狂牙
MIN:作

■ 第2章 ゲーム15

 乙葉は俺の膝の上に乗り、自分のロックグラスを持って座った。
 俺は左手を乙葉の頭に持って行き、ソッと引き寄せ胸にかき抱いた。
 乙葉の上体が俺にしなだれ掛かり、乙葉は俺の胸にコトンと頭を預ける。
 俺は乙葉とグラスを合わせ、一口分を口に放り込むと、乙葉は固く目を閉じ同じ量を口に入れ、無理に呑み込む。
 (おいおい、そんなに無理するな…。これじゃ、まるで罰じゃないか…)
 いつもは舐める様に飲む事しかできないのに、[付き合え]と言った俺の言葉に、量迄付き合おうとしている。
 俺はそんな乙葉に呆れながらも、愛おしくなる。

 俺はフッと微笑み乙葉を見詰めると
「乙…、濃いのが苦手なら、水割りにしろ…」
 そう言いながら、左手を伸ばし乙葉のグラスを取り上げる。
「あ、はい…」
 乙葉は少し済まなさそうな表情を浮かべ、俺が取り上げたグラスを両手で掴む。
 俺は静かに首を左右に振り、自分のグラスを9割程飲み干し、一旦サイドテーブルに置いて、水を注いだ。
 俺はマドラーで軽く酒を混ぜ、乙葉にグラスを差し出し
「かなり薄目に作った。これなら、大丈夫だろ?」
 優しく乙葉に手渡した。
 乙葉は驚いた表情を浮かべ、直ぐにグラスを両手で掴むと
「は、はい。お気遣い有り難う御座います」
 上目遣いで俺を見詰める。

 その頬は上気し、目は潤んでいたが、どこか決意のような物が秘められている。
 俺はそんな乙葉の表情に、フッと笑い掛け
「どうした? 俺はお前にそんな顔をさせる事をしたか?」
 問い掛けると、乙葉は静かに首を振り
「こ、こんな夢みたいな時間が…少し怖くなりました…。何も見付けられない…自分が不甲斐ないです…」
 俺の膝の上で小さく成る。
 俺は乙葉の頭を左手で抱え込むと、クシャクシャと撫でて
「お前が気にするな。お前は良くやってる。今日は甘えろ…」
 乙葉の落ち込みを和らげてやった。
「ご主人様…」
 乙葉は感極まって、泣きそうになりながら俺の首にしがみ付く。

 俺はゆっくり乙葉の背中を撫で、引き離すと
「ほら、飲むぞ」
 乙葉の唇に、軽く唇を当て、グラスを翳した。
 コクリと頷くと乙葉は、水割りを口に含んでゴクリと飲み込み
「ご主人様…、美味しいです」
 ニッコリと艶やかな微笑みを浮かべる。
 俺はまた、乙葉の唇を啄み
「そうだ、お前はその顔が一番綺麗だ」
 乙葉の笑顔を褒めて遣った。

 2人は杯を重ね、ボトルのブランデーが半分程になると、俺もほろ酔いに成ってきた。
 乙葉も良い感じで酔っているのか、頬をほんのりと染め、目がトロリと澱んでいる。
 これだけ、酒に弱いと店に出す訳にも行かない。
 乙葉の唯一の弱点だった。
 そしてこの状態の乙葉は、感情の抑制が上手く行かなくなる。
 笑い出したら止まらないし、何かの拍子に直ぐに泣き、落ち込み、怒り、突拍子もない事を始める。
 まぁ、そんな乙葉を弄ぶのも、中々楽しい物ではあるが、コントロールは大変だ。
 今の乙葉は、[甘え]一色である。

 ソファーに仰向けで横たわる俺の上にのし掛かり、頬摺りしながら猫のように喉を鳴らしている。
「あふぅ〜…、ふふ〜ん…、ふん、ふにゃ〜〜〜ん…」
 乙葉は満足顔で鼻を鳴らし、俺の身体に自分の身体を押しつけながら、時折水割りを飲む。
 柔らかな乳房が俺の腹で潰れ、時折金属の感触が俺の腹を撫でる。
 乙葉と優葉、お揃いのリングピアスだ。
 組織が行う人体改造は嫌悪感しか抱かないが、この程度は許容の範囲だ。
 俺の中での禁忌の分かれ目は、[元に戻せる]か[元に戻せない]かである。
 だから、ピアスはOKだが、入れ墨はNGなのだ。
 それでも[過ぎたるは及ばざるがごとし]で、やたら滅多にピアスを付ける気もない。
 女達も俺の好みを知っているから、無理にねだったりはしない。

 俺は乙葉のするに任せて、ブランデーのグラスを傾ける。
 すると突然乙葉の身体が、ブルブルと震え
「あふぅ〜〜〜ん…」
 乙葉が切なそうに声を上げる。
 俺は目だけで、乙葉に[どうした?]と問い掛けると、乙葉は蕩けた顔を俺に向け
「あふぅ〜…ご主人様が、子宮に下さったミルク…オ○ンコの中に出て来ちゃいました〜…」
 艶然とはにかみ、ペロリと舌で唇を舐めた。
(あっ、こいつ…今ろくでもない事考えたぞ…)
 俺は今までの経験で、乙葉の表情は知り尽くしている。

 俺が制止する前に乙葉は俺の上から降りて、ソファーの前に立ち上がり
「ご主人様ぁ〜、奴隷のショーをご覧下さい〜」
 グラスを翳して、満面の笑みで宣言した。
「ちょ、ちょ…まて…」
 俺が身体を起こして制止するより早く、乙葉は行動を起こす。
 足を肩幅に開いたかと思うと、股間にロックグラスを押し当て、そのまましゃがみ込んだ。
 乙葉の両手がピタリと股間を覆い、乙葉の腰が落ちて完全にM字の体勢になると
「はい、消えました」
 両手を肩の辺りでヒラヒラ振って、無邪気に報告する。
 タンブラー程度のコップなら解るが、ロックグラスは直径8pは有る。
 それが飲み口の方から、乙葉のオ○ンコの中に入ったのだ。

 俺は乙葉に向かって
「おい、馬鹿危ないぞ。早く出せ」
 真面目な顔で注意する。
 俺の家のグラスは、そこら辺の安物と違い、クリスタル製でガラスも薄い。
 単純に言えば、脆いのだ。
 今の状態で、グラスが何かの拍子に割れてしまえば、膣内はとんでもない事に成ってしまう。
 俺の言葉を聞いた乙葉は、プクリと頬を膨らませ
「危なくないですよ〜。ほら、ほら、ご主人様見てぇ〜」
 クルリと身体を回転させ、膝を伸ばしてお尻を大きく突き出し、胸を床に押しつける。
 俺の目の前に、乙葉の白い尻とピンクの大淫唇が晒される。
 乙葉がフッと息むと、オ○ンコからズイッとロックグラスがせり出て来た。

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