哀妹:芽衣
木暮香瑠:作

■ 二人だけの秘密2

 芽衣は、潤んだ瞳で兄の顔をじっと見上げている。桂は唇を、ちょっと突き出した芽衣の唇に誘われるように重ねた。芽衣の唇は、マシュマロのように柔らかい。
「芽衣の唇……、柔らかくて素敵だよ」
「おにいちゃん、もっと強く抱いて……」
 抱きしめられていると、不安感が薄らぐ。芽衣は、兄の背中に回した手に力を入れ、強く抱きついた。桂も、片手で芽以の背中を強く抱き、もう一方の手を芽衣の頭の後ろに回し、唇を強く吸った。桂は、その感触を十分に味わったあと、芽衣の唇を割って、舌を差し込んでいく。芽衣は、抵抗もせず芽衣の舌を受け入れた。桂は、差し込んだ舌を芽衣の舌に絡めていく。
「おいしいよ、芽衣の口……」
 桂は、舌を深く差し込み、芽衣の口の中を味わう。舌と舌が絡まりあい、温かさがお互いに伝わる。
「おにいちゃん。芽衣……、おにいちゃんが……好き……」
 桂は、絡めた舌を伝い、唾液を流し込んでいく。桂の唾液と芽衣の唾液が混じりあい、舌が絡み合う。芽衣は、兄と一つになったような気持ちが芽生えてきた。
(初めての相手が、おにいちゃんなら、いい。柴田君や藤原君じゃあ、いや……。
 おにいちゃんが……いい、おにいちゃんとなら……)
 桂とキスを交わし、唾液を注がれるうち、おにいちゃんとならが、おにいちゃんがいいに変わっていた。
「おにいちゃん、抱いて……」
 二人は、キスを交わしたままベッドに倒れこんだ。芽衣のスカートが捲れ、太ももが付け根まで露になった。いまにもパンティーが覗けそうで、大切な部分は隠れている。スカートからすらりと伸びた、きめの細かく柔らかい、白い素肌が眩しい。桂は、すぐにでもむしゃぶりつきたい衝動をじっと押さえた。

 桂は、芽衣の制服のリボンに手を掛け言う。
「芽衣、いいんだね」
「う、うん……。おにいちゃんとなら、いい……」
 桂の手が、リボンの端を引っ張っていく。リボンが解かれ、胸のボタンが一つ、二つと外された。芽衣の胸の二つの膨らみと、それを包むブラジャーがブラウスの奥に覗く。窓から差し込む日差しに照らされ、白い肌が輝いている。
「恥ずかしい……。カーテン……、閉めて……」
 芽衣は、両手で顔を隠し言った。指の隙間から、顔が桜色の染まっているのが分かる。初めての経験に、それも、まだ日が高いことに、芽衣は恥ずかしさから顔を真っ赤にしている。細い肩が、細かく震えていた。
「誰も見ていないよ。ここは2階だぞ」
「でも……、恥ずかしい。閉めて……」
 芽衣は、そう言って、ブラウスの襟を掴み、胸を閉じた。真剣な目で桂を見つめている。その真剣な目に圧されて、桂はカーテンを閉めた。

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