桃香
木漏れ日:作

■ 17

深緑の中で滝は音を立てて飛沫を飛び散らしていた。
それは目に染みる鮮烈な光景だった。
桃香も私も声を殺して見つめていた。
「凄い……。」
桃香が呟いた。
「ああ……。」

「ねぇ…。」
「ん?」
「来て良かったよね!」
「そうだな……。」
「ねぇ?」
「ん?」

「撮ろうよ…。」
「ああ、」
私は滝を背景に桃香の裸身撮ろうとした。
しかし何か違和感をおぼえた。
靴……。
そう靴と靴下が邪魔なのだ。

こういう景色の中での靴と靴下はいらない。
「桃、靴を脱いでくれない? 靴下も!」
「うん♪」
桃香は私の意図を察して靴と靴下を脱いだ。
「これでいい?」
「OK!」

桃香は文字どうり生まれたままの姿になった。
「笑って!」
桃香が微笑む。
良い画像が撮れた。
何枚も撮った。
「寒くないか?」

桃香の顔が白いのを見て聞いた。
「ちょっと寒い…。」
「ごめん…。」
「ううん、いいの、あたしも楽しいから、でも…」
「おしっこか?」
「うん…。」

桃香は斜面にしゃがんだ。
私は声を掛けた。
「桃、それも撮ろうか?」
「撮ってくれる?」
「ああ…。」
「じゃあこの方が良くない?」

桃香はしゃがんだまま私の正面を向いた。
「見える?」
「もっと足開いて!」
「こう?」
「もっと…。」
「これでいい?」

桃香は大きく足を開く。
「OK!]
私は出来るだけ桃に近づいた。
「でちゃう…。」
声と同時に一筋の水流がほとばしる。
女の子が放尿した姿をカメラに収めたのは初めてだ。

放尿が終わった。
桃香の体がピンク色になっていた。
興奮しているのだ。
私は桃香を立たせ股間を拭った。
尿とは別の液にまみれている。
「気持ちいいか?」

「うん…。」
「そろそろ行こうか?」
「うん♪」
私は服を桃香に着せた。
戻る途中何人かの人に出会った。
私と桃香は快活に挨拶を返した。

素知らぬ顔で。
桃香が囁いた。
「私達ついてるね…。」
「そうだな…。」
ぶらぶら歩いた。
3時過ぎ宿に着いた。

その宿は一軒ずつ離れになっている。
それぞれに露天風呂があった。
部屋は和室。
2間続きだ。
食事は部屋で摂る。
大露天風呂もある。

私と桃香は部屋に入ってからそんな説明を聞いた。
仲居さんが去ると桃香が言った。
「ねぇお風呂行こうよ!」
「そうだな…大きい風呂にする?」
「当然♪」
桃香は備えつけの浴衣を出した。

そして裸になる。
素肌に直接着る。
「しゅうもパンツ駄目だから…。」
「え? 俺も?」
「当たり前でしょ!」
しょうがないので直接着る。

タオルだけ持って外に出る。
庭はきれいに整備されている。
露天風呂に着いた。
脱衣所で浴衣を脱ぎ洗い場に降りた。
湯船が広い。
「わぁ、広い!」

桃香が叫んだ。
時間が早いせいか誰もいない。
私達はざっと体を流し湯に入った。
湯は無色透明。
「ねぇ?」
「ん?」

「ここ、夜中も良いんだよね?」
「そう言ってたな…。」
「じゃあさ…。」
「ん?」
「もう一度来ようよ、夜中に♪」
「裸で?」

「うん♪」
「俺はちょっと…。」
「裸はあたしだけでいいよ!」
「ならいいよ…。」
私と桃香は湯を出るとざっと体を洗い風呂を出た。
浴衣を着て外に出た。

「散歩行く?」
と桃香が聞く。
「そうだな…。」
私と桃香は部屋に帰って着替えをした。
私はズボンにTシャツ桃香はワンピース。
私達はタクシーを呼んで街に出た。

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