国取物語
しろくま:作

■ 13

皇帝「クリス! 起きなさい。」
皇帝の声により、クリスは目を覚ます。彼女は裸のまま眠ってしまったようだ。
クリス「ん・・・・・ここは?」
クリスは、まだ寝ぼけている。
皇帝「では、昨日の話しの続きをしましょう。」
クリス「はい・・・・」
皇帝「実は、貴女に私の子供を生んでもらいたいのです。貴女は容姿、能力共に最高の女性です。私にこそふさわしい。」
クリス「!!!な、何を!?」
皇帝「これは、貴女にとっても、ロマリアにとっても、大きなチャンスでもあります。私とロマリアの王女が結ばれれば、ロマリアはスーザンの同盟国になる。今よりマシな待遇になるでしょう。」
クリス「くっ・・・・しかし・・・・」
クリスの心は大きく揺れていた。皇帝の言うことは一理ある。しかし、自分の身体を・・・
皇帝「分かりました。奴隷としての扱いも止めましょう。ロマリアを独立させてもよい。どうです? 私の子供を生みたくなりましたか?」
本当の狙いは定かではない。しかし、今のクリスにはそれほどの読みは出来ない。しばらく考えた後、クリスは答えた。
クリス「・・・あなたの・・・子供を・・・私に・・・生ませて下さい・・・・」
クリスの表情は暗い。
皇帝「そうですか、良かった。これで私にも跡継ぎが出来る。では、早速はじめましょう。」
まさか、そんなに早く始めるとは、クリスは考えてもいなかった。もっと遠くのお話だと思っていたようだ。
そして、皇帝は服を脱ぎ、ベッドへ入り込む。
クリス「ちょ・・・まだ・・・」
しかし、皇帝は止めようとしない。自分のモノを勃起させ、クリスの上に圧し掛かる。そして、胸、あそこ、身体の隅々までじっくり観察して、手で触り、舌でなめる。
クリス「くっ・・・・」
皇帝が自分の性器を掴み、クリスの膣へと挿入を始める。
クリス「ぐぐ・・・」
クリスは顔を顰めるが、あまり声は出さない。棒を挿入したたことがあるため、それほど痛みはない。
皇帝はゆっくり腰を動かす。皇帝は相当なれているため、動きもスムーズで女性が感じ易いように動いている。
しかし、クリスは声を出さないばかりか、感じようともしない。必死で自分を抑えているようだ。
クリス(私は、こんな男に屈しない。身体は汚されても・・・心だけは・・・)
クリスは顔を歪ませ、必死に耐える。心の悲痛な叫びが聞こえてくるようだ。1日経って冷静になったのであろう。昨日のような乱れ方はできないと心に決めている。
しかしそれは、皇帝をより興奮させるだけだった。
皇帝「それもいいでしょう。普通に犯すのには飽きていたところです。」
皇帝は腰を振り続け、どんどん感情が高まっていった。
皇帝「んん・・・中に出しますよ・・・では!!!」
ついにクリスの膣の中に射精してしまった。そして、自分のモノをしばらくの間、挿入したままの状態にしていた。妊娠する可能性を高めるために、精液をなるべく中に留めるつもりである。その後1分ほど経過してから、ようやく抜いた・・・
皇帝「いいですよ・・・でも、貴女は感じていませんでしたね?」
クリス(あぁぁ・・・・中に・・・・もう私は・・・・)
皇帝「ふぅ・・・まぁいいでしょう、今夜また来ます。貴女が妊娠することを確認するまで、朝晩に2回、毎日行います。貴女も・・・もう諦めなさい。」
皇帝は服を着て、部屋を出て行った。クリスは、自分が汚されてしまったことを、改めて実感した。
クリス(でも・・・これで国は・・・これで良かったのよ・・・)
皇帝が約束を守る保障などありもしないのに・・・
国が救われるという安堵感と、犯されてしまったことの後悔とで、クリスの心は複雑な気持ちになっていた。

皇帝が部屋を出た後2時間ほどが経過した後、1人の女性が部屋の中に入ってきた。見張りの兵士は倒されている。
女性「クリス様。ご無事ですか?」
女性「救出が遅れました。申し訳ございません。」
その女性は第6騎士団の団員であった。恐らく、王が捕らえられたため、第6騎士団は独自に行動しているのだろう。
彼女は第6騎士団の副団長を勤める、セレナ。この城の内部に潜入するとは、なかなかの腕前である。恐らく、この城に潜入できるのは彼女と団長くらいのものであろう。
ちなみに、第6騎士団は通常の戦闘には参加しない。いわば、裏で暗躍する《忍》の様なものである。王女であるクリスは、正確な実態を把握していたが、一般には知られていない。
セレナ「クリス様! ご安心ください。アレク王はご無事です。それにアンナ様もレオナも。」
クリス「良かった・・・・」
セレナ「現在、我々の手により、この城から脱出するための準備を進めています。クリス様、あなたも・・・」
しかし、クリスは考えていた。
クリス(このまま逃げても本当の解決にはならない・・・例え、無事国に帰れたとしても、スーザンはまた攻めてくるはず。そうしたら、今度は本当に・・・・)
クリス「私にはやらなければならないことが・・・・あなたは、人質になっている兵たちを!!」
セレナ「実は・・・アレク様も同じことを言っておられました。しかし、我々が無理を言って、納得していただきました。」
セレナ「確かに・・・クリス様になら、皇帝を仕留めるチャンスはあります。・・・・では、もう少しだけ、あの屈辱に耐えてください・・・」
そして、彼女はそっとナイフを渡す。彼女はすべてを見透かしていたかのようだった。それが彼女の仕事なのだが・・・
セレナ「暗殺は今夜実行してください。それまでは、我々も気づかれないようにします。暗殺が終了した後は、その混乱に乗じて我々が王を脱出させます。」
セレナ「ただし、一撃で仕留めてください。あの皇帝は普通ではありません。私も暗殺を試みましたが、近づくことすら出来ませんでした・・・御武運を!」
そして彼女は部屋を出る。その時、倒れている兵士に、謎の薬を嗅がせた。恐らく記憶を消すためであろう。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊