桃香
木漏れ日:作

■ 12

>MOMO<
撮ったよ!
これオマケ♪
画像が添付されていた。
携帯の写メで撮ったようだ。
桃のワレメが写っていた。

うしろから背を叩かれた。
振り返ると桃がニっと笑った。
「見てくれた?」
「見たよ…。」
「どう?」
「いい写真だな…。」

「ありがと…。」
私と桃は歩きだした。
「プリクラ撮れた?」
「それがねぇ…。」
「ん?」
「あんまり良くないの…。」

「ほら…。」
桃香は右のポケットからプリクラを出した。
受け取って良く見ると画像が不鮮明だった。
「デジカメのようにはいかないな…。」
「そうみたい…。」
桃は済まなそうに言った。

「桃のせいじゃないよ!」
「……。」
「ショーツの穿きごこちはどうだった?」
「変な感じ…。」
「合わない?」
「うん…。」

「しゅう…。」
「ん?」
「春休みどっか行きたい…。」
「いいなぁ…。」
「ネットで調べてよ!」
「わかった!」

ひとつきが過ぎた。
今日は桃香の卒業式。
ミニのスカートと揃いの上着。
色はブルーだ。
私も出席する。
終了後旅行に行く事になっている。

……式は終わった。
それぞれ写真を撮ったりしている。
「しゅう…。」
桃が私の袖を引いた。
「写真撮ろう!」
「どこで?」

桃香は私を東側の校舎裏に連れてきた。
「ここで撮って…。」
「わかった…。」
私はカメラを構えた。
桃香が言った。
「待って!」

「修どっちがいい?」
「どっちって?」
「普通のがいい? それとも…。」
「普通じゃないのがいい!」
「やっぱり?」
「うん!」

私の返事を聞くと、桃香は脱ぎ出した。
あんまり着てないのでたちまち素っ裸になった。
身に着けているのは靴と白いソックスだけだ。
私はつい見とれてしまった。
「なにしてるの? 早く撮ってよ!」
「おう、悪い!」

私は急いでシャッターを切った。
「さっ帰ろ♪」
服を着終わった桃香が腕を絡める。
帰り道私は桃香に聞いた。
「あそこで撮ろうと思ってたのか?」
「うん! 卒業記念にね!」

「ハダカで?」
「うん! どうしても一回撮りたかったの!」
「どうして?」
「六年間通った所だから写真で残したかったの!」
「良くわかったよ…。」
「ありがと!」

その夜。
午後10時。
私と桃香は旅行に出発した。
荷物は既に送ってある。
行き先は〇〇温泉。
10時30分発の高速バスに乗る。

駅前のバス乗り場には既にバスが停車している。
明日の朝8時に到着する予定だ。
私と桃香はバスに乗り込んだ。
後よりの左側が私と桃香の席だ。
桃香を窓際に座らせる。
定刻にバスは駅を出た。

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