狂牙
MIN:作

■ 第7章 それぞれの未来(さき)7

 涼子と香織の疑似記憶は[奴隷として掠われた姉妹で、涼子は改造されたが、香織はその手前で良顕の手に落ち、可愛がられる]と言う設定だった。
 多少の反対もあったが、一番身体に残った症状と、辻褄が合う為そこに落ち着いた。
 直ぐに、晃と宗介の手筈で、移植チームが組まれ、大手術が行われる。
 涼子と香織の移植は、合併症や拒絶反応などは無かったが、老化防止剤のせいで、様々な薬物が使えず難航した。
 一番のネックは、細胞活性剤の効き目が落ちる事である。
 細胞活性剤は、細胞分裂を活性させ、老化防止剤は抑制させる薬だからだ。
 だが、そのジレンマを両方の薬のパテントを持つ、徳大寺が研究していない筈が無く、ノウハウがストックされていた。
 かくして、神の配剤か涼子と香織の移植手術は無事終わり、記憶の定着も完了させ、全員の記憶操作が終わると、2ヶ月の月日が経っていた。

 その間、魔夜は会見から3日後に戻り、魅夜は未だ帰って来ない。
 魔夜は戻ると直ぐに、乙葉と良顕の話を聞いてショックを受けたが、乙葉に断りを入れ良顕に迫りまくる。
 その理由は、感覚共感を行う一卵性双生児の魅夜から、幸福感が大量に流れ込んでくるからだ。
 帰るなり良顕は、全裸の魔夜に縋り付かれ
「お願いします。ご主人様…、私を…、私をお使い下さい。魅夜の奴…今も、宗介様と…やりまくってるの〜」
 必死の懇願を受けた。
 辟易した良顕が、魔夜の懇願を聞き入れ、奴隷の1人として扱うと、魔夜は落ち着きを取り戻し、従順な牝奴隷に変わっていった。
 宗介がヨーロッパに戻ると、魅夜も良顕の元に戻り、姉妹で奴隷として生活する。
[キラードール]は、良顕の元で[スレイブドール]と成った。

◆◆◆◆◆

 1年後

 要塞島のリビングルームのソファーに良顕が座っている。
 良顕の前で、涼子と香織が晶子と戯れていた。
 晶子のクリチ○ポがバックでお尻を突き出す、涼子のオ○ンコに入っている。
「あひゅぅ〜…あん、あひぃ〜ん…。晶子…、それ、気持ち良い〜…」
 ウットリと蕩けた表情で、涼子が晶子に告げると
「あはぁ〜〜〜…。そこそこ…もっとぉ〜〜…。晶子最高よ〜…」
 晶子の尾チ○ポでアナルを責められる香織が、髪を振り乱して快感を口にする。
「ほらほら、もっとご主人様に、聞いて貰いなさい。涼子と香織のエッチな声…。ああぁ〜可愛いわよ…」
 晶子はお尻を突き出した、涼子と香織の真ん中で、腰を振って快感を刻み込んでいた。

 良顕の前に座るスーツを着たイタリア系の男が
「そうですか、今回も不参加ですか…。まぁ、これだけの奴隷をお持ちなら、改めてオークションに参加する必要も有りませんな」
 そう言って、股間に有るショートボブの魅夜の頭を撫で
「これですか? 以前[キリングドールズ]の通り名があったのは…」
 良顕に問い掛ける。
「ふぁい…ムチュ…、ほういう…ヌチュ…なまえれ…ネチョ…よばれへ…チュバ…まひた…ズゾゾゾ…」
 魅夜は口淫奉仕をしながら、男の問い掛けに答え
「まぁ、女なんて、所詮こんなモンだ。どんな女でも、牝奴隷に墜とせば、調教なんてどうにでも成る。なぁ、魔夜?」
 足元で無心に足指を舐める魔夜に問い掛けた。
「はひぃ…ほのとおりれふ…ンクゥ…はじひらずな…ヌチャ…めふどれい…チャプ…れふ〜…」
 魔夜は這いつくばって、お尻を突き出し足指を舐めている。

 イタリア系の男は、鼻で笑いながら魅夜の口に精を放ち
「でわ、今日の所はお暇します。御歓待有り難うございました」
 ソファーから立ち上がり、リビングを出て行く。
 途中で立ち止まった男は、良顕に振り返り
「そうそう、その[キリングドールズ]お飽きに成りましたら、是非ともお声をお掛けください。オークションに出せば良い額になりますよ」
 ニヤリと笑いながら告げ、頭を下げてヘリに向かった。
 男の乗ったヘリが見えなくなると
「アリス、チェックだ」
 鋭い声で指示を飛ばす。
「はい、ご主人様。周囲5qに発信源等は存在しません」
 アリスが答えを返すと、良顕はスッと室内に視線を向ける。

 室内では、未だ嬌態が繰り返されていたが
「OK。客は帰った。ご苦労だったなみんな…」
 良顕が声を掛けると、ピタリと手を止め。
「あの、ご主人様…席を外しても良いですか?」
 魅夜が嫌そうな顔で、良顕に問い掛ける。
「ああ、出して来い。歯も磨け、後でキスしてやる」
 良顕が許可を出し、褒美を告げると
「やった〜。我慢して咥えた甲斐が有るわ〜」
 小躍りしながら、部屋を出て行く。
「あん、ご主人様ぁ〜ん…。そんなご褒美聞いて無い〜…。なら、私がするんだった…」
 魅夜を見送りながら、魔夜が唇を尖らせ、身体をくねらせる。

 「「「ご主人様〜」」」
 そこに声を合わせて、涼子、香織、晶子が満面に笑みを浮かべ、飛んで来ると
「お前達も、良くやってくれたな…。汗を掻いただろ、お風呂にしよう」
 優しく微笑み、頭を撫でながら労をねぎらう。
「はい〜、嬉しいです。ご主人様にお風呂に入れて貰うの、私大好きです」
「にゃふ〜ん、ご主人様、香織可愛かったですか〜? 良い出来でした〜?」
「むふふふ、ご褒美ご褒美…」
 3人はそれぞれ思い思いに、喜びを表し良顕に甘える。

 この3人は、[マテリアル]からの来客時にショーを見せる専門員に成っていた。
 改造された3人のショーは、良顕を鬼畜に見せている。
 これは、組織内で良顕のスタンスを見せる為、必要な物だった。
 良顕が、この3人を他人に貸し出しする事は、先ず無い。
 かろうじて、晶子が2度程相手をしただけで、誰も手を出そうとすらしないのだ。
 それは、単純に命に関わるからで、晶子が相手をした2人は、両方EDに成ったからだ。
 晶子は涼子と香織の発作が出た時、直ぐにその発作を沈め、外敵から2人を守る世話役である。
 強化された肉体や、SEXの為に改造された機能が、涼子と香織には必要だった。
 良顕に頼まれた事だが晶子自体、自分に存在価値が出来た為、その役を喜んで行った。

 魔夜と魅夜も[マテリアル]の来客時進んで、相手をしてそのマゾ奴隷振りを見せつける。
 今では[スレイブドールズ]の名前の方が、有名になっていた。
 これは、2人が自ら言い出した事で、自分達が身を投げ出す事で、乙葉や優葉に食指が伸びないようにする為だ。
 そして、更に自分達の裏の顔を消す結果にも成っていた。
 この時点で[マテリアル]内の暗殺者名から、[キリングドールズ]の名が消えている。
[キリングドールズ]の技が、どこかで出て来ても、誰も結びつける者は居なかった。

 風呂から上がると、良顕は携帯電話を取り出し、コールする。
「もしもし、今度はお膝元だ。ローマだってさ」
 良顕が通話が繋がり、ぶっきらぼうに告げると
『ふ〜ん…、懲りないね…。でも、良く集めるよな…』
 通話相手が、呆れながら答えると
「ああ、質もだいぶ落ちてるようだ。ウチのSクラスを吐き出してくれって、依頼も有った」
 依頼内容を含めて、暴露する。
『はははっ、あいつらも馬鹿だね。張本人に依頼するなんてさ。で、どうする出すの?』
 電話相手が、問い掛けると
「馬鹿、そんな事してみろ、ウチのエージェント達に殺されちまうわ。ウチのSクラスは1/4が亭主持ちだぞ。みんな愛妻家だしな…」
 良顕は首を竦めながら、答えた。

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