哀妹:芽衣
木暮香瑠:作

■ 子供と大人の境の誕生日3

 両手を前に出し、鏡に向かって微笑んでみる。
「いいんじゃない? このポーズ。こんなのはどうかな?」
 腰に両手を当て、上体を前に倒し胸を突き出す。まだ膨らみきっていない胸が、重力も手伝って少し谷間が出来る。
「結構大人っぽいよね、芽衣……」
 自分に言い聞かせるようにいい、芽衣は次々とポーズをとっていった。脚を前後に開き、膝を伸ばしたまま前かがみになり手を膝に当てたポーズをとって微笑んで見る。そのとき、クローゼットの奥に積んであったぬいぐるみが芽衣の前に落ちてきた。
「あっ、プーさん、ダメじゃない」
 芽衣はそう言って、ポーズを崩さないように膝を伸ばしたまま、ぬいぐるみを拾いながら姿見を覗いた。スカートの後ろから、太ももの間に白い布地が見えた。芽衣のパンティーだ。お尻の膨らみも覗けている。
「キャッ」
 芽衣はその場にしゃがみ込んだ。自分の部屋の中なので、誰に見られるわけではないが、やはり恥ずかしかった。
「やだ……、見えちゃう……」
 芽衣の頬が、赤く染まっていた。立ち上がって姿見に全身を映してみた。それまで、かわいいと思っていた自分の姿が、なぜかいやらしく見える。スカートの裾を摘み、少し持ち上げてみる。5cmも上げると、鏡には白いパンティーに包まれた恥丘が覗く。胸に眼を移すと、ブラジャーが透けて見えている。
(ブラジャーが見えてる……。なんかいやらしい……。みんな、見るんだろうなァ……)
 ブラジャーが見えることにいやらしさを感じてしまった芽衣は、ブラジャーを外してキャミソールを着てみた。鏡に映った白いキャミソールは、肌身ピッタリと沿って、芽衣の熟しきっていない胸の膨らみを映している。よく見ると、相乳の頂点の小さな膨らみの位置まで分かる。
(ああ、いや……。芽衣……、いやらしい……)
 いやらしいと思えば思うほど、相乳の頂点に埋もれていた突起が生地を押し上げる。乳首の形がはっきりと分かるようになった。
(やだぁ、飛び出てきてる。どうして……)
 左手は、無意識にスカートの裾を持ち上げている。芽衣は、裾の奥の白い生地に包まれた膨らみと、胸の膨らみを交互に見た。無意識に右手を胸に持っていく。手のひらで膨らみをそっと揉んだ。白い生地に包まれた胸が変形する。キャミソールの生地は、あくまで胸の変形する膨らみに追従し、その形を主張する。変形する相乳に擦れる布地が乳首を刺激した。
「何してんの、芽衣。ダメ……、そんなことしちゃ。やめて……」
 芽衣は、もう一人の自分に言い聞かせるように呟いた。自分の意識とは違うところで、身体が支配されているような気がする。いつのまにか左手は、スカートの中に入り、恥丘と太ももの境をパンティーラインに沿って擦っていた。右手は、指で尖りかけた乳首をそっと摘んで、コリコリと挟んでいる。左手の指は、パンティーに包まれた恥丘の中央に移り、そこを擦っていた。盛り上がりの中央を走る亀裂に沿って指が動く。指の先がクリ○リスに触れたとたん、芽衣は声を上げた。
「あ、あ、あ、ああっ、ダメ……」
 芽衣は、床に崩れ落ちた。
「はあ、はあ、はあ………、だめ……、芽衣……、なんて、いやらしいの……」
(変よ、芽衣……。おかしくなちゃう……、どうしたの? なにしてんの?)

 その時、母の声が芽衣の耳に届いた。
「芽衣……、早くお風呂に入りなさい」
 母の声で、芽衣は我に帰った。
(わたし、何してたんだろう?)
 床に腰を落としたまま、手は股間と胸にあてがわれてたままだった。

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