狂牙
MIN:作

■ 第3章 転換の兆し4

 劉は、視線を失神している晶子に向け
「後の改造は、実地の方が良かろう…。ソレは、こいつの持ち物じゃろ…」
 由梨に問いかけると
「ええ、コレには啓一を管理させてるわ」
 由梨は頷いて、啓一に顎をしゃくる。
 啓一は由梨の合図に小さ頷くと、自分の傍らで失神している晶子に視線を向ける。
 晶子の横に膝をついた啓一は、恭しそうに晶子の洋服を脱がせ始めた。
 洋服を脱がせる啓一を無視して、由梨と劉は同時に椅子女に向かい、二人はこの間と同じ位置に座った。

 椅子女に座り視線を向けた時には、啓一は失神したままの晶子を全裸に剥き終え、横たわった晶子の足元で平伏している。
「啓一始めなさい…」
 由梨が静かに告げると、平伏した啓一の顔が上がり、這い進みながら晶子の足を肩に乗せ、顔を股間に近づけた。
「面白いぞ…、これも新技術じゃ…。今までの2倍は収縮率が上がって、繊細さも、力強さも、兼ね備えとる。まぁ、お陰で元の機能はほぼ無くなっとるがな…」
 劉が由梨に説明すると
「ひゅ〜〜〜〜っ!!」
 晶子が、跳ね起きるように目を覚ました。
「やっ! な、何…? こ、これ…」
 晶子は顔面を蒼白に染め、引きつった顔で啓一の顔を見つめている。

 だが、次の瞬間、晶子の頭が弾き飛ばされたように仰け反り
「あひぃ〜〜〜〜〜っ!」
 甲高い快感の声が迸った。
 啓一の頭が、小刻みに上下左右に動き始めると、晶子の身体は痙攣しながら強張り始める。
 啓一が肩に担いでいる、晶子の足が小刻みな痙攣に振るえ、時折ビクビクと跳ね上がる。
 青ざめていた晶子の頬は、真っ赤に染まり、目は潤んで狂ったように頭を振っていた。
 全身はピンクに染まり、身の内で経験した事が無い快感が暴れているのが、簡単に推測できる
 その姿は、未経験の少女が、老獪な調教師に極限の享楽を味合わされているようだった。
「あひゅ! あひゅ! いひぃ〜〜〜っ! がはっ! うひぃ〜〜〜」
 晶子は意味不明の声をあげ、全身を震わせ、快感に翻弄される。

 啓一の頭が大きく晶子の股間から離れ、直ぐに前に動き始めると
「あっ、あっ、や、やだ…、そこ…、だめぇ〜〜〜〜っ」
 晶子は泣きそうな声で、啓一を制止したが、次の瞬間
「あひゅ〜〜〜〜〜っ」
 笛の鳴るような高い声をあげ、床に勢い良く頭をぶつけ、身体をそり返し痙攣する。
 今まで様々な薬品を使い、強い快感に慣れきった晶子の身体が、未知の快感に翻弄されきっていた。
 晶子の目がグルリと裏返り、白目を向いて失神する。

 由梨はそのさまを訝しそうに見つめていたが
「ふぇふぇふぇっ…。おい、何をしてるか、ちょっと見せてやれ…」
 劉が大笑いしながら啓一に声を掛けた。
 啓一は劉に言われるがまま、晶子の腰を両脇から掴み、顔を股間に当てたまま立ち上がった。
 晶子の逆さまになった身体は、力無く両手をバンザイの形で垂らし、完全に失神して白目を剥いている。
 両手で骨盤を持って、股間に顔を押し当てていた啓一の顔が上がり、啓一が何をしていたか初めて由梨に理解できた。
 啓一は、晶子にクンニを行っていたのだ。
 そして、今はアナル舐めを行っただけだったのだ。
 だが、それだけで晶子は昇天し、愛液を撒き散らせながら失神した。

 その理由は、改造された啓一の舌だった。
 啓一の唇から真っ直ぐ晶子の股間に向かって、桃紅色の舌が伸びている。
 その舌が、上を向いた晶子のアナルに侵入していた。
 だが、その舌は異様に細く成っている。
 啓一の両手が下がり始め、晶子の身体が下に降りて行き、啓一の顔との距離が開き始めた。
 それが、10cm20cmと広がっても、啓一の舌はまだ、晶子の身体から出てくる気配が無い。
 晶子の身体が30cm程下がった時、ようやく晶子のアナルから、先端が尖り、針のように成った舌先が現れた。
 啓一の舌は、晶子の身体から離れると、ブニュブニュと蠕動しながら、啓一の口元に戻り、普通の舌の形に変わる。
「どうじゃ? 中々の長さじゃろ…。今までの倍ほどの長さじゃ。動きの精度も、力強さも当社2倍比じゃ」
 啓一の舌の変化が終わると、劉が楽しそうに由梨に告げた。

 由梨は眉をギュッと顰めて、啓一を見つめながら
「あの舌の動きも、当社比じゃないの…」
 劉に問いかける。
(何…。あの、蛭のような舌の変形…)
 由梨は平静を装いながらも、啓一の舌の動き方に嫌悪を抱き、心なしか声が震えていた。
「ひぇひぇひぇっ。仕方なかろう、生物界で最も収縮蠕動が高いのは、蛭やナメクジだ。そういう動きになるのは、自明の理じゃろ」
 劉が楽しそうに、由梨に伝えると
(絶対、この爺の趣味だな…。視覚的に、相当おぞましくなちゃった…。私が、蛭やナメクジ駄目なの知ってるくせに、ワザとやったわね…)
 由梨は表情を消して、冷たい目線で劉を見つめる。

 劉は由梨のその表情の変化を見て
「おいおい、そう怒るなよ…。あんたの、好みは知っとるが、最新のSEXマシーンじゃろ? コレぐらい、多めに見れんか」
 劉は慌てて、由梨に弁解をし始めた。
「こいつは良いわ…。だけど、この2匹に同じ処置したら…。私の言いたい事、長い付き合いだから解ってるわよね…」
 由梨の言葉は、氷のように鋭く、劉に突きつけられる。
「あ、ああ…。解った…解ったから…怒らんでくれ…」
 劉は由梨の顔から視線を外し、小さな声で謝罪した。

 由梨が視線を劉から外すと、劉は人心地ついたように溜息を吐き
「あ、後は、尺骨と橈骨を共鳴させる振動装置と、掌に埋め込んだ吸盤ぐらいじゃ…。これ以上やると、外見が変わるからな…。あんたからのオーダー範囲の傑作じゃ…」
 由梨に啓一の改造結果を伝えた。
 由梨は劉の報告を聞くと、スッと椅子女から立ち上がり
「その子を置いて行くわ…。次の処置を楽しみにしてるわよ…」
 静かに告げ、スッと劉の顔を覗き込み、数cm手前まで顔を近づけ
「私の好みを忘れないでね…。次は、無いわよ…」
 氷のような視線で、劉の瞳を貫いてニッコリと微笑んだ。
 劉は壊れたおもちゃのように、何度も首を縦に振り、由梨の言葉を承諾する。

 由梨は満足げに頷くと、顔を離した。
 劉がホッとした瞬間、直ぐに由梨の顔が同じコースで元に戻り、劉の耳元に囁く。
 由梨の囁きを聞いて、劉が驚きの表情を浮かべ
「そ、そんな事…。堪えられる筈が無いじゃないか…。そ、そりゃ…やり方は有るが…、絶対に発狂してしまうぞ…」
 ボソボソと呆気に取られながら呟く。
「でも、やってみたいでしょ? 大丈夫…、あの子なら出来るわ…私の命令ですもの…」
 冷たい微笑を浮かべて、失神している晶子を見つめ囁いた。
「や、やれと言ったのは、あんたじゃからな…。気が触れても、儂は責任持たんぞ」
 劉は由梨に念を押したが、由梨は優雅に頷いて
「啓一、帰るわよ。毬恵用意なさい」
 啓一に命令し、毬恵は啓一の洋服を準備した。
 啓一の改造が終わり、晶子が入れ替わりで1回目の処置に入る。
 こうして、葛西家の家族達は、次々に二度と普通の生活に戻れない身体にされて行くのだった。

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