狂牙
MIN:作

■ 第1章 籠絡2

 ですが、その後のお誘いをわたくしは断れませんでした。
「私…、もっと奥様向きのマッサージも得意ですよ…。お部屋に来て頂けますか?」
 そのお方のお誘いは、甘く妖しい物を含んでいましたが、わたくしはお与え頂いた快感と疼く身体に抗えず、誘われるままにそのお方のお部屋に向かいました。
 招かれて、そのお方のお部屋に入ると
「さぁ、そこに横に成って下さい…」
 優しい言葉で示され、そのお方のベッドにうつ伏せに横たわりました。
 甘いそのお方の残り香がわたくしの鼻孔をくすぐり、わたくしの心臓は早鐘を打ちます。

 そんなわたくしの背中にそのお方は、優しく手を触れマッサージを始められました。
 わたくしが唇を噛み、声を殺すと
「このお屋敷の部屋は防音が効いております。お声を開放して下さい…」
 優しい声で囁かれ、わたくしは抵抗を止めました。
「あああ〜ぁ…はぅ〜」
 わたくしの口から、止めどなく官能を示す声が漏れ、そのお方はそれを巧みに引き出します。
 わたくしは一つの楽器のように、そのお方の指が操るまま、淫声を上げ蠢きました。

 いつの間にか、わたくしの洋服は全て脱がされ、全裸を晒しそのお方の指に全てを委ねます。
「奥様…綺麗なお身体ですね…。まるで20代のようです…。白くて張りが有って…それでいてうっすらと脂がのって…」
 そのお方はわたくしの肌に指を這わせ、わたくしの衰え掛けた肌をお褒め下さいました。
 そのお方の手が、乳房を揉み
「形の良いオッパイですね…。しかも、バランスの良い大きさ…乳首も綺麗な薔薇色…」
 乳首を転がしながら囁かれ、わたくしの淫声は更に大きく成り、子宮は激しく収縮しました。
 そのお方の手が、スルスルと股間に伸びて行った時は、快感でいっぱいだった頭でも恐怖を感じ、ゾクリと総毛が立ちました。

 今でも、初めて経験する程の快感を感じて居るのに、一番感じる部分を触れられたら、どうなるか解らなかったからで御座います。
 そんな恐怖感は、何の抵抗も出来ないまま、消え去りました。
 いえ、恐怖感だけでは有りません。
 思考そのものが、完全に消え去りました。
 わたくしの覚えて居るのは、真っ白な世界とその奥で更に白く強い光が何度も光っていた事だけです。

 わたくしの思考が戻って来た時は、わたくしは洋服をキッチリと着込み、乱れた化粧を整えた状態でした。
 それは、そのお方との事が夢で有ったかと思う程、元通りに成って居たのです。
 ですが、わたくしの身体が現実だと教えて呉れました。
 わたくしの身体は強い脱力感と深い満足感に満たされていたのです。
 夫とのSEXですら感じた事の無い快感と充足感。
 それをあの方は指だけで、わたくしにお与え下さいました。

 わたくしは久し振りに晴れやかな気分で、過ごす事が出来ました。
 しかし、それも直ぐに無くなり、またイライラが募ります。
 そんなわたくしを見ると、そのお方は優しくお誘い下さります。
 わたくしは、そのお方のお誘いをどうしても断る事が出来ず、いつもはしたなく身体をお預けします。
 その度にそのお方は私に、強い快感と深い充足感を与えて下さりました。

 その周期は、初めの頃、夫とのSEXと同じ3日に1回でした。
 ですが半月もすると、それは2日に1回に変わり、毎日に成るまでそう時間は掛かりませんでした。
 その頃には、わたくしの方から、お相手を懇願しておりました。
 そのお方はニッコリと微笑まれると、わたくしを誘いお部屋へ向かわれます。
 わたくしは胸を高鳴らせて、そのお方の部屋の中に入って行きました。

 わたくしが毎日お部屋にお伺いするように成ると、そのお方はわたくしに特殊なローションを使い、わたくしを官能の海に引き込んでいきます。
 そのローションを使われると、わたくしの身体は熱く燃え上がり、何度でも絶頂を迎える事が出来ました。
 わたくしは淫声を上げながら、身悶えし粘っこい愛液を垂らします。
 そのお方は、わたくしのはしたない姿を耳元で囁かれ、わたくしが如何にいやらしいか説明されます。
 わたくしは涙を流しながら、それを否定しますが、身体はそのお方の言う通りの反応を示し、わたくしの言葉が嘘だと証明します。

 わたくしがそのお方と、このような爛れた関係を結ぶように成り、当初の頃は私の身体の反応を誤魔化したり、認めなかったりしても、そのお方はお許し下さいました。
 ですが、この頃はわたくしが認めるまで、手を止め焦らして、わたくしが絶頂を迎えられないように、加減をされ始めました。
 そのお方の指は、巧みにわたくしの官能を弄び、翻弄してわたくしが、いやらしくふしだらな女だと認めさせます。
 わたくしは、自分が淫らで浅ましい女だと認めない限り、絶頂を得られ無くなりました。

 わたくしは恥ずかしくて、悔しくて何度も泣きながら、[もうお誘いには乗らない…][もうお誘いしない]と心に決めた事も有りましたが、わたくしの身体はそのお方を前にすると、熱く蕩け抗う事が出来無く成っていました。
 わたくしの身体はそのお方を求め、そのお方の与えて下さる快楽から、離れられなくなって居たのです。
 わたくしはいけない事と知りながら、もう抗う事無くそのお方に身体を任せるように成りました。
 そして、そのお方の仰るように[わたくしは淫らな女である]と認めるように成りました。
 すると、そのお方の仰る通り、わたくしの快感は倍増し、何度も深い絶頂を極めるように成りました。
 わたくしは[真の快楽]を得た気持ちでした。

 わたくしが自分の本性を認めると、そのお方は新たな快楽をわたくしに与えて下さりました。
 それは、様々な淫具を用いた物です。
 バイブレーターやディルドーと呼ばれる物やローターと呼ばれる物を使って、そのお方はわたくしの身体から快感を引き出されます。
 わたくしがそのお方のマッサージを受け、朦朧としているとそのお方は
「どうです? 気持ち良かったでしょうか…。今日はもっと別の世界に連れて行って上げます」
 わたくしに宣言し、わたくしのクリ○リスにピンク色の卵のような物を押し当てました。

 羽虫のような音を立てるそれがクリ○リスに当たりますと、わたくしは腰が砕けてしまい、驚きを隠せませんでした。
「そ、それは、何ですか?」
 わたくしの問い掛けにそのお方は
「ピンクローターと言う、玩具です…。大人のね…」
 妖しく微笑んでわたくしに説明して下さいました。
 わたくしは、その異質な快感に、最初、嫌悪感を覚え拒否致しましたが
「奥様…我が儘を仰らないで下さい。貪欲な奥様の身体を満足させるには、これぐらいの道具が必要なんです」
 そのお方はわたくしを諭しながら、わたくしの身体をベルトで拘束されました。

 右手を右足の脹ら脛、左手を左足の脹ら脛の両内側に固定され、手首に金属棒の付いた枷を嵌められ、わたくしは身動きが取れ無く成ってしまいました。
 わたくしはそのお方を信頼しておりましたが、その時ばかりは正直少し怖かったです。
 わたくしは必死で懇願し、そのお方に止めて頂くようお願いしました。
 ですが、そのお方は妖しい笑顔を強めて
「これが、お気に入りに成らなければ、私を解雇して頂いても構いません。必ず、奥様は満足される筈です」
 わたくしに宣言し、わたくしの身体に玩具を付け始めました。

 両の乳首に1つずつ、クリ○リスにも1つ、ピンク色の玩具が取り付けられると、そのお方はわたくしの身体をマッサージし始めます。
 わたくしはこの玩具が気に成り、そのお方のマッサージを楽しめませんでした。
 そして、そのお方もそんなわたくしを見て
「力を抜いて、いつものようにリラックスして下さい。でないと…」
 わたくしに注意をして、また妖しく微笑みました。

 そのお方は、わたくしの顔が引き攣ったのを見て取ると、言葉が終わる前にオ○ンコの中に指を差し込み、激しく掻き回しながら
「優しく出来無く成る事に、成ります…」
 わたくしに仰いました。
 ですが、拘束されたわたくしの身体は、どれ程注意されても、力が抜けずそのお方は溜め息混じりに諦め、わたくしの身体を撫で回し始めました。

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