清めの時間
ドロップアウター:作

■ 36

 兵藤先生が、注射器から伸びた管の先をピンセットで挟んで、わたしに言いました。
「おしっこを採り終わるまでは、しばらくそうやってワレメを開いたままでいなさいね」
「はっはい……」
 わたしは、泣き声で返事しました。
 先生は、ピンセットで挟んだ管の先を、わたしの股間に近づけてきました。
「それじゃあ、これからおしっこを採るからね」
 先生がそう言った時、管の先がおしっこの出る穴のすぐ近くに当たりました。
「あっ……」
 つい、びくっと体を揺らしてしまいました。
「動かないで。陰部を傷つけてしまうといけないから、じっとしてなさい」
「はい、すみません……」
 先生にあやまって、わたしはきゅっと唇をかみました。そして……

 兵藤先生が、わたしのおしっこの穴の中に、管の先を入れました。

「んくっ……」
 おしっこの穴が、ちくっと痛みました。
 管の先が一センチくらい入ると、先生はピンセットを地面に置いて、管をじかに指先でつまみました。そうして、管を穴の奥に押し込むようにしました。
「くぅ……あぐっ……」
 うめき声を漏らしてしまいました。管が尿道の中でこすれて、ひりひり痛みました。
「いっ、痛い……痛いです……」
 すごく痛いです。股間を針で突き刺されているみたいに感じました。想像以上に痛くて、我慢できなくて……わたしは泣きました。
「あっ」
 その時、急に……おしっこがしたくなってきました。
 おしっこが出ていかないように、下腹部に力を込めました。でも、尿道に管を通されて穴を広げられているせいか、力がちゃんと伝わらなくて、だんだんおしっこが我慢できなくなっていきました。
「あら、どうかしたの?」
 兵藤先生が、すぐにわたしの様子がおかしいことに気づきました。
「せ、先生……」
 わたしは、声を絞り出すように言いました。
「あ、あの……おしっこ……」
 いやっ、十二歳にもなってこんなこと言いたくない……
「ん? ああ、自分でおしっこをしようと思ってする必要ないのよ。さっきも言ったけど、管が膀胱まで入れば自然に出てくるようになってるんだから」
「ち、違うんです……おしっこ、したいんです……」
 話している間にも、尿意が強くなってきました。下腹部が張ってきて、少し痛いです。
「もう少し差し込めば、管は膀胱に入るわ。それまで待てないの?」
「ぼ、膀胱が……痛くて……我慢できないんです。ごめんなさい……」
 兵藤先生は、小さくため息をついて、管を下の方に傾けました。
「仕方ないわね。寝たままでいいから、おしっこをしなさい」
「は、はい……あっ」
 先生に言われて、わたしは仰向けに寝たままで、おしっこをしました。先生達や、クラスのみんなの見ている前で……
 注射器の中に、管を通してうすい黄色の液体が流れ込んでいくのが見えました。先生は、注射器を手にとって、わたしの尿が溜まっていくのを見ていました。
 いっぱいに溜まったところで、ふいに先生が、わたしのおしっこの穴から管を引き抜きました。また尿道の中がこすれて、股間が少し痛みました。わたしは、変な声を出してしまいました。
「んひゃっ……」
 管が尿道から引き抜かれた時、おしっこの穴から尿が少し噴き出て、辺りに飛び散ってしまいました。先生の白衣にも、わたしのおしっこが少しかかってしまいました。
「あっ……先生ごめんなさい、ごめんなさい……」
 わたしは、泣きながら先生にあやまりました。すごく申し訳なくて、それに恥ずかしくて、涙が止まらなくなってきました。
 いやっ、見られちゃった……中学生にもなって、みんなにおしっこするところ見られちゃった……
「いやっ、いやぁ……」
 頭の中がぐちゃぐちゃになって、わたしはしゃくり上げて泣きました。何だか、自分が汚されてしまったような気がして……死んじゃいたいって思いました。

 もう、これで終わるのかな。少しは、楽になれるのかな……

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