哀妹:芽衣
木暮香瑠:作

■ めざめ3

 兄が部屋を出て行った後も、芽衣はベッドの上で呆然としていた。
(おかあさん……、感じていたんだ……)
 兄がラジオを持って帰っていても、おかあさんの声が耳から離れない。忘れようとベッドに横になっても、目が冴えて眠れない。自然と手を、胸と股間を隠すように持って行った。
(……あっ、パンティー……、濡れている……)
 芽衣にとって初めての経験だ。いままで、パンティーが濡れたことなどなかった。
(えぇっ、どうしたの? どうなってるの。わたしの身体……)
 芽衣は、手をパジャマの中にそっと入れた。恐る恐るパンティーの股間の部分に触れてみる。そこには、ヌルヌルする液体に濡れたパンティーがあった。
(いやっ、濡れてる……。この液体、なに?……)
 その液体は、股間からお尻の割れ目へと、ヌメリを広げていく。
「い、いやぁ……。気持ち悪い……なんなの……」
 ベッドの上で、とっさに起き上がった芽衣は、その気持ち悪さを洗い流そうと、シャワーを浴びるため、そっと部屋を出た。

(おかあさんたち、まだ……やっているのかな?……
 ……おにいちゃん……、第一ラウンドって言ってたし……)
 芽衣は、家族に気づかれないよう、そっと階段を下りた。股間を濡らしているのがおしっこじゃあないことは分かる。得体の知れない液体で、パンティーを濡らしていることが恥ずかしかった。

 芽衣は、パジャマを脱ぎ、濡れたパンティーを、洗濯籠に入れられた服の一番下にそっと隠すように仕舞った。そして、シャワーを浴びた。
(わたし……、どうなってるんだろう……
 おにいちゃん、いつから知ってたんだろ……お寿司の日があの日だって……)
 芽衣は、股間のヌメリを洗い流そうと、ノズルを股間に持っていく。その時である。バスルームのドアが、突然、開いた。入ってきたのは、全裸の兄である。
「きゃー、おにいちゃん……。入ってこないで……」
 芽衣は、その場にしゃがみ込んだ。真っ白な、小さな背中を丸めている。しゃがみ込んだ芽衣の目の前に、始めて見る兄の肉棒があった。だらりと垂れ下がった肉棒である。
「キャー。おにいちゃん、出て行って……」
 芽衣は両手で顔を覆う。
(……いやだ。さっき、背中に当たっていたの……
 ……おにいちゃんの……、あんなに大きいの?……)
 芽衣は、体中が熱くなった。恥ずかしさで、小さな背中まで赤く染めている。
「なに恥ずかしがってんだ。兄妹だろ?」
 桂は、やさしく芽衣に言う。
「で、でも……。恥ずかしい……」
 桂は、やさしく芽衣を抱え、立ち上がられた。桂の手には、先ほど芽衣が脱いだパンティーが握られていた。
「芽衣、母さんたちのを覗いて濡らしたんだろ?
 ほら、ここ、濡れてる……こんなに……」
「いやあぁ、そんなとこ……見ないで……」
 桂は、パンティーの股間の部分を指でなぞり、どろっとした透明の液を拭い取る。その液体は、桂の指の間で糸を引いた。
「ううん。ち、違うもん……。ううん、濡れてなんか……ないもん」
 芽衣は、必死で顔を横に振った。

 桂は、芽衣を立ち上がらせると、シャワーのノズルを手にとり、芽衣の股間に向けた。そこには、生え始めた茂みが、淡い翳りを作っている。
「芽衣、濡れたんだろ? 大人になった証拠さ」
 そういって、桂は芽衣の濡れた若草をそっとなぞった。
「おとなに?……いや、そんなとこ触らないで……」
 顔を真っ赤にした芽衣は、下を向いたままじっとしている。
「洗ってやるよ。俺も、自分のを洗いに来たんだ……」
 桂は、芽衣の股間にシャワーを浴びせながら指を這わした。芽衣の背中に、さっき見たのとは違う剛直が当たっている。先ほど見たものは、だらりと垂れていた。今、背中には、とても硬いものが当たっている。芽衣は、恥ずかしがりながら兄に言った。
「……お、おにいちゃん……、背中に……、芽衣の背中に……」
「芽衣を見て、こんなになったんだ。大人の女性を見ると、こうなるんだ」
(やっ、やっぱり……、おにいちゃんのオチ○ポだったんだ……)
 初めて感じる男性に、芽衣は身動きが出来なかった。自分の裸を見て、兄が勃起していることが信じられなかった。
(……わ、わたし……、大人なの?……)

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