清めの時間2
ドロップアウター:作

■ やめないで1

「ちゃんと全部飲んだか、調べるわよ」
 香帆に注射器をくわえさせたまま、私はしゃがみ込んで言った。
 涙を流しながら、香帆はこくっとうなずいた。「吐き出したら、もっと飲ませる」とさっき私に脅されているせいか、その愛らしい唇でしっかりと注射器を離さないようにしている。相変わらず痛々しいほどに従順だ。
「『おいしいです』って、言いなさい」
 そう命じると、香帆は驚いた目になった。自分の尿を飲まされた上に、こんな屈辱的な言葉を言わされるのだから、無理もない。
「おしっこ飲んでたら、ちゃんと声出せるはずでしょう? 寝たままでいいから、言ってごらん」
 別に台詞は何でもいいのだが、できるだけ恥ずかしいことを言わせたかった。この少女なら、わざわざ飲んだか確かめる必要もないのだろうが。純情な乙女を調教しているようで、私は興奮した。
「んふっ、お…いし……」
 途中まで言いかけて、香帆は激しく咳き込んだ。尿の味の気持ち悪さが、まだ口の中に残っているのだろう。
「吐いたらどうなるか、分かってるわね?」
 苦しげに肩を揺らす少女に、私は容赦なく告げた。少女は咳き込みながら、また力なくうなずいた。本当は胸を押さえたいのだろうが、両手は内腿を押さえさせられていて動けない。
 咳が止まると、香帆は何度か深呼吸した。それから私を見上げて、震える声を発した。
「おいしい、です……」
 睨んだりするかと思ったが、ただ悲しげな目でこちらを見つめているだけだった。少女は本当に、全てを受け入れるつもりらしい。
「そうよ、えらいわ。ちゃんと言えたじゃない」
「あり…がとう、ございます……」
 褒めてやると、香帆はか細い声で返事した。そしてまた、しゃくり上げて泣き始める。
「舌を出して」
 注射器を仰向けの少女の口から引き抜き、次の指示を出した。泣いていても構わず続ける約束だ。
「……あ、い」
 泣きながら、香帆はぺろっと小さな舌を出した。その真ん中に、私は注射器の先を当て、ピストンを押した。筒の部分に残っていた彼女の尿が、可愛らしい舌に注がれる……
 香帆は、小さな舌をチロチロと動かし、尿がこぼれないように舐め取っていった。どんなに泣いてもやめてもらえないということを、この少女はよく分かっている。
 無垢な十二歳の少女にしては、まるで男性器を咥えている擬似フェラのようで、いやらしい動作だった。ただでさえ、全裸でM字に足を開かされ、恥部を完全に露出した格好なのだ。もっとも、本人はそういう言葉さえ知らないだろうが。

「うあ……」
 香帆が小さくうめいた。舌が追いつかず、尿が少しこぼれてしまった。口に入った分をごくんと飲み込むと、少女は懇願する目で言った。
「あ……今、吐いたんじゃないんです。あふれちゃって……」
「しょうがないわね。さっきと合わせて、これで二回目よ」
「ごめんなさい。あの、また飲まなきゃいけませんか?」
 香帆は涙声になり、肩で息をしていた。体も心も、かなり参っている状態なのだろう。初めての一年生にしては、ここまでよく耐えている方だ。
「いいわ、大目に見てあげる。これ以上飲むのは無理そうだし」
「ごめんなさい……」
「気にしないの。その代わり、最後まで耐えなさい」
「はい、頑張ります」
 少女は泣きながら、それでも従順にうなずいた。
 相手に同情したのではない。最後まで辱めを与える口実を作りたかっただけだ。こんなに楽しませてくれる少女は、他にいないだろう。今のうちに、加虐の興奮を思う存分味わいたいのだ。
 注射器を回収した後、私は部屋の隅で待機させていた水本に合図し、タオルと氷水の入った桶を持って来させた。そして、香帆には「立ちなさい」と命じた。
 香帆は立ち上がると、胸元で両腕を組み、華奢な肩と二の腕をさすった。その足下は、少女の尿と膣内からにじみ出た愛液で濡れている。
「寒い……」
 か細い呟きが漏れた。保健室は冷房が効きすぎているから、裸の体には辛いだろう。それに、もうすぐ一時間になる。
「これを持って」
 私は香帆にタオルを手渡して、また命じた。
「タオルを桶の水に浸けて、なるべく絞りなさい」
「はい」
 香帆は言われた通り、桶の前で跪いてタオルを氷水に浸し、両手で絞った。そして立ち上がり、気をつけの姿勢になる。隠しても手をよけさせられると、諦めたのだろう。
 養護の水本が、打ち合わせた通りコップに桶の水を汲み、少女に告げる。
「青山さん、ごめんね。我慢して」
 そうして、寒さで震えている背中に……追い打ちをかけるように冷たい水をかけた。続けて左右の肩、両腕、乳房と同じように濡らしていく。
 水をかけられると、香帆は一瞬びくっと体を揺らし、口元を歪めた。なぜか、少女は声を立てない。水本の言いつけを守って、我慢しているのだろうか。
「さぁ、『洗浄の儀式』を締めくくるわよ。青山さん」
 私は、香帆がタオルを持っている手をつかみ、指示を出した。
「タオルで、全身を拭きなさい。なるべく強くこすって、体を清めるのよ」
「……分かりました」
 香帆は素直に返事して、涙を拭いた。

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