三十路の性宴
一二三:作

■ 第一章 麦秋のホタル9

9、キャップテンの非現実。

 土居が飾り棚の引き出しから100枚以上のE版画像を取り出し、ベッドの上に置きました、画像は全部SMプレイのカットシーンです、どれ一つ同じ物は在りません、縛り、吊り、鞭、蝋燭、ヘラチオ、肛門、2穴、3穴、釘、針、串、ピアス、刺青、焼印、等、壮絶な画像ばかりです、動画で有れば如何なるのだろうと空想が膨らみます。
「ウワぁ、凄げーなぁー、此れで身体壊れないのですか、先輩

「右下の番号を言ってみな、其の動画が3分位モニターに出せるから」
「A18003−411−3116です」
 土居がPCを操作してモニターに動画と音声が流れました。
 均整の取れた熟年の女が全裸で、婦人科診療台の上に大股開きで固定され、毛の無いオマ○コに大人の手がすっぽり入り、尿道には大人の中指程は有ると思われる金属棒が刺さり、ゆっくりと抽挿されて、
「ア、ア、ア、ア、アーーーーー」
と切ない喘ぎ声を出して居ます。乳房の谷間にはタランチュラの刺青が、両乳首には25×14Gのリングピアスが。包皮が切除された人差指第一関節位のクリトリスには、12Gのバーベルピアスが縦に、ラビアには40×8Gのリングピアスが片方2個ずつ両方に装着されて、挿入されている手を抜差しする度に巻き込まれそうに成って居ます。
画面アングルが変わり頭部が大写しに成り、横を向いた顔の口には珍棒が根元まで押し込まれ、女には普通見えない咽喉仏が動いています。其の時公一が素っ頓狂な声で、
「此の女見た事有るぞ、フーコ、良く観て診ろ、悦子さんじゃないか?」
 フーコが目を皿の様にして観て居ましたが、
「ホントだ、キャップテンだ、立ってチンチンを咥えさせて居るは誰ですか」
「フーコ、気が付いたか、悦子が咥えて居るのは俺の珍棒だ、尿道に金属棒を刺し込んでいる人が今の戸籍上の御主人様だ、悦子は俺達サークルのM牝奴隷なのだ、悦子はこんな事は序の口だよ、俺達サークルでは古株なのだ、此れが悦子の裏の顔で、他人と風呂に這入らないのは此の為だ」
「あー、驚いた、世の中狭いなぁー、剛、知ってたか、俺全然知らなかった」
「知る訳ないだろう、先輩、何時からですか」
「一年程前からだよ、此の世界は皆口が堅いから知れないのだ、但しお前達、口外したら抹消されるから気を付けろよ」
「悦子さん、バレーする時もあのピアス着けた侭でしょうか」
「そうだよ、乳首もラビアも溶接して居るから外す事は出来ないのだ、あれだけじゃないよ、オマ○コの中の子宮口にもピアス入れて居るよ」
「あんな太いのが乳首貫いたら痛いでしょうね、私には出来ないわ」
「此処に写って居る女は全部ピアス入れて居るよ、場所や大きさは違うけど、最初は皆細いのから入れて、徐々にゲージアップして行くのさ

「此の女の人は皆この市内の人ですか」
「80%はそうだ、20%が近郊の人だ、まァー、市内と言っても好い位だよ」
 悦子の動画が終わり、土居を除く3人は初めてのショックで上気し、息を弾ませて居ます、特にフーコは、自分達を纏めて居るキャップテンの痴態を、まざまざと見せ付けられたのです。
最初はあんな恥ずかしい事を、と思いながら見て居たフーコですが、少し経つと自分の今と比べる余裕が出来、私も変わらない様な本能を曝け出して居るのだと納得しました。
「此のSMは捕まらないのですか、売春防止法とかで」
「余程の事が無い限り捕まる事は無いな、第一金銭の授受が一切無い、お互いが信頼の元に繋がって居るから告訴が無い、お互いが満足して居るから不満が無い、表に出せない秘めた性癖が信頼の元でエンジョイ出来る。
主従の誓いを結んだカップルはお互いを信頼しきって居るからね、そうで無ければこんな危ない事出来ないよ、だから死亡事故等が起こらない限り警察沙汰に成る事は無いのだよ、但し、不特定多数、公衆の観ている前で遣れば【公然猥褻物陳列罪】で逮捕されるよ」

「不倫で揉める事無いのですか、サークルの人は独身が多いのですか」
「男は90%が既婚者、然も学識、社会的地位の高い人ばかりだ、女は50%が既婚者ですよ、女性で不倫が元で離婚したケースは有るが、裁判沙汰に成ったのは無い、女の方が慰謝料等何にも云わずに出て行くケースが大半らしい、性の不一致は如何にも成らないらしいよ」
「先輩の専属女性は居るのですか」
「当然だろう、此の女がそうだ」
 ベッドの上で散らばっている画像の中から1枚を取り上げ、
「此の女が俺の専属奴隷だ、何れ近い内君達にも紹介するが高校卒業したばかりだ、昨日から他の御主人様の所に調教に出して居る」
「此の乳房に針刺して居るの、先輩ですか」
「そうだよ、俺の顔は写って無いけど手はよく似てるだろう、此の手だ」
 土居が差し出した手の薬指には、今迄気がつかなかったのですが黒っぽい指輪が嵌められて居ます。
「此の指輪が俺達サークル会員の会員証だ、正会員はS男M女とも此の指輪を嵌めている、余り目立たないだろう、此の指輪を着けたM女は、同じ指輪を着けたS男から誘われた時は、如何なる時や場所でも拒否する事は出来ないのだよ、但し、専属御主人様の了解が要るけどね、だから俺達S男は携帯を2個持っている

「アハァー、私も其のサークルに這入るのですか」
「其れはフーコの考え次第だ、厭なら這入らなくても好いよ、其れよりお前、5時だぞ、帰らないと不可無いだろう」
 延々と3人の手が乳房や股間を嬲り続けて居ます、
「アハァー、アン、アン、アン、帰りたくないわぁー、ずーっとこうして居たいわぁー」
「愛子ちゃんが待っているだろう、遊びと現実の区別をしっかり着けなきゃ駄目だよ、フーコが此処に来れば一杯可愛がって遣るから、区別だけはきちんと着けようね、そうしないと逢えなくなるよ、だから今日はお帰り」
「ああぁ、辛いわぁー、もう一回逝かせてぇー」
 三穴責めにし、フーコは嬲られ通しの上に、あの画像や動画を見せられ一気に逝って仕舞いましたが、男達は昨日からの遣り過ぎで中々逝きません、30分以上掛ってやっと終わりました。
 名残惜しくて帰りたくないフーコを宥めすかして、フーコの車に公一と剛が乗り込みやっと帰しました。公一達が車を降りる時、
「フーコ、明日から会社の帰りに必ず土居さんの家に来なさいよ、之は土居さんの家の鍵だからね、黙って這入って好いからね」
 と言って、カードと吸引ポンプの這入った袋を渡し、別れました。
 麦秋の夜、浮世の水面から這い上がり、尻に、ひときわ明るく、青く淫靡で妖艶な明かりを燈す、三十路後家の姫蛍が羽化しました。
此の後、此の姫蛍には、想像を絶する数奇な人生が始まるのです。

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