LATE FOR PURE
あきんど:作

■ 1

これは僕が若かったころのお話

僕は明、小森明、その当時は14歳でした。中学生でまだ反抗期だったのを覚えています。
母は幼いころ交通事故でなくなり父と二人の生活でした。
その日はいつもと同じ時間に家を出て登校していたのです。
いつもと同じ道を歩いていると今日は前に酒本が友達と歩いていました。
酒本千恵子は同じクラスの女の子で、背は低く、小柄でパッと見た目は目立たない子でしたがクラスでは人気者でした。バスケ部で小柄を武器にボールを持って相手チーム内の間を駆け抜け仲間にパスをしてシュートと言うのが彼女の持ち味でした。



酒本は友達と2人で歩いていました。
確か同じバスケ部の子で中尾かおり。酒本といつも一緒に登校している子でした。
酒本のほうが小柄で背は低いのに中尾をリードしているといった感じでした。
酒本はいつもクラスの人気者でした。
僕は酒本を追いこしたくなく、このまま彼女の後ろを歩いていたかったので、彼女達がゆっくり歩くと僕もゆっくり、立ち止まると僕も理由をつけて立ち止まるといった感じで学校まで進んでいきました…。

ある日の朝、父が私にこう言ったのです。
「明、今日学校終わったら晩御飯一緒に食べに行くぞ! 高級レストランで食事だ」

正直うんざりでした。乗り気があまりしなかったのですがしぶしぶついていきました。
店に入ると、すでにテーブルに女性がいました。
「彼女は酒本瑞江さん。俺と中学高校と同級生なんだ。」父がそういいました。
「それと、ええと…」父が周りを見回すと、僕の横にいた子が私に話しかけてきました。

「こんばんわ」

正直僕の胸はどきどきでした。そこには酒本が、酒本千恵子がいたのでした。

瑞江「娘の千恵子です。明くんとは同じクラスだったかしら…」
「うん。クラス一緒よ。ねっ」千恵子はクスクスと言ったいたずらっぽい笑顔で僕に聞いてきました。
明「う、うん。確かそうだったと思う」
僕は心の動揺を知られまいと、とぼけたように言った。

食事が進むにつれて僕はぎこちなくなっていった。
ナイフやフォークで食べなれていないせいもあったが、彼女が僕をちらちら見ているのが気になって、食事どころではなかった。
父「男手で育ててきたから、マナーが出来てなくて…」
父が恥ずかしそうに言った。
瑞江「男の子ってそういうものよ…」
僕は父と千恵子の母の話など耳に入らず、千恵子の前でかっこよく食べようと必死でした。

千恵子「小森くん、ナイフ逆よ、ナイフはね左手で持つの。フォークは右よ」
千恵子が僕に話しかけてきた。
明「え! そうなの?」僕が持ち替えようとすると
瑞江「千恵子! うそ教えちゃダメよ。明くん戸惑ってるじゃないの。」
千恵子が舌を出して軽く微笑んだ。
食事も終わりに近づいたころ父がこういった
「今度瑞枝さんと再婚しようと思う。瑞枝さんもいろいろあって、今独りなんだ。いいか? 明?」
明「父さんのすきにしたらいいじゃん。。」
言いながら僕はすると彼女はどうなるんだろう、それを考えていた。
瑞江「よろしくね。明くん。千恵子と仲良くしてあげてね。」
「は、はい」

それから2週間ぐらいしたころだった。彼女が母親と家に来たのは…。

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