狂牙
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■ 第5章 血の連鎖17

 葛西家に毬恵が戻って来た。
 毬恵も、仕様は晶子とほぼ同じだが、クリチ○ポだけが晶子と異なった。
 毬恵のクリチ○ポは、その80%を培養組織で賄ったため、感覚神経が痛覚に繋がっていた。
 その痛みは、癒える事の無い火傷が竿の全域を覆っているような物で、触れるだけでも激痛が走る程である。
 だが、毬恵はその痛みすら快感に変え、脳内麻薬を大量に分泌出来るため、別の快楽を得ていた。
 クリチ○ポの亀頭は純粋な快感だが、竿の部分は被虐の引き金。
 それが、毬恵と晶子の違いである。

 毬恵の基本的な仕様の差を理解した小夜子は、自ら全裸に成り毬恵を交えて、5人で絡み合った。
 美由紀の洗脳は、既に完了し快楽を求めるだけの肉人形に成っている。
 快楽を与えて貰う為に、誰の言葉にも従順に従う。
 そんな中4Pは小夜子の誘導の元、啓一の欲望に応える形を取り始める。
「良いわよ啓一、お前の好きなようにしなさい。ここにいる女は、私を含めて全部お前の好きにして良いわ」
 小夜子の言葉に、啓一は今まで留めていたタガを外す。
「ああ…、由梨様…。どうか、由梨様のオ○ンコを僕に味あわせて下さい」
 啓一は小夜子に懇願すると、小夜子はニッコリと笑い
「何…?、お前のデカチ○ポで、私のオ○ンコ裂きたいの?」
 冷たい声で問い掛けると、啓一は慌てふためき、否定しようとしたが
「欲張りね…。分相応をもっと、叩き込んでおくべきだったわね…」
 小夜子はそう言いながら、啓一の巨根をオ○ンコに押し当て、一気に体重を掛けた。

 小夜子の身体は、スタンダードで何の改造も行っていない。
 当然の結果、ミチミチと音を立てて小夜子のオ○ンコは裂け、血が滴り落ちる。
 玉のような汗を額に浮かべ、顔を苦痛に歪めながらも、小夜子は啓一の巨根を呑み込み
「コレも全て…、ご主人様のご意志よ…。私達の存在全ては…、ご主人様の…お考えを実行する…。私達は…、全員それだけが…存在意義なの…」
 食いしばった歯の奥から、絞り出すような声で告げ、小夜子は更に腰を上下させ、自分のオ○ンコを破壊し始める。
 啓一の巨根に、小夜子の裂けた粘膜が刮がれ、絡み付き赤く染めて行く。
[ジュボ]と言う、湿った音は愛液では無く、小夜子の血だ。
 呆然と見詰めていた、啓一は慌てて小夜子を抱え上げて、チ○ポを抜き晶子は悲鳴を上げながら、細胞活性剤を小夜子の傷口に塗る。

 小夜子は3人掛けのソファーに横たわり、裂けたオ○ンコが細胞活性剤で修復される痛みを感じながら
「私の事は良いわ…。お前達で、交わりなさい…」
 4人に指示を出す。
 啓一は美由紀のオ○ンコを貫き、晶子はクリチ○ポで美由紀のアナルを犯しながら、尾チ○ポを啓一のアナルに差し込み、毬恵は尾チ○ポで美由紀の喉を蹂躙しながら、啓一のフェラチオでクリチ○ポを嬲られ、舌でオ○ンコから子宮迄を愛撫された。
 4人は複雑に身体を絡めながら、この世ならざる快楽に溺れる。
 異形のSEX、混沌の交わりは、狂人の夢が具現化されたようだった。
 4人は、身体中の穴から体液を振り捲き、絶頂を極め、失神と覚醒を繰り返す。

 飽く事無く繰り返される、饗宴を見詰めながら、小夜子は自分の身体の変化に気付く。
(治りが遅い…。この痛み方だと…精々、5割程…。今までの倍以上の時間が経ってるわ…。それ程時間は残っていないみたいね…。早く…、早くケリを付けて…調整槽に入らなきゃ…)
 自分の身体に、それ程の余裕が無い事を感じた小夜子は、黄色い鞄から薬剤を取りだし、自らの身体に投与した。
 4体の肉人形は、支配者の変化にも一切気付かず、快楽を貪る。
 支配者は、薬剤を投与した後、力尽きたように眠りについた。
 小夜子が目覚めるまで、4体の肉人形は快楽の海で、戯れ続ける。

◆◆◆◆◆

 4体の肉人形の絡み合う様を、モニター越しに見ていた良顕は、言葉を呑み込む。
(な、何だこれは…。淫獄…いや、そんな生易しい物じゃない…。これが、現実の映像なのか…)
 性を貪る為だけに改造された3体と、それに馴染まされた、美由紀の身体が交わる様は、どこか現実味を欠きながら、圧倒的な性で満たされていた。
 その映像は、視覚と聴覚だけでしか、感覚を刺激していないが、見る物に暴力的なまでに性を誘発させる。
 陵辱生活を送り、不感症になった乙葉まで、その映像にあてられ頬を朱に染め、モジモジと股を摺り合わせていた。
 普通の性感の優葉などは、既に床にへたり込み、お漏らしのような愛液で床を汚している。

 改造された者を見慣れている晃ですら
「こんなの…、見た事がない…。一体どんな刺激が、頭の中に走ってるの…」
 頬を染めて、呆然と見入っていた。
 良顕も固唾を飲んで見詰める中
「良ちゃん…。あの女の子…、多分もう駄目よ…。あんな風に、犯された人間は、もう普通の人では満足出来ない…。ううん…、多分正気を保ってい無いわ…」
 晃がボソボソと良顕に耳打ちした。
 晃の言葉を聞きながら、良顕の身体の中でグゥッと内圧が膨張し、ギシリと奥歯を噛み成らす音がする。
 その瞬間、晃が首筋を押さえ
「ひやぁ!」
 悲鳴を上げながら、しゃがみ込んだ。

 良顕の気配の膨張に、[キリングドールズ]の2人が反応し、殺気を飛ばしたのだ。
 良顕はその殺気を一切無視し
「乙…。小夜子の投薬シーンから、横になるまでの映像をブラインドしろ…」
 低く響く声で、乙葉に命令する。
「は、はい。ご主人様、了解しました」
 乙葉は、殺気は感じなかったが晃の声に驚き、直ぐさま飛んできた指示で、オドオドしながら操作を始めた。
(これが、俺のスタッフに一番足りない物か…。そう言や、死線は俺1人が全部潜ったな…。人が育つ訳無い…)
 良顕は、乙葉の反応に苦笑いを浮かべ、自分の今までの行動を思い返し苦笑する。
 両膝に肘を突いていた身体を起こし、良顕がゆっくりと後ろを振り返ると
「お前達は空気だろ…。妙な物飛ばすんじゃねぇ、邪魔だ!」
 自分の中の獣性全てを解放し、双子の姉妹に告げた。
 キンと音が鳴りそうな勢いで、空気が凍り付き、痛い程の緊張感がコントロールルームを満たす。

 数秒の沈黙の後、その緊張感はフッと掻き消え
「申し訳御座いません」
「成れない程の殺気を感じましたので」
「身体が咄嗟に反応してしまいました」
「今後、このような事が無いように致します」
「「どうか、お許し下さい」」
 2人は頭を深々と下げ、交互に謝罪の言葉を告げた。

 良顕は申し合わせもしていない、2人の謝罪のコンビネーションに、鼻で笑いながら戦慄する。
(あのタイミングで、攻撃されたら…。マジで、かわせないな…。腕の1・2本…端(はな)から捨てる覚悟で隙を突ければ、どちらか一方は殺れるか…。後の1人は…、ままよ…)
 右拳を強く握り込みながら、左掌に打ち付けた。
 良顕は、狂おしい怒りのままに、立ち上がろうとしたが、スッと視界に乙葉と優葉が入る。
 その瞬間良顕は、身に纏った殺気を掻き消し、項垂れた。
 良顕には、この場にいる乙葉と優葉をどうしても無視出来ず、歯噛みしながら溜息を吐く。
(涼子…香織…。俺は、お前達を裏切ってるのか…。俺は、お前らと同じように…乙葉と優葉を犠牲には…出来ない…。俺は、どうすりゃ良いんだ…)
 苦悩する良顕に、誰1人声を掛けられる者は居なかった。

◆◆◆◆◆

 享楽の夜が明け、小夜子の指示で毬恵と啓一は、葛西家の資産を売却し始めた。
 葛西孝司の持つ、全ての資産が天童寺の息の掛かった業者に売却される。
 それは、有価証券も株も貯金も自宅の権利も生命保険すら含めた、全資産の全てだった。
 丸二日掛けて手配した契約は、業者側の書類提出で全てが完了するところで、止められた。
 全ての下準備を終えた小夜子は、天童寺に連絡を入れる。
「ご主人様、準備完了です…。明日の昼には、孝司が帰ってきますから、今晩実施しますわ」
 小夜子の連絡を聞いた天童寺は
『うむ、ならば、儂もゲストを招くとするか…』
 小夜子に鷹揚に告げ、通話を切った。
「ふふふっ。これで、またご主人様が強大に成られる…。いっぱい、おもちゃを作れるわ…」
 小夜子は夢見るような顔で、楽しそうに呟いた。
 その瞳は、どこか常軌を逸し、虚空を見詰めている。

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