哀妹:芽衣
木暮香瑠:作

■ めざめ5

 ベッドに横になっても、芽衣は、なかなか寝付けない。窓から両親の部屋を覗いてみた。電気は消えていた。
(……もう、終わったんだ……。かあさんたち……)
 身体中が、まだ、熱を持っていた。その熱の中心が股間にあることは、芽衣自身が一番知っている。
(いやだぁ。どうして、また、覗いちゃったんだろう……)
 性への好奇心が芽生え始めていた。学校でも、冗談でセックスについて会話することがある。好奇心の核心を、今日、目にし、耳にした。両親のセックスの現場を、兄の裸を見たのだ。そして、男性自身を触ってしまった。興奮で目が冴えてしまっている。眠れるはずがなかった。
(おにいちゃんの……大きかった……。とうさんのも、あんなに大きいの?
 ……あんな大きいものが、おかあさんの中に入ったの?……)
 想像するだけで顔が熱くなる。真っ赤になっているのが自分でもわかる。芽衣は、手を意識もなくパジャマのズボンの中に忍ばせていた。指がパンティーの上から股間の一番敏感な尖りに触れる。ズキッとした衝撃が股間を突き抜けた。
(いやっ、……なんなの、この感じ……
 ……さっき、おにいちゃんに触られたときと一緒……)
 電気が走ったような感触を感じながら、もう一方の手を胸に持っていく。そっと、パジャマの上から、ギュッを握る。掌に乳首が当たる。
「ウ、フンンン……ウ、フンンンン」
 思わず声が漏れてしまう。それからは、自然と手が動いてしまった。片手は、パンティーの上からクリ○リスを刺激しながら、もう一方の手で相乳を代わるがわる揉んだ。
(だ、だめ……。こんなことしてちゃ……。わたし……、変になっちゃう……)
 芽衣は、必死に自分に言い聞かせるが、手は別の人格を持ったかのように動きつづけた。
(……こ、こんな……こと……やめなくちゃ……また濡れてきちゃった……)
「だめぇ、触らないで……、そんなこと……や、やめて……」
 芽衣は、意思を持ったかのように勝手に動く自分の手に言う。パンティーの底は、新たな愛液にビショビショになっていた。
「う、あんんっ、……あ、ああっ、恥ずかしい……」
(……いやっ、おとなになったから……感じちゃうの? 手が勝手に動くの?
 ……それとも……芽衣が……変なの?……淫らな娘なの? 芽衣は……)
 恥ずかしい気持ちが、芽衣の身体を熱くする。熱くなった身体は、よりいっそう感じやすくなっていた。芽衣は、尖りだした乳首を摘みながら、クリ○リスを強くなぞった。

「う、うう……、い、いやっ……」
 芽衣の身体がベッドの中で仰け反った。
「はぁ、はぁ、……はぁ……」
 早い吐息が漏れる。身体が鉛のように重かった。
(……な、なんなの? この感じは……)
 イクということを知らない芽衣は、自分の身体を不思議に思い、不安になる。その不安の中、何か心地よい感覚に包まれて、そのまま寝入ってしまった。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊