狂牙
MIN:作

■ 第4章 回り始める舞台9

◆◆◆◆◆

 モニターを見つめる良顕は、右下の数字が動いた事で、ギクリと顔を引きつらせる。
 天童寺の総資産が、いきなり600程増えたのだ。
「あのやろう…、何か臨時収入が有ったな…。この程度なら、まだ何とか大丈夫か…。くそ、落ち着け!」
 良顕は朝から怒濤のように起きた事件で、かなり焦っていた。
 アジトが発覚の危機に晒され、千佳の個人情報が持ち出され、そして、その千佳自体が掠われた。
 八方手を尽くしても、何ら有益な情報は出て来ず、壁にぶち当たる。
 思うように進まぬゲームも、良顕の心を苛んで行く。

 苛立ちが募る良顕は、ソファーから立ち上がり、麻のジャケットを手に取った。
 そんな良顕の行動を、乙葉が驚いて見つめ
「ど、どちらへ…」
 小声で問い掛けると
「少し、出てくる…。誰も、付いて来させるな」
 短く答えると、コントロールルームを出て行った。
 良顕の言葉は、全てを拒絶するかのように、乙葉を凍り付かせる。
 ぐっと、息を呑み唇を噛んだ乙葉は
「行ってらっしゃいませ」
 深々と頭を下げて、良顕を送り出す事しかできなかった。

 良顕の姿が消えたコントロールルームで、乙葉は頭を持ち上げると携帯電話を取り出し、連絡を入れる。
「あっ、優…。ご主人様がお出かけになったわ。誰も、付いて行かないで…。私達が居ると…、足手纏いにしか成らないから…」
 悲しそうな声で、優葉に告げると
『う、うん…、分かった。お姉ちゃんも、気をしっかりね…』
 優葉が、姉を気遣う。
「馬鹿、大丈夫よ。でも、ご主人様にもしもの事があったら…」
『うん、分かってる。私達に存在価値は無いわ。ご主人様と一緒に…』
「そうね、分かり切った事ね」
 乙葉が、優葉の言葉で薄く笑う。
 そして二人は、全く同じタイミングで
「『私達の命は、ご主人様と共に…』」
 お互いに同じ言葉を呟く。

◆◆◆◆◆

 千佳は、その快感に狂った。
「あひゅ〜、あが、いひぃ〜〜〜っ! あぐ、あぐ、くふぅ〜〜〜ん!」
 千佳の身体は、今は仰向けで天井を向いている。
 だが、見開いた千佳の目には、天井の景色は見えていない。
「あらあら、千佳ちゃん…、まだまだ、序の口よ…。快感は、もっと深〜い所にあるわよ」
「うんうん、気持ちいいでしょ? でも、まだまだ、許して上げないからね〜」
「ほらほら、まだ大丈夫でしょ? これぐらいで、音を上げるのは早いわよ」
「うふっ、可愛いわね〜。もっと良い声で鳴いてご覧なさい。ほら、ここ。素敵でしょ…」
 美咲が囁きながら、子宮口に昌聖特製バイブを押し当て、刺激する。
 開ききった子宮口が激しく振動し、千佳の太股と言わず、お尻と言わず、全身が痙攣した。
 しかも、その振動は宙に浮いており、何の抵抗も受けないため、止まる事がない。
 千佳の身体は、痙攣とおこりのような震えに同時に襲われ、複雑に揺れていた。

 千佳の身体はクルクルとその位置を変え、最早千佳自身には、天地の概念は消えている。
(あふぅ…、んくふぅ…、な・に…ど・う・なっ・て・る・の…んかはぁ〜〜…あ・た・ま・バチ・バチ・って…)
 千佳の脳内を白く染め上げた快感は、その強さで、稲妻のような、花火のようなイメージを焼き付けた。
 それは、強い快感のために、シナプスが接続不良を起こしているのかも知れない。
 事実、千佳の頭の中では、全く関係の無い、記憶が呼び覚まされ、飛び交っている。
「あひぃ〜〜〜っ」
 快感で大きく仰け反った、千佳の身体がそのまま回転し、頭が下に足が真上に向くと
「美咲お姉様。うふふ、持ち場交代〜っ、そこは私大得意なの〜」
「そうね、美由紀ちゃんにココをされると、快感があっと言う間に押し寄せる物ね」
 美咲は美由紀の言葉に納得して、オ○ンコのバイブ操作を交代した。

 美由紀は舌舐めずりしながら
「千佳ちゃん…。お姉さんが天国に連れてって上げるね〜」
 楽しそうに呟くと、今まで入っていたバイブを引き抜き、子宮刺激用のバイブを挿入する。
「ぬひぃ〜〜〜〜っ、ぐひっ、ぐひっ、ぐにょ〜〜〜っ!」
 千佳は頭を上下左右に振り乱し、涙と鼻水を垂らしながら、呼吸するように、愛液を吹き出す。
 この時千佳には、頭を振っている意識も、身体を震わせている意識も全くない。
 全ては、快感が走り抜けて行く時に起こる、筋反射でしかなかった。

 この状態まで来た、女の身体は、愛撫等殆ど感じる事は無い。
 愛撫等で身体の外を刺激する弱い快感は、脳に届く前に全て中心の快楽に飲み込まれてしまうからだ。
「んふぅ〜ん…。美咲お姉様、さっちゃん、歩美…準備完了だよ〜。強いの行っちゃって」
 美由紀の言葉に頷くと、歩美が突起だらけのアナルバイブをあてがい、美咲がクリ○リスと乳首に電極を付け、佐知子が掌を構える。
 美由紀の合図で、4人は同時に刺激を始めた。
 美由紀の子宮、歩美のアナル、美咲の肉芽、佐知子のスパンキング。
 それらは、怒濤の刺激となって、千佳の感覚神経を攪拌し、脳内麻薬を大量に分泌させる。
「うぎょ〜〜〜〜っ! ぎゃぎ、ががっ、ぎしゃ〜〜〜〜っ」
 最早声にならない、悲鳴を上げて千佳は、体液をまき散らす。

 そんな千佳を、薄笑いを浮かべて、見守る美由紀は
「第1ロケット切り離し完了。第2ロケット点火スタンバイ…」
 楽しそうに宣言すると
「美由紀? 今日は、どれだけブーストするの?」
 佐知子が問い掛ける。
 すると、美由紀は暫く考えて
「この子、強情そうだから、5段ロケットで良いと思うんだけど?」
 佐知子に答えた。

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