家畜な日々
非現実:作

■ 〜主役は後から〜13

「おぉっとっと、危ない危ない、せっかくの高級ワインが台無しになるところでしたよぉ」
「それ、ムネさんわざとらし過ぎだ」
「え、あ……ハハハ、でしたねぇ〜」

ご主人様に指摘されて照れ隠しっぽく言いながらであるが、ムネ様の右手は乳首弄りは止まない。
乳首に彩られたリングピアスを引っ張ったり、直に乳首を弄られる度に私は身体を仰け反らせて反応してしまう。
ただ、四つ這いの体制だけは崩すことは許されないのだから辛い。

「まぁ……値の張るワインを提供するのはいつでもできるがね、しかしまぁムネさんは似合わんな」
「えあ、はは……ですねぇ〜私みたいな庶民じゃこんな良いワイン滅多に飲めませんよぉ、いやぁ寺谷さんが羨ましい」
「いや、そこまで値の張るもんじゃないんだがな……それに……」

寺谷様がボトルを一度持ち上げてから、再度やや力強くガラス製のテーブルに置いた。

「っぅ!?」
「どうせ楽しむならこれ位じゃないと、な?」
「ハハ、ハハハ……」

振動に覚悟はしていたものの、ふいに置かれる衝撃は度々緊張が走る。
そう、今の私はテーブル。
手足は四脚、背中に置かれたガラス製のテーブルを支えている。
少しでも体制が崩れれば高級ワインとワイン専用グラスは瞬く間に瓦礫と化すのだ。
四つ這い故に自然と視覚も前しか見えない状況下で、目でその動向を確認することが出来ないから尚更恐ろしい。
常に神経を尖らせて背中のガラステーブルを平均に保たねばならないのだ。

全頭ラバーでのご主人様による鞭打ちはそれは凄惨極まる程のご褒美であった。
だが、私は雌豚であり変態家畜として調教された身。
泣いて鳴いて……許しを請う言葉は口にせず、ひたすらに「ありがとうございます」「もっと下さい」との言葉を吐き続けおねだりし、終いにはご主人様の体力の限界までプレイをし続けてしまったのだ。
今は全頭ラバーマスクは脱がされており視界と聴覚は復帰したが肢体を殆ど動かせないのはあまり変わっていない。
「ったく、雌豚由紀ばかりが楽しみやがって」とご主人様はお仕置きとして私をテーブルにさせたのだが、熱を持った背中やお尻はひんやりとしたガラスで心地良い。
もしかしたらこれはご主人様の配慮なのかもしれない、ふと思う。

「ショーに出す前にちょっと提案があるんだがね?」
「なんですかな、また医者の技術が必要な事があるかね?」
「手術云々ではないから寺谷さんだと専門外かもな……」
「……と、言うと?」

ご主人様がグラスをガラス台に置いてから、一息ついて口にした。

「人格崩壊なんだが」

それを聞いた寺谷様は顔をしかめながら口を開いた。

「やり方は知っているしメンタルケア関係も医者として当然熟知してる処だ。
だがね…… ……これ以上雌豚由紀にソレを求める理由は何かね?」
「そう、その雌豚というのがな……以前快楽に溺れるのが我慢ならず薬でオ○ンコの神経を殺したんだがねぇ。
さっきの鞭打ちで分かったんだが、雌豚由紀はどんな調教でも自身の快楽にさせちまうんだよな。」

黙々とテーブルになりながら、ご主人様の言葉の意味する所を考えたがどうにもよく解らない。
とにかく、ご主人様のどんな調教でも嬉々と受け入れられるようになったのだが、それがご主人様には気に入らないようだった。

「なるほど、それで人格崩壊させて正に家畜みたいにか……恐ろしいな大野さんは」
「正に家畜みたいにされるがまま扱われるがまま、自分の価値も存在も解らないくらいにはしたいんだが」
「あ、あのぅ……それはちょっとやり過ぎでは……」

私の乳首弄りを中断してムネ様が口を挟んできたが、ご主人様はきつい口調で制するのだった。

「所有物は俺なんだがな、ムネさん?」
「あ…ぅ、ででですよねぇ〜ハハ……」
「そう家畜としての所有物、それを覚悟の上で言ってるかね大野さん?」

寺谷様が手にしていたワイングラスを私の上に置いて尋ねた。
その言葉は……慎重を促しているようなそんな口調だった。

「無論だが?」
「人格を壊すという事は、責任持ってこれから死ぬまで管理と飼育しなければならない。
これまで以上に多大なリスクと危険が待っている……と言ってもかね?。」
「覚悟の上だ、元々繭が自殺を図ろうとしたした憎き奴を拉致監禁してこれまでやってきたんだ。
これからも、この先ずっと……俺は犯罪を続けていくつもりだ。」

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