哀妹:芽衣
木暮香瑠:作

■ セクシーランジェリー登校2

 気が付くと、芽衣は、黒板の前に立たされていた。クラスのみんなが芽衣を見ている。
「白川君、どうして居眠りなんかしたんだ」
 担任の先生が、芽衣に言う。
「はーい、芽衣ちゃん、オナニーのしすぎで、疲れてたんだと思います」
 クラスの女の子の誰かが言う。ハハハ……、とクラス中に笑い声が起こった。
「そ、そんなことありません。そんなこと……、しません……」
 芽衣は否定する。しかし、恥ずかしさから顔を真っ赤にして下を向いた。
「嘘ついちゃあ、ダメだぞ」
 男子たちが囃し立てる。
「今日もいやらしいパンティー履いてるの見ました」
 別のクラスメートが言う。
「ほんとかよ。どんなパンティー履いてんだ?」
「Tバックだったりして……」
 クラス中が騒がしくなる。特に男子は、するどい視線で芽衣のスカートの上から、その中を想像している。
「そ、そんなパンテー、はっ、履いてないもん……」
 芽衣は視線を床に落とし、恥ずかしさに絶えながら小さな声で言った。
「芽衣ちゃん、嘘をついてます。わたし、見たもん。スケスケのパンティー」
「嘘はダメだぞ、嘘は……」
「そうだ、そうだ。履いてないって言うんだったら見せてみろよ」
 クラス中が騒然となる。みんなが口々に囃し立てる。
「見・せ・ろ、見・せ・ろ、……」
 どうにも収集が出来なくなっていた。
「白川、ほんとうにそんな下着履いて、学校に来てるのか? 校則違反だぞ。
 違うというのなら、ここでスカートを捲り、無実を証明しなさい」
 先生が、困ったような表情で言った。
「そ、そんなこと……出来ない……」
 もう芽衣は、耳まで真っ赤になっている。小刻みに膝が震えていた。
「自分で捲れないなら、誰かに捲ってもらうしかないな。委員長、捲ってやれ」
 女子の委員長が立ち上がり、前に出てきた。芽衣の前に立ち、スカートの裾に手を掛けようとする。
「芽衣、捲るわよ。恨まないでね、嘘つくあなたが悪いんだから……」
(いや……、ばれちゃう……。スケスケのTバック、履いてるの……)
 スカートの裾に、委員長の手がかかり、いまにも捲ろうとした時、芽衣は叫んだ。
「やめて……。だめ、だめええぇぇぇ……」

「だ、だめええぇぇぇ……」
 芽衣は、悲鳴のような声を上げ椅子から立ち上がった。
「どっ、どうした。白川……」
 先生が、驚いて芽衣を見ている。周りを見渡すと、そこは自分の席だった。クラス中が驚いて、芽衣を見ている。
「芽衣ちゃん、居眠りしてました」
 芽衣の後ろの女の子が、クスクス笑いながら言った。
「エッチな夢でも見てたんじゃないの?」
 男子が言った。クラス中が笑い声に包まれる。芽衣は、恥ずかしくて顔を真っ赤にした。
「白川、居眠りはいかんぞ。期末試験が終わったところで、ホッとしてるかもしれないけど、2学期の中間試験に、ここ、出るかも知れんぞ」
 芽衣は、下を向いたまま真っ赤な顔で聞いている。
「いいから座りなさい」
(ゆ、夢だったんだ……。恥かしい……、あんな夢見るなんて……)
 着席しても、芽衣は、恥ずかしさのあまり、下を向いたまま真っ赤な顔をしていた。

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