清めの時間2
ドロップアウター:作
■ 「ごめんなさい」2
「……ここですか?」
水本先生の指示で、わたしはカメラに向かって正面に立たされました。
「ええ、今の位置でいいわ」
カメラの画面とわたしを交互に見た後、先生は少しためらう感じで言いました。
「じゃあ、そろそろ……いいかな?」
「……あぁ、はい」
先生が、タオルを取るようにという仕草をしたので、顔が火照りました。さっき全部見られているけれど、改めてとなると恥ずかしくて、緊張しちゃいます。
さすがにためらうけれど、思い切って……タオルを体から引き剥がしました。
「それ、先生が預かろうね」
タオルを先生に手渡した後、つい恥部を隠してしまいました。こういう状況に、どうしても慣れられません。
「じゃあ、始めるわよ。まずは意思確認と、約束を言う所からね」
そう言うと、先生はカメラの録画ボタンを押しました。
「まっすぐ立って。気をつけ、しようね」
「……はい、すみません」
恥ずかしさをこらえて、わたしは言われた通りの姿勢になりました。そうすると、急に肌寒さを感じて、それで余計に裸なのを意識してしまいました。
先生に合図され、わたしはカメラに向かって話しました。
「えっと、わたし……青山香帆は、自分の意思で『清めの時間』に参加しました」
どんなふうに話すかは、前の子を参考にしなさいと先生に言われたので、その映像を見て決めました。
ただ、それが久美ちゃんだったから……わたしは泣きそうになりました。
久美ちゃんは、わりと発育が早い方で、わたしと違ってブラジャーもしています。体育の着替えで、おしゃれな感じの下着を見せてもらったこともありました。
映像の中で、久美ちゃんはもちろん全裸にされ、女の子なら見られたくない部分が丸見えでした。叩かれたすぐ後だったらしく、体に赤い線みたいな痕がいくつもできています。
豊かな胸と下半身の恥毛が、妙に目に焼き付いて、忘れられそうにありません。可哀想に、久美ちゃんはしゃくり上げて泣いていました。
「……今日のことは、誰にも話さないと約束します」
わたしも、久美ちゃんと同じように撮られてるんだ……そう考えると、声が震えてしまいました。
「えっと、感想は……正直とても辛かったです。でも、辛かったのは自分だけじゃないと思います。次からは、もっと……慣れられるようにしたいです」
自分で言って、どきっとしました。そうです……「清めの時間」は、今回で終わりじゃないんです。かといって、慣れられるとも全然思えません。
カメラの前でお辞儀した後、わたしはゆっくりと膝を曲げて、タイルの上に体育座りしました。
「この格好で、いいんですよね?」
胸と下半身が隠れる姿勢だから、少しほっとしました。
「えらいわ。ちゃんと覚えてたのね……でも」
先生は、カメラの位置をわたしに合わせて下げ、また指示しました。
「両手は足首じゃなくて、膝の上に載せてね。それと、足ちょっと開こうか」
「あっ、はい……」
……いやぁっ
言われた通りにしてみて、叫びそうになりました。この姿勢だと、股間の割れ目が隠せません。おまけに、中がぱっくりと丸見えになります。
でも、すぐ思い直しました。どっちみちこの後、もっと恥ずかしいポーズを取らされるんです。それに、久美ちゃんは泣きながら耐えたんだから、わたしもがんばらなきゃ……
三十秒くらいじっとして、体育座りのポーズを撮られました。そして、また次の指示を聞きます。
「……じゃあ、開脚しようね。柔軟体操みたいに」
「は…い……」
先生に言われて、まず足を前に伸ばしました。すぐ広げるのは、さすがにためらってしまいます。
「……あの、ごめんなさい」
「ん……どうかしたの、太腿痛い?」
「いえ……わたし、運動あまり得意じゃないんです。ちゃんとできるかなと思って」
焦っちゃって、言い訳するみたいになりました。
「そんな、無理して上手にやろうとしなくていいわ。青山さんの精一杯で、十分だからね」
「分かりました……んくっ」
すごく恥ずかしいけれど……両手を内腿に添えて、足をゆっくりと左右に広げていきました。つい左手で覆ってしまったけれど、注意されるかなと思ってすぐよけました。
「恥ずかしいでしょう。痛くない?」
先生に気遣ってもらったけれど、緊張して声も出ません。うつむき加減で、無言のまま首を縦に振りました。
割れ目がくぱっと開いて、自分でも中のひれみたいな部分が見えていました。しかも、少しまた濡れてきています。カメラには、たぶんそれを全部撮られているはずです。
「青山さん……もういいわ。足を閉じて」
先生の声を聞いて、救われた気分でした。急いで足を閉じて、膝を曲げ、両腕で抱えました。この姿勢が、一番恥ずかしい所を隠せます。
「じゃあ、今度は……ブリッジしてね」
ほっとしたのも束の間、次のポーズを指示されました。
「足は、カメラの方に向けて。ちょっと体勢きついけど、最後だから……ね」
「……はい」
でも、逆らうことは許されません。わたしは仰向けに寝て、両手を左右とも耳の横に置き、足を少し広げて膝を立てました。それから、苦しいけれど……思い切って体を持ち上げました。
「くぅ……いぎっ」
痛いです……少しうめいてしまいました。恥ずかしいのと、体を支えるのが結構きつくて、腕が震えました。
開脚よりも、させられるのが辛いです。下半身を突き出す格好になっちゃうし、お尻の穴まで見えてしまうから。おまけに、乳首まで硬くなっちゃって……
「そう、青山さん……上手よ」
先生に励まされて、何とかこらえられました。
「んぐっ……先生、もう……いいですか?」
苦しくて、悲鳴みたいに言いました。
「あと少し、そのまま……がんばって」
「はい……うぐっ、んふぅ……」
■つづき
■目次
■メニュー
■作者別