清めの時間2
ドロップアウター:作

■ 「我慢するのよ」2

「あぎっ……」
 うめき声が漏れました。ふいに、先生が両手でぎゅっと、小さな胸の膨らみの部分をつかみました。
 先生は、わたしの乳房を揉み始めました。指先で無造作に、ぎゅっ、ぎゅうぅ……と強く圧迫されました。しこりも関係なく、むしろ潰れちゃうんじゃないかと思えるくらい、かなり力を入れて押してきました。
「いぎっ、痛い……あぐぅ、いたっ……」
 めちゃくちゃ痛くて、わたしは泣きました。全身が痺れるような感覚になって、立っているだけで精一杯でした。寒気もして、ちょっとおしっこがしたくなりました。
「……んぐっ、痛いです……あっ、んあぁ……」
 もちろん、抵抗することはできません。わたしは気をつけの姿勢で、胸を張って、ずっと先生にされるがままでした。そうして、相手がやめてくれるのを待つしかありません。
 でも、耐えなきゃって、自分に言い聞かせました。辛いのは、わたし一人だけじゃないから。久美ちゃんも、他の友達もみんな、我慢したんだから……



「ダメよ、倒れちゃ」
 香帆の幼い胸を弄びながら、私は彼女の耳元でささやいた。香帆は、一瞬肩をびくっと揺らして、少し怯えた目で私を見上げた。
「ほら、気をしっかり持って。ちゃんと足で体を支えているのよ」
「……んぐぅ、は…い……」
 香帆は涙を流しながら、声を絞り出すように返事した。かなり激痛なのだろう。全身を鞭打たれ、胸のしこりまで圧迫されているのだから、立っていられるだけ大したものだ。
 少女の乳房をつかんだまま、私は養護担当の水本に指示して、アルコールを湿らせた脱脂綿とタライを用意させた。タライは金属製で、直径五十センチ程度の大きさだ。そして、医師がそれを打ち合わせ通り丸椅子の手前に置く。
 水本は、また一人罪のない女子生徒が痛めつけられる様を見せつけられ、涙ぐんでいる。だが、まだ若く気の弱い彼女が私に逆らえるはずもなく、指示されれば生徒以上に忠実だった。彼女にも裸になるように命じたら、従う気がした。
 香帆の儀式を始めてから、すでに三十分が過ぎている。他の生徒なら、ここまで執拗に痛めつけることはしない。通常は十分、長くても十五分程度で解放する。年端も行かない少女達だから、裸にして体を数回打っただけで、泣き喚いて抵抗されるのが普通なのだ。
 香帆のように、何をされてもじっと耐えている少女は稀だ。そういう子こそ、私の獲物にはふさわしい。
「……うぐっ」
 乳房から手を離してやると、香帆は大きくよろけた。何とか自力で踏んばり、倒れなかったが、肩を上下させ苦しそうにしている。それでも羞恥心は消えないらしく、すぐ胸と股間を両手で隠した。
 私はハンカチを取り出し、香帆の目元を拭いてやった。少女はまだ泣き止むことができず、しゃくり上げる息遣いがずっと漏れていた。
「……んふっ、あり…がとう、ございます……」
 香帆は、涙声を発した。
 相手が礼を言ったことに、私は驚いた。彼女をこんなに傷つけた私に、「ありがとう」だなんて。本当に、どこまで純情な子なんだろう。
 離さない。もっと、もっと辱めてあげる。楽しませてもらうんだから……
 やはり乳房がうずくのが、香帆は右手でそっとさする動きをしていた。まだ涙が止まらない様子だったが、私は構わず次の指示を告げた。
「『お祓いの儀式』はこれで終わり。今度は、『洗浄の儀式』をするからね」
 苦痛がまだ続くと知らされ、香帆は少しうつむいて、短くため息をついた。それでも、素直に「はい」と返事した。
 私は、タライが手前に置かれている丸椅子を指差し、少女に命じた。
「そこの椅子に上がって、こっちを向きなさい」
「椅子に……はい、分かりました」
 少女は従順に、そこまで歩いていき、椅子の平らな部分に右足をかけた。

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