清めの時間2
ドロップアウター:作

■ こんなことまで……2

「あ……」
 その時、さっきからこらえていたことが、我慢できなくなってきました。
「えっと……んあっ、ごめんなさい」
 急に、おしっこがしたくなったんです。どうして……って思いました。さっきあんなに痛い思いして、恥ずかしいの我慢して、出したのに……どうしてまた、こんな時に……
「ん、どうしたのかな?」
「あ……んふっ、いえ……何でもないです」
 危うく言いかけて、わたしは口をつぐみました。先生達に知られると、また何かされそうだったから。
 でも……股間の疼きもますます強くなって、静電気が走るみたいな感覚になりました。
 もう限界だって思いました。情けないけれど、初めてこういうことされて……最後まで頑張るなんて、やっぱり無理だったんです。わたしは、まだ一年生なんです。何だか、疲れちゃいました……
「んひゃっ、ああぁっ……!」
 強い刺激に、つい大きな声を出してしまいました。
 下半身が痙攣する感じに、ひくひく……ってしました。その瞬間、おしっこが少し噴き出ました。尿だけじゃなく、ぬるっとした液で股間がぐっしょりと濡れていました。
「あっ……んふぅ、くはぁ……」
 息が荒くなって、全身が痺れる感じでした。頭がぼうっとして、湿っている割れ目の辺りがとても熱いです。
 いやっ、恥ずかしいよ……こんないやらしい格好、見られちゃって……
「あらあら。青山さん、漏らしちゃったの」
 野田先生が、お医者さんの後ろの方でため息をつきました。
「せっかく頑張ってきたのに、とうとう我慢できなかったわね。儀式は、ちゃんと順番通りにしなきゃ意味ないのよ」
「え……あっ」
 睨む目で言われて、わたしは焦りました。
 どうしよう、先生怒らせちゃった……
「……あの、ごめんなさい。先生、許して下さい……」
 声が震えました。野田先生は、わたし達が従わないと容赦しない人です。鞭で打たれた痛みを思い出して、寒気がしました。
 許してもらえるなんて、とても思えませんでした。今度は何されるんだろう……
「口を開けて」
「……はい」
 姿勢はそのままで、言われた通りにしました。
 先生は、針の付いていない注射器を持って、わたしの顔に近づけました。中には、黄色っぽい透明の液体が入っています。
「くわえなさい」
「はい……むぐぅ」
 注射器を喉まで入れられて、息が苦しいです。それに、中身が何なのか不安でした。心当たりはあるけれど、そうだと考えたくなかったです。
「不浄の水はね、間違った順番で出してしまった時は、体内に戻さないといけないのよ」
 野田先生に言われて、嫌な予感が当たったんだと分かりました。先生は、わたしに……おしっこを飲ませようとしています。
「無理させてるから、可哀想だと思うけど。でも、罰は受けてもらわなきゃいけないわ」
 わたしの頭を優しく撫でながら、先生は怖い顔で言いました。
「吐き出したら、もっとたくさん飲ませるからね」
 悲鳴を上げそうになったけれど、何とか押し殺しました。
 諦めるしかありません。どっちみち何を言っても無駄です。わたしは、ただこくっとうなずくしかありませんでした。
 先生が、ゆっくりとピストンを押して……尿が口の中に流れ込んできました。ぬるい海水みたいな味がしました。
「むぐっ……うぅ」
 味そのものというより、穢れたものを口の中に入れられている嫌悪感に、わたしはうめきました。涙がにじんで、視界がかすみました。
「さぁ、飲みなさい」
「うぐぅ……」
 ごくっ、ごくん……そんな感じで、わたしは自分の尿を飲みました。
「あなたの健康な体から出たものよ。きれいだから、一滴も残さず喉に流し込みなさい」
 先生が、ピストンを押しながら気休めっぽく言いました。
「ん……くふぅ」
 吐き出したいのをこらえながら、わたしは何とか喉を動かしました。
 こんなことまで、しなきゃいけないの……こんな、惨めなことまで……
 信じられない屈辱に、また泣いてしまいました。

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