポリと覆われた。
不完全(らしい)といえどこうなればなす術は無いわけで、ただじっと待つ他はないのだ。
ご満悦そうな寺谷様は前頭ラバーマスクに次々と鋏で改造を施してゆき…… ……。

「こんなものかね」

被されたままの前頭ラバーマスクは幾分か楽になっていた……が、これが次なる過酷な調教の前触れなのだろうか。
鼻と口部分のラバーが刳り貫かれ、口と鼻で息は出来るようになった。
見えず聞こえずは相変わらずだが……。

ドキドキしてしまう。
あの医療器具をどう使うのだろうか?。
視界を奪われる前に見たアノ点滴は私をどういぢめるのだろう。

「んぅんぐぅむむっぅ!?」

興奮冷めやらぬ私の口に強引に、なにやらやわらかい物質が突きつけられた。
(ぇあ、ゴム?)
歯と舌でようやくソレは点滴の細いチューブだと知る。
ようするにコレは点滴のチューブであって、プレイが終わるまでは絶対に口から離してならないものだと理解した。
先程よりはまだマシだが口で咥えている以上、鼻で空気を欲するほかは無い。
簡易的な手段だが口を塞ぐという事にも的を得ており、即座にこんな事を思い付く寺谷様にはいつも感心してしまう。

四つ這いのまま、私は展開を待った。

だが、次の展開は全くの予想外の出来事だった。
数分の放置プレイの後だ。

(んぅむぅううぷぁぁ〜〜〜……ぁんぐんぐんぐんん!!)

苦く、口内をピリピリと刺激する、粘着質な液体が口内を襲ってきたのだ。
無論、コレが荷かは簡単に把握できる。
私の主食でもある、ご主人様方の濃いザーメンだ。
(あぁなるほど)
コレは絶対に喋る事は出来ない、ご主人様方の愛するザーメンなのだ。
私はチュウチュウとそして適度に口内で弄んだあとコクコクと喉に流し込み続ける。
恐らくご主人様・ムネ様・寺谷様が搾り続けたザーメンなのだろう、これを即喉に流し込むのは失礼極まりない。
出来るだけ舌で転がしながら口内で味わい、少しずつ私は喉に流すのだ。
(でも…… ……ザーメンの補充はしてくれるのかしら……)
ふと頭にそんな事すら過ぎらせていると、途端に首元が重くなる。
何かが首輪の前部分に付けられたのだろう。
(あぁ、コレは!)
剥き出しになった鼻腔は、ソレが何であるか的確に判断した。
ツ〜〜ンと独特の臭気はザーメンであり、今の状況から首輪の前に掛けられた重石はザーメン入り点滴なのだろう。

「どうだ、えぇ、お前の大好きなくっさいくっさいザーメン袋がぶら下がってるんだぞ?」

耳部分のラバーを引っ張って多少の空間が生まれて、微かながら寺谷様のその声が聞こえた。
なるほど、こうすれば外部からの音は聞こえるようだ。
私は喋る事は出来ないのであるから……コクコクと2・3頷いて喜びを表現してみせる。
尚も寺谷様は続けて言う。

「まぁ〜雌豚由紀の喜ぶ事だけしてもショーは成り立たない訳だからな。
装飾品も色々付けてやるからじっとしていろよ?。」

コクリと大きく頷いて四つ這いのまま、されがままに待つ私。
準備に余念が無いのだろうか……暫し待たされた私の身体に異変が現れたのはありとあらゆる箇所だった。
両乳首のリングピアス・クリ○リスピアスには重力の過程で痛みが走るほどの錘を付けられた。
更に大小を縫い合わせたバータイプのラビアピアスには複数の錘を付けられ、秘肉が千切れんばかりの痛みを受けた。
その錘の招待は身体を振るわせる事で何であるかは、前頭ラバー越しでもかすかに聞こえる音で理解できた。
……全ては鈴であることに…… ……。
それも軽いものではない、かなり重く作られた鈴だった。

「ぬぅんんぐぅ、ぷぁんんくんくんく!」

途端に鼻のラバー部分が開放されたと云えど苦しくなる。
動きに相当な枷が掛けられるのだ。
だが主様方はそれを望み、ソレを要求する。

「さぁさ、変態家畜雌豚由紀のお散歩の準備は整った、後は大野さん、あんたの出番だ」
「ふふふ……なんともいかに…… ……極上の舞台だねぇ、面白いっ!」

パァーーンバッシィイィイイイ……ピッシィィイ

荒ぶる鞭の音がかすかに聞こえる……。
恐らく……私にその鞭の存在感を示しているのだろう。
(ぁぁ……駄目ぇ〜〜…… ……ゾクゾクしちゃうの)
見えず聞こえず、そして大事なザーメンを口にしつつの喋れず。
私は尻を振り振りと誘いながら次なるステージを心待ちにしていた。

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