狂牙
MIN:作

■ 第4章 回り始める舞台2

◆◆◆◆◆

 朝のベッドルームで、昌聖が身じろぎをする。
 昌聖の四肢には、美咲達が絡み付き安らかな寝息を立てていた。
 昌聖は優しく微笑み、顔をスッと左に向ける。
 昌聖が顔を向けるタイミングと同時に、左腕にしがみ付いていた歩美の瞼がスッと開いた。
 昌聖は微笑を強め、歩美に笑いかけると、歩美はニッコリと微笑みソッとベッドを抜け出す。

 歩美が寝室から抜け出すと
「佳子さんですか?」
 美咲が小さな声で、昌聖に問いかける。
 昌聖が美咲の方に向き直り
「起こしちゃったね…。ちょっと、気に成ってね…」
 微笑みながら小さな声で、美咲に答えた。

 昌聖の言葉に、左足側から
「私も、実働して調べましょうか?」
 佐知子がずり上がりながら、昌聖に問いかける。
「何だ、佐知子も起きてたの…」
 昌聖が、微笑みながら言うと
「はい私は、歩美の動きで…。人が動いて、寝てるのは美由紀ぐらいです」
 佐知子は美由紀を一瞥して、答えた。
 佐知子の言うとおり、美由紀だけはまだ昌聖の脹脛にしがみ付き、心地良さそうに眠っている。

 昌聖はクスリと微笑みながら、腕時計に目をむけ
「学校には、少し早いけど起きようか」
 美咲達に告げた。
「はい、ご主人様」
 美咲と佐知子は、スッとベッドの上で正座し、三つ指をついて頭を下げる。
「ほわっ…。何…?」
 美由紀がその振動と声で頭を跳ね上げ、寝ぼけ眼で辺りを確認した。
 ベッドに腰掛ける昌聖、平伏する美咲と佐知子の姿を見て、慌てて飛び起きて正座し、頭を擦り付けて
「お、おはよう御座います、ご主人様」
 昌聖に朝の挨拶をする。
 昌聖がそれに答えようとした瞬間、屋敷内にアラームが鳴り響いた。

 昌聖の表情から、一瞬で微笑が消え、ベッドから飛び降りる。
 一息でベッドルームの扉を開け、そのまま地下のコントロールルームに走り出した。
 コントロールルーム内では、歩美が真剣な表情で、コンソールを操作し、キーボードを叩いていた。
「昌聖様、申し訳御座いません。トラップに引っ掛かってしまいました…」
 歩美が操作をしながら、昌聖に謝罪すると
「歩美が? 僕も手伝うよ」
 一瞬首を捻って、直ぐに隣の椅子に腰をかける。
「昌聖様、メインコントロールお願いします。手順はdef1です」
「def1って…!。了解」
 昌聖は深刻さに驚いたが、直ぐに事情を察し、コンソールを操作した。

 昌聖が数秒コンソールを操作し
「歩美、準備できた!」
 歩美に告げると
「もう少し時間を…2、1今です」
 昌聖に、操作のタイミングを告げ、2人同時に操作を終わらせる。
 すると、鳴り響いていたアラームがピタリと止まり、辺りに静寂が満ち始めた。

[ふぅ]と溜息を吐き、昌聖が背もたれに体重を掛けると、歩美が椅子から飛び降り、昌聖の足元に平伏し
「申し訳御座いません! 私のミスで、トラップに嵌りダミー回路を2つ破壊されました」
 こもった声で謝罪する。
 平伏した歩美の肩が、ブルブルと震えていた。
 その震えは、失敗した罰を恐れているのでは無く、激しい怒りから来るものだった。
(悔しい! こんな、悔しいの初めて…。昌聖様のご依頼を果たすどころか、昌聖様に恥をかかせてしまった…。なんて不甲斐無いの…)
 歩美はトラップに引っ掛かった自分も、その後対処出来ずに、ダミーを2つ破壊されたのも許せなかったのだ。
 噛み締めた、歩美の唇から血が流れ、コンクリートの床に染みを作る。

 昌聖は、記録された操作履歴から、歩美の操作を確認していた。
(おお〜…、流石歩美…。ここまで、調べたのか…。で、これがトラップか…。ありゃ、これは気付かないな…、こんな罠の張り方…陰険だ〜…。僕でも、確実に…って、僕ならここまで行かないか…)
 昌聖はブツブツ呟きながら、モニターを見詰め、歩美の華麗なハッキングテクニックに見入っている。
 入り口に人の気配を感じ、昌聖が視線を向けると、美咲たちが到着していた。
 昌聖は確認作業を終え、規則にのっとり、操作記録を本部に転送する。

 顔を上げた昌聖は、美咲に手を伸ばしながら
「歩美、顔を上げなさい」
 歩美に静かに告げた。
 歩美の肩がビクリと大きく振るえ、ユックリと上体を持ち上げる。
 歩美の顔は涙でグショグショに成り、下唇から血が滴っていた。
(歩美のプライドの高さは、やっぱり凄いな…。コレだけの結果を出しても、まだ壊した事をこんなに悔しがるなんて)
 昌聖は、歩美を優しい目で見ながら
「おいで、歩美。今日は朝からご苦労様。良くやったね」
 歩美をねぎらい、唇を合わせて、流れ出る血を啜った。

 それでも、悔しさに震える目で見詰める歩美に
「ほら、もう泣かなくて良い。歩美は良くやった。やっぱり歩美は凄いね、僕の自慢だよ…」
 昌聖は優しく笑いかけ、首に美咲から受け取った、黒い首輪を嵌めた。
「あうぅ〜っ、で、でも…。私が、罠に掛かったために…。大事なダミーシステムが…」
 泣きながら、昌聖に言いかけると
「ダミーシステムは、壊れるために存在してるの。あれが、壊れるのは当然だし、その間に完璧な処置をしただろ? だから歩美は凄いの…」
 昌聖は歩美の言葉をさえぎり、歩美の功を褒める。
「あうぅ〜っ、ご主人様有難う御座います〜」
 歩美は途端に怒りをかき消し、情けない顔で泣き出して、昌聖に感謝した。

 昌聖は上体を起こして、背もたれに体重を預けると
「ほら、歩美ご褒美に、朝の処理をさせてあげる。おいで」
 ギンギンに勃起している、自分のチ○ポを誇示し歩美に命じた。
「あ、有難う御座います」
 歩美は一瞬で泣き顔を、満面の笑みに変え、椅子に座る昌聖の上に跨った。
「歩美、逆にしなさい。お前達も歩美の労を、ねぎらってあげて」
 歩美に背面で挿入するように指示し、美咲達にも命じる。
「はいご主人様」
 4人は返事を返し、体勢を入れ替えた歩美が、昌聖のチ○ポをオ○ンコに咥え込むと、美咲は足の間、佐知子は椅子の左、美由紀は椅子の右に移動し、歩美に愛撫を加えた。
 歩美はクネクネと腰を振り、昌聖のチ○ポを締め上げ、擦り、美咲達の濃厚な愛撫を両乳首とクリ○リスに受ける。
 昌聖は足と両手を使い、美咲達にも快感を送り込む。
 4人の奴隷は嬌声を上げ、主人の命令に必死に従った。
 そんな中、昌聖は一人中空を見つめ、心の中で頭をもたげた、予感に考えを寄せていた。

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