狂牙
MIN:作

■ 第3章 転換の兆し3

◆◆◆◆◆

 由梨達が劉の研究所を訪れてから5日が経ち、由梨の下に啓一の処置が[終わった]と連絡が入る。
 由梨は、直ぐに晶子と毬恵を連れ、研究所に向かった。
 由梨が劉の診察室に着くと、入り口に向かって啓一が平伏している。
「予定より早かったわね…」
 由梨が劉に問いかけると
「ああ、事の他薬物が馴染んだからな…、お前さんの下処置が原因じゃろう」
 劉は仏頂面で由梨に答えた。
 由梨は[ふ〜ん]と小さく頷くと
「でっ、出来はどうなの?」
 劉に問いかける。
「契約どおりじゃ…。いい出来に成ったぞい」
 啓一を顎で指し示し、由梨に答えた。

 由梨は啓一に向かって
「立って、出来を見せなさい…」
 静かな声で命令すると、啓一はスッと立ち上がり、直立不動の姿勢をとる。
 先ず、由梨の目に飛び込んで来たのは、啓一のチ○ポだった。
 今回、啓一が行われた処置の一つである。
 それは、一言で言うと凶器に変わっていた。
 啓一のチ○ポには、ピアスの変わりに無数の振動する金属球が埋め込まれ、鬼の金棒のように変化している。

 啓一の横に劉が立ち、啓一のチ○ポを指示棒で指しながら、説明を始めた。
「こいつのチ○ポは、長さ17cm太さ6cmのこのサイズが通常じゃ、硬度も一般人の勃起状態と何も変わらん。これ以上小さくなる事も柔らかく成る事も無い。これは、チ○ポの内皮を強化し、海綿体も密度を変えたのが原因じゃ」
 劉はそう説明しながら、啓一の竿をペチペチと指示棒で叩き、視線を晶子に向け手招きする。
 いきなり指名された晶子は、驚きを浮かべながらも急いで劉の元へ腰を低くした姿勢で走り、足元に平伏した。
 晶子の走り方は、劉の機嫌を損ねないため、由梨が徹底させたものだ。
 晶子が下から劉を見上げると
「これは、お前のものじゃろ。大きくしてみろ」
 劉は尊大な口調で晶子に命じる。

 晶子は平伏して指示を受け取り、啓一の足元に正座して口を開いた。
 通常の勃起状態だったものが、晶子の口の中で変化してゆく。
 晶子はその変化に戸惑いの表情を浮かべ、直ぐに驚きに変化させ、苦痛に歪める。
 晶子の小さな口は目一杯拡げられ、正座していた足が中途半端な膝立ちに成っていた。
 劉は[ひゃひゃひゃ]と笑いながら、由梨の方を向くと
「この通り、興奮状態に陥れば、このチ○ポは長さと太さが、最大1.5倍に膨れ上がり、硬度は樫のように堅く変化する。体積の増大に伴い大量に必要とする血流は、睾丸に埋め込まれたポンプで強制的に循環する仕組みじゃから、勃起し続けても壊死は起こさん」
 そう言いながら、晶子の口からはみ出た部分や、睾丸を指し示し説明する。

 説明の最中、啓一のチ○ポを咥えた晶子は、必死に成って藻掻き、啓一のチ○ポを口から抜こうとしていた。
 晶子の歯は啓一の肉棒に食い込み、気管を押しつぶした状態で、口角は裂けそうな程伸びている。
 晶子の口の中で勃起した啓一のチ○ポは、晶子の開口限界を超え、抜けなく成っていたのだ。
 バタバタと藻掻き苦しむ晶子の手足から、徐々に力が抜け、動きが弱々しく成ると、限界を迎えたのかダラリと力が抜ける。
 晶子は呼吸困難で、失神してしまった。
 だが、啓一のチ○ポは失神した晶子の体重全てを受け止めても、ビクともしていない。
 劉は、満足そうにニヤリと笑うと、白衣のポケットに手を突っ込み、小さなリモコンを取り出すと、ボタンを押した。
 ボタンが押されると、忽ち啓一のチ○ポは硬さを失い、失神してぶら下っていた晶子の身体が床に落ちる。
「このとおり、外部からの信号で、ポンプを作動させることも可能じゃ。周波数は説明書に書いておくから、適当なリモコンにセットしろ」
 劉はそう言いながら、再びボタンを押して、啓一を勃起状態にすると、ポケットにリモコンを戻す。

 劉は再び指示棒を取り出し、啓一のチ○ポを示すと
「後は、この金属球じゃ。こいつは、お前さんも良く知ってるじゃろ、振動と放電どちらも自在のタイプじゃ。特殊なのは、内皮と表皮の間を自由に行き来する機能じゃ。ほれ、この通り」
 金属球を指し示し、さっきとは別のリモコンを操作する。
 すると、隆々と怒張した啓一のチ○ポに散らばっていた、パチンコ玉のようなものが、するすると動き始め表皮の下を這い回り始めた。
 その動きは、20個程の金属球全てがランダムに動いており、異様な光景である。
 だが、劉がリモコンを操作すると、その動きは統制が取れ始め、規則正しいものに変わった。
 金属球が3っつのグループに別れ、亀頭の下、竿の中ほど、竿の付け根近くに集まり、等間隔で並び回転を始める。
 緩々と回りだしたリング状の郡体が、徐々に回転速度を上げた。
 回転速度は見る見るうちに加速し、あっという間に高速モーターのように回っている。

 回転する郡体は、そのまま郡体どうしの間隔を狭め始め、亀頭の部分で3っつの郡体が列を作り、それぞれ別の回転数で回っていた。
 その郡体がまた元に戻り始め間隔が開くと、今度は斜めに回転し始める。
 斜めに回転した郡体同士が接触しようとするが、それぞれの間隙を縫い、金属球はまったく接触しなかった。
 そして、啓一のチ○ポの輪郭が、突然ぼやけ始める。
 高速で複雑に回転する金属球一つ一つが、振動を始めたのだった。
 その振動が徐々に強くなり、啓一のチ○ポは蜃気楼のように不確かな物に見える。

(あ〜あ…。爺さんやり過ぎでしょ…。こんなチ○ポ、誰に突っ込むって言うのよ…。って言うか、これ突っ込まれたら、その場で壊れちゃうわよ…)
 由梨は啓一の改造チ○ポのデモンストレーションを見て、開いた口が塞がらなかった。
 劉は満足そうにリモコンを操作し、チ○ポの動きを止めると
「まぁ、今のはデモ用の動きじゃから、調教用には好きな動きをプログラムしろ。リモコンでも操作可能じゃが、複雑な動きはプログラム任せにした方が無難じゃな…。あれが、中で接触したらこいつのチ○ポは、その瞬間消し炭になるぞ」
 使用上の注意を由梨に伝える。
 由梨が軽く肩をすくめて了承すると、劉は啓一の胸板に指示棒を当て
「次の説明は、こいつの身体じゃ」
 宣言すると、啓一に顎をしゃくった。

 すると、啓一は足を軽く肩幅まで開き、腕を組むと、いきなり後方に仰け反った。
 啓一の上半身は、グニャリと後方に消え、下半身だけがその場に残っている。
 ブリッジのような弧を描くのでは無く、完全に腰の骨が折れ曲がったような、姿勢だった。
 由梨の眉毛がピクリと跳ね上がると、啓一の太ももがそり始め、膝が緩んで、啓一の顔が足の間から出て来た。
 それだけなら、某国の雑技団でも見た事が有るが、啓一の顔はドンドン正面を向き、足の間から肩がせり出し、胸の前で組んだ上体も現れた。
 有り得ない柔軟性に、毬恵が息を呑むと、啓一は組んだ腕を解いて床に着き、そのまま身体を支え、足を浮かせて逆立ちを始める。
 ピンと足を伸ばして、綺麗な逆立ちを披露した啓一は、そのままユックリと足を下ろして床に着き、上体を持ち上げ直立不動の姿勢に戻った。
「間接の稼動域は、殆ど倍近く広げた。骨密度も上げ骨格が負けないように強化した。ボディーバランスはかなり優秀じゃぞ。」
 劉がそう告げると、啓一は診察室に置いて有る大きなスチール製の机に右手を伸ばす。
 スチール製の机の角を掴むと、腕に力をこめる。
 すると、その机はフッと床から浮き上がり、啓一の右手一本で支えられていた。
「注文どおり、全身の筋肉に薬物を投与して強化した。こいつの今の筋力は、常人の3倍程に成っとるわい」
 劉が説明を終えると、啓一はスッと机を降ろし、再び直立不動の姿勢に戻る。

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