桃香
木漏れ日:作

■ 25

「ああ…。」
「何がいい?」
「コーヒー…。」
「はい…。」
すぐに熱いコーヒーが出てきた。
「お、手際がいいな…。」

「ありがと…。」
私がコーヒーを啜るのをテーブルに頬杖ついてじっと桃香が見ていた。
私はきまりが悪くなって、
「なに見てるんだ…。」
と聞いた。

桃香はニコニコしながら、
「別にぃ…。」
と答える。
「何だか気持ち悪いな…。」
と言うと、
「気になる?」

と聞いてくる。
「そりゃ気になるよ…。」
と言うと、
「教えて欲しい?」
「うん…。」
「じゃ、教えてあげる…。」

「あのねぇ…。」
「なに?」
「なんかいいなぁと思って…。」
「なにが?」
「だって…。」
「だからなに?」

「新婚みたい…。」
「俺達が?」
「うん…おかしい?」
「まだ早いだろ?」
「あたしじゃ駄目?」
「そんな事ない…。」

「ホント?」
「ああ…。」
桃香は俯いた。
「どした?」
「あのさぁ…。」
「ん?」

「心配なの…。」
「なにが?」
「その…。」
桃香ははにかんだ表情をして、
「あたし達まだよね…。」
「は?」

「やだ…鈍感…。」
桃香は頬を染める。
「エッチの事よ…。」
「ああ、それか…。」
「修、気にならない?」
「まだ無理だろ…。」

「でも、したい、でしょ?」
「まぁな…。」
「我慢出来るの?」
「手や口でしてもらってるし…。」
「いいの、それで?」
「ああ…。」

「でもとっても心配…。」
桃香は不安そうに言った。
「なんで?」
「ほかの女の子に行くんじゃないかって…。」
「俺、信用されてない?」
「ううん…。」

桃香は首を振る。
「でね…お願いがあるの…。」
「ん?」
桃香がまた頬を染める。
そして、こう言った。
「今夜エッチしょ…。」

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