清めの時間
ドロップアウター:作

■ 35

「これでね、おしっこを採るのよ。この管をあなたのおしっこの穴に入れて、尿道の中を通していくの。管が膀胱に入ったら、自然におしっこが出てくるようになっているのよ。導尿と言ってね、自分でトイレに行くことができない患者さんとかに使う方法なの」

 く、管を……おしっこの出る穴に……あ、あんな小さな穴の中に入れるの? そ、そんなことしたら……
 わたしは、思わず両手で口元を押さえました。悲鳴を上げてしまいそうになるのを何とかこらえました。
「い、痛そうですね……」
 なぜか、他人事のようにつぶやいていました。
 兵藤先生は、淡々と話を続けました。
「たしかに、痛みはあると思うわ。特にあなたぐらいの年頃だと、下半身が未成熟な分敏感だから、なおさら強く痛みを感じてしまうかもしれないわね」
 何だか、体の力が急に抜けていく感じがしました。おしっこの穴に管を入れられるなんて、想像しただけでも、怖くて……寒気がします。
「北本さん」
 先生が、わたしの裸の肩をぽんと叩きました。
「どう、心の準備できた?」
 わたしは、目をつむって一度深呼吸をしました。
 やっぱり、痛いのかな……すごく痛かったら、泣いちゃうかもしれない……
 また、嫌な思いをしなきゃいけないんだ……そう思うと、悲しかったです。でも、このままおしっこが出るまで恥ずかしい格好でいるのも、耐えられません。

 わたしは、先生がわたしにしようとしていることを、受け入れます……

 目を開けて、もう一度深呼吸して答えました。
「はい。お願いします……」
 そうです。わたしには、耐えることしか許されていないんです。何をされても、受け入れるしかありません。それが、「清めの時間」のしきたりなんですから……

「北本さん、そんなにつらそうな顔しないで」
 兵藤先生が、わたしの股間をのぞき込みながら言いました。
「北本さんの、女の子の部分……すごくきれいよ」
「えっ、女の子の部分って……」
「女性器のことよ。中がピンク色で、本当にきれい……純情な女の子の色ね。北本さんらしいわ」
「そ、そんな……恥ずかしいです」
 あそこのことを言われて、ほめられているのは分かるけれど、余計に恥ずかしくなりました。いやいやをするように、首を左右に振りました。
 先生は、注射器を持ってわたしに指示をしました。
「北本さん、両手でね……股間のワレメの部分を左右に引っ張って、中がよく見えるようにしてくれる?」
「えっ、えぇ……」
 指示を聞いて、顔が熱くなりました。股間のワレメを左右に引っ張ったら……中の恥ずかしいところが、膣の奥が丸見えになってしまうんです。
 もうとっくに、わたしのおっぱいもあそこも肛門も……全部見られてしまっています。先生達にも、クラスのみんなにも……なのに、まだ恥ずかしいことしなきゃいけないなんて……
「北本さん」
「はっはい……」
 それでも、わたしは兵藤先生に促されて、両手を股間のたて筋の両側に置きました。
 恥ずかしいけれど……やっぱり、先生の言うとおりにするしかありません。そうしなきゃ、いつまで経っても終わらないんです……
 わたしは、思い切って……両手の指先に力を込めました。そうして、股間のワレメを両側から引っ張って、くぱっと大きく広げました。
 そうして、わたしのあそこが……誰にも見られたくなかった女の子の部分が、丸見えになってしまいました。股間のワレメだけじゃなく、膣の奥まで……
 いやっ、恥ずかしい……
 両手に力を入れて大きく開いているから、股間が少し痛いです。ぬるっとした液が指先について、すべりそうでした。
 少しざわめきが起こりました。誰かが、「玲ちゃん、あんなことさせられて可哀想」とか、「あんなに大きく開いて、痛くないのかな」とか、そんなことを言っているのが聞こえました。
 お願い、あんまり見ないで……

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