M奴隷マミ
一二三:作

■ M氏の頓死1

 マミは何時もの様に一人侘しく朝食を摂っていると電話が鳴った。朝早く電話が掛かる事は殆ど無い、重大な緊急手術の時に掛かって来た事が2度在っただけです。受話器を取ると、M会計士のM奴隷E子からでした。半分泣きながら、
「マミチャン助けて、パパが倒れたの、如何しよう、ねー、御願い」
「落ち着きなさい、パパってどっちのパパなの、救急車呼んだの」
「今倒れたとこなの、奥様に知らせるのが先か救急車が先か迷っているの、如何すればいい」
「何馬鹿なこと言ってるの、直ぐ119番電話しなさい、119番に電話したらもう一回私に電話しなさい、落ち着いてね」
 マミは咄嗟に、心筋梗塞か脳梗塞による腹上死だと思いました、2分ほどして電話がかかりました。
「救急車呼んだけど、今、如何したら好いの、奥様には如何しよう」
「いい、是から私の言う事落ち着いてよく聞くのよ。Mさん呼吸している、心臓動いている、電話このままにして直ぐ確めて
「呼吸は少し判るけど心臓は判らないわ」
「貴女、心臓マッサージの仕方知ってる、わからなかったら鳩尾の上に両手を重ねて強くギュ、ギュと、1秒間に2回の速さで押しなさい、救急車が来るまで続けるのよ、そして救急車が来たら、うちの病院を指定して、貴女も一緒に来なさいね、ご家族には病院に着いてからで好いから」
 マミは病院に電話して当直医と代わってもらい、
「手術室の田中です、私の知り合いが今救急車で来るそうですから御願いします、心臓動いてないとか言っていました。私も直ぐ行きますから宜しく御願いします」
 マミが病院に着くのと救急車が着くのが同時でした。患者を処置室に運んだ時当直のF医師が待っていました。
 診察をして強心剤や融血剤等の処置をしてF医師がE子を呼び、
「重度の心筋梗塞で今其れなりの処置をしていますが予断を許しません。倒れられた時の事を聞かせて頂けますか」
「ハイ、実は私の腹の上でアレの最中に苦しみだしました。私はビックリしてマミチャンに電話して119番しました。マミチャンから心臓マッサージをする様言われて遣ったのですけど良かったのでしょうか」
「良かったですよ、其の御陰で弱いですけど動いていましたからね」
其処へ病理試験室から血液検査票が届き、
「コリャ立派な糖尿病だ、奥さん是知っていたでしょう、薬は飲んでいましたか、インシュリンは如何ですか」
其処でマミは、
「御家族に電話して置きますからね、先生宜しく御願いします」
といって処置室を出て手術室に返り、奥様や、E子の勤めている会社に電話して事情を説明し、処置室に引き返したらE子が廊下で待っていた。
「如何だった、助かりそう、」
「危ないらしいわ、糖尿病が大分悪いらしいの、そのくせプレイの時はいつも強性剤を飲んでいたからね、今も先生から聞かれたわ、恥ずかしかったわ。奥さんがみえたら如何しよう」
「奥さんは貴女との事知っているの、」
「誰か女が居るらしい位は知っていると思うわ」
「其れで貴女、M氏から何か代償を貰いたいの、身体を大分改造されたから」
「私は是で人並み以上の悦びをさせて貰ったから何にも要らないわ」
「判った、其れなら奥さんに逢って一応挨拶しておいた方が好いでしょう。医師の方は私が上手く言って置くかね、消防署が知っているから隠してもばれると思うよ、貴女が慰謝料等を請求しなければ、もめる事は無いと思うよ。先生と話して来るから此処で待っていてね」
「先生、如何ですか、話が有るのですけどこっちに来て頂けますか」
マミはF医師を処置室の奥に連れて来て、
「先生、アレ奥さんじゃなくって彼女なの、強性剤飲みながら遣って居たらしいの、然もペニスが立たないくせにSMは超ハードだったらしいわ、今彼女に聞いたら、慰謝料等の請求はしないそうですから、其の積りで家族に説明して置いて下さいね、御願いします」
「そうだろうと思ったよ、判ったよ、その代わり奢れよ、高くつくぞ。あれだけ糖尿が進むと直ぐの手術は出来ない。後1時間持たないだろう」
其の時心臓が停止したブザーが鳴った。
暫くして家族が駆けつけました。マミはE子を待合室に連れて行き、
「家族の出方次第だけどね、警察の事情聴取は有るかも知れないよ、自宅以外で倒れているからね。厭な事を猟奇の目で根掘り葉掘り半日位聞かれるけど我慢しなさいよ、お通夜と告別式には一緒に行きましょう。貴女は是で帰りなさい、何か有ったら知らせるから」
一応E子を帰してマミは勤務に着きました。
夕方勤務が終ってE子に電話しました。
「英子さん、何しているの、考え込んじゃいけないよ。お酒でも飲みに行こうか、うちのパパがそうしろと言ったの、塞ぎ込んでいても如何にも成らないよ」
「行く行く、マミチャン有難う。今日は助かったわ、貴女より歳はズーと上なのに何にも出来ない私がよく判ったわ。アレから警察でさっきまで事情聴取をされていたの、失礼な事ばかり聞かれてクサクサしていたの、パァーと遣りたいわ、パパさんも来るのでしょう」
「パパが来る予定には成っていないけど、貴女が好ければ呼びましょうか、私今勤務終った処なの、是から着替えをして行くから、河馬子で食事しませんか、河馬子で落ち合いましょう、処でお通夜とかの時間分ったの」
「他人の家で亡く成ったから、司法解剖に回されるとかで未定なの」

「其れじゃぁ、今夜は遊びましょう」
マミは須藤に、河馬子に来てくれる様に電話して着替えを済ませ、歩いて河馬子に急ぎました。
今にも雨が落ちて来そうな天気です、小走りで汗をかきながら居酒屋河馬子に着きました。E子さんは先に来ていました。
カウンターには中年の男性客が二人と、少し離れた席にE子が座って居ました。
「ママさんおはよう。英子さん待ったぁー、御免ね」
「私も今来た処なの、今日は済みませんでした、助かったわぁ」
「ママさん今日はね、M会計士さんが亡くなったの、だからE子さんを慰める会なの、ママさんも一緒に付き合いなさいよ。パパも後から来ますから、ビール大で行くわよ」
大ジョッキーでビールが出され、
「Mさんのご冥福と、E子の為にカンパァーイ」
「と言う訳で今日は徹底的に飲むから御願いよ、酒と美味い物どんどん出してよ」
「ジャー、弔い合戦で店閉めようか」
「其処まですること無いよ、今日、信二君は居ないの。助平男が来たら其れを肴で飲みましょう」
自分ながら女も40が近くなると此処まで図々しくなるかと、マミは自分で呆れています。
「信二君、別荘に行っているの、3年位出られないらしいのよ、アンちゃん達は散り散りになって居なくなったわ、だから今はあの関係の客は来なくなったわ、今ではイチゲンさんが多くなったわ」
「そうなの、知らなかったわぁー、信二君が居たら若いもんと一緒にE子を慰めて貰えると思ったのに残念だわ、あの若いの2,3人に嬲られたらE子満足すると確信して来たのにね、其れじゃ-此処にいらっしゃるお客さんに御願いしましょうよ、E子、今日は何もかも忘れなさいよ」
飲みながら今日の出来事を河馬子さんに話して居るとE子が、
「私の身体を切り刻んでおいて、一人で先に逝きやがって、私の身体の始末は如何してくれるのよぉー。マミチャン、パパさん今夜貸してよ、トコトンあの世まで逝きたいのよぉー。ママさんは若い元気なのが居るからいいけど、私は是から如何するのよぉー、ママさん、私と歳同じだよね、56になってもマゾ性は衰えないものね、普通のSEXは如何でも好いけどマゾは身体が要求するのよね、こんな時は無茶苦茶にして貰いたいの、死ぬまで責められたいわぁ」
「いいよ、パパには此処に来て貰うように電話してるわ、其れまでジャンジャン呑みましょう。しっかり腹ごしらえをしときなさいよ、朝まで寝させないからね」
マミは須藤に直ぐ来てくれる様に電話をして河馬子さんに耳打ちしました。
「是から閉店まで英子を晒し者にして、お客さんを悦ばせて遣りましょうよ、E子も其れを望んでいる様だし、そして店が終ったら鹿鳴館に行きましょう」
「私は好いけど英子さん大丈夫かしら」
「英子さん、ブラジャーとパンティ取りなさいよ、是から此処で暫くお客さんの前で、ママさんと私で虐めてあげるから、其の内にパパも来るからね」
「厭だぁー、見知らぬ人の前では恥ずかしいわぁー」
「何云っているの、恥ずかしい方が燃えるくせに、もう決めたんだから後には引けないよ、私達の掟だからね、この会抜けるのならいいけど」
「言われる通りにします、先生の様にキツクしてよ」
E子の目が怪しい輝きを取り戻した。是から自分に与えられる悦びと屈辱を堪能する為の期待の眼差しです。

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