黒い館
けいもく:作

■ 11.プレゼントは亜紀ちゃんの処女1

 浴室から出て、脱衣場でわたしは、白いブラウスに手を通しました。これでわたしも館の一員になったのだと思いました。すこしうれしい気持ちもありました。

 その日の夕食は普通でした。『えっ』と思ったことといえば、夕食を作る当番が、お館様だったというくらいでした。お館様の趣味は料理でした。わたしと裕美さんが手伝ったのですが、三人の中で一番手際よく、おいしいものが完成していました。

 館の総員七人が、同じテーブルを囲み、食べはじめたのですが、お館様は手がさびしいと思ったのか、すぐに、女の子をひざの上に乗せました。亜紀ちゃんでした。

 亜紀ちゃんは、よばれると自分のお茶碗とお皿を持って移動して、お館様のひざに乗りました。お館様もできるだけご飯を食べさせてやろうと思ったのか、さわるのをもっぱら胸から下にしていたようなのですが、それでも、五分もたち、亜紀ちゃんが何とか食べ終えた頃には、ブラウスとスカートは、床の上に落ちていました。

 隣にいた香子さんが何も言わず、拾ってハンガーにかけてくれました。

 お館様は、裸にした亜紀ちゃんの唇を奪い、片手で、乳房を搾り、握った手から先端の部分だけがはみ出した乳首を吸ってみました。それはさっきまで裕美さんにしていたのと同じ行為でした。

 お館様はもう一度亜紀ちゃんの乳首を吸い、同じように唇を奪い、できる限りの亜紀ちゃんの唾液を飲み込んでみました。

 それは裕美さんとの違いを感じ取ろうとしたからでした。確かに裕美さんと亜紀ちゃんでは、肌のはりというのか、油の乗り具合のようなものが違うという気がしました。

 それは、乳房に指を立てて揉んでみた時が、一番はっきりわかると思いました。亜紀ちゃんの乳房は弾き、裕美さんの乳房は、立てた指を溶け込ませるような感触がありました。

 そしてもうひとつ違いがあるとすれば、亜紀ちゃんの処女のにおいでした。お館様は、テーブルの食器を遠くへ押しやり、亜紀ちゃんを乗せて、ひざ頭に力を加えて、可能な限り、股間を開かせました。そして、そこをまじまじと見つめ、鼻をつけて処女のにおいを嗅ぎ、舌で味覚を確かめました。

「誕生日、楽しみにしているよ」
 お館様は、立ち上がり、亜紀ちゃんの耳元で囁きました。

「はい」
 亜紀ちゃんは、恥ずかしそうに、しかし、はっきりとした声で答えました。

 たぶん、亜紀ちゃんも三ヶ月先には、処女でなくなるはずでした。そしてそれを奪うのが自分だと考えると、お館様は、少しいたたまれない気持ちになりました。

 亜紀ちゃんがここに着てから、すでに一年間過ぎていました。その間お館様は、亜紀ちゃんの身体には鞭も打たず、夜伽もさせず、せいいっぱい大切にしてきたつもりでした。といっても、亜紀ちゃんのみずみずしいおっぱいや秘部はやはり楽しみたいので、抱きしめて、さわったり、舐めたりしているうちに、つい興奮してしまい、自分のものをほおばらせて、そこに精液を出してしまったということは何度かあったのですが。

 そんな時でも、亜紀ちゃんは、あの喉に粘りつくような飲みづらい液体を口で受け止め、飲み干してくれました。お館様は、処女の亜紀ちゃんのフェラチオの上手さに、少し意外な感じがしました。

『ひょっとすると、真菜より上手いかもしれない』
 お館様は、真菜ちゃんがこの館に来て以来、何10回となくフェラチオをさせていましたが、あまりの上達のなさに首を傾げていました。時に、咬みつかれて、びっくりしたこともありました。

 ある意味では、真菜ちゃんのおおらかな性格は、そういう陰湿な技巧に興味を示さなかったのかもしれません。

 それでも、お館様は懲りずに、真菜ちゃんの口に自分のものを含ませていました。真菜ちゃんも、「エーッ、またあー」とか言いながら笑顔で応じていたのですが。

 でも、亜紀ちゃんは見ていたのです。たとえば、お館様が、香子さんや愛子さんを裸にして身体を弄んだ後、自分のものを口に含ませ、両手で押さえつけた頭を前後に動かす様子を。

 喉にあたるまで、頭を押さえつけられて、苦しくなった香子さんが、食べたものを吐き出してしまったこともありました。亜紀ちゃんも手伝い、床にこぼれた吐しゃ物をふき取り、お館様は身体を汚したまま、香子さんを連れて風呂に入っていきました。

 長い風呂でした。それでも、お館様は、香子さんに身体を洗わせたあと、精液を飲ませているのかもしれないと思いました。

 そして、香子さんや愛子さんでさえ涙を流すことがある、精液を飲み込まされている瞬間が、一番苦しいことを見抜いていました。

 お館様が、『わたしの口に含ませた時、わたしは最後の一滴まで欲望を身体で受け止めよう』と決意していました。そして、香子さんや愛子さんみたいにされてもかまわないという覚悟もしていました。

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