夢魔
MIN:作

■ 第21章 暗躍9

 ヌチャヌチャと明日香がバイブを抽出する音、ピチャピチャと明日香が響子のオ○ンコを舐める音、それと響子の上げる淫声が、佐山の自室を満たしている。
 沙希は暫く2人を見詰め、2人の身体が快感でピンクに染まる頃
「お互いに顔を見合わせて、決して逸らしちゃ駄目よ…。響子さんは明日香さんに好きな事を言って上げて」
 2人に最後の命令を下し、鞭を振り上げ、振り抜いた。
 ビシッと鋭い肉を打つ音と共に響子の悲鳴が上がる。
「痛い、痛い、痛い! 明日香さん…痛い〜」
 響子の涙声が、明日香の胸を締め付ける。
 明日香に出来る事は、必死に舌を這わせ、少しでも快楽を与え、痛みを薄れさせるだけだった。

 そうして、再び沙希の鞭が、響子を襲う。
 肉を打つ音、悲鳴、苦痛を訴える声、罵る言葉、涙、それらが命令により固定された、明日香の顔に降り注ぐ。
 明日香の心には、謝罪の言葉が溢れ、涙が止めどなく流れ、舌と口に熱を込める。
 そんな2人を見ながら、沙希は響子の背後に回り、耳元に囁き始めた。
「痛いわね…辛いわね…誰のせいで響子さんは鞭打たれてるのかしら…」
 そう囁き間合いを取って、響子の背中を打ち付ける。
「ぎゃひー! あがぁ、あがぁーっ! い、痛い〜っ! あ、明日香の馬鹿〜!」
 悲鳴と苦鳴と罵倒が、響子の口から漏れる。

 沙希は再び、響子の耳元に唇を寄せ
「そう…明日香さんのせい…響子さんが…こんなに辛い目に合ってるのに…明日香さんは、響子さんの下でオナニー中よ…人にはこんな辛いことを押しつけて、自分だけは気持ち良いコトしてるの…酷いわね…どう思う? どう思う? どう思う?」
 沙希は何度も問い掛けながら、響子のお尻に鞭を叩き付ける。
「ぎひーっ! 酷い! がーっ! 狡い! ぎぃー! 許せない!」
 響子はボロボロと涙を流しながら、明日香の顔を睨み付け、恨みを募らせた。
 明日香はそんな響子を下から見上げるが、どうしても込み上げる快感に、顔が紅潮する。

 その顔を見ている響子が、明日香に罵りを浴びせ始めた。
「この淫乱! あんたのせいで、こんな酷い目に会ってるのに、良くそんな顔が出来るわね! 覚えてらっしゃい! 絶対復讐してやる!」
 響子が明日香に怒鳴り始めると、沙希が耳元でそれを囃し立てる。
「あら、響子さんは優しいのね…そんな言葉で良いの? 今響子さんが出来るのは、恨み言を言うだけなのに…そんな言葉で満足しちゃうんだ…もっと、もっと口汚くても…良いんじゃない…。明日香さんそれ位じゃ…何とも思わないわよ」
 そう囁きながら、最後の言葉と同時に、間合いを取り鞭を振り下ろす。
「ぎゃ〜〜〜っ! この馬鹿女〜! 自分のオナニーに、夢中に成ってないで、何とかしろ! 変態の淫乱がぁ! 舐めるだけしか脳がないの!」
 響子は夢中で明日香をなじり、少しでも快感を送らせようとする。

 明日香は豹変した響子の声に、驚きながら自分がそうさせてしまった事を激しく悔やむ。
(ゴメンね…ゴメンね響子ちゃん…ごめんなさい…私のせいで…私のせいで…)
 明日香は真っ直ぐ響子の目を見詰め、何度も何度も謝罪した。
「あら、あら…明日香さん…そんなに気持ち良いのかしら…バイブが止まってるのに…さっきより、おつゆ増えてません?」
 明日香は沙希の言葉にドキリとして、オ○ンコに意識を向ける。
(ほ、本当だわ…い、いつの間にかバイブが止まってる…)
 沙希の言うとおり、バイブの動きは止まっていたが、明日香の愛液は溢れ出し、ピチャピチャと充分な潤いを湛えた音を立て、抽出を助けていた。

 沙希は明日香の顔を覗き込み
「明日香さ〜ん…ヒョッとして、響子さんに罵倒されて、感じちゃったのかなぁ〜? それって、スッゴイ変態よね…。明日香さんてそう言う人なんだ…」
 沙希は微妙に[人]と言う言葉を強調し、明日香に告げる。
(ち、違う! 違う! 私は、そんなんじゃない! 私は社長に無理矢理、嫌らしい事をされて…それで、今も強要されてるだけよ! 何も望んでる訳じゃないわ!)
 明日香は心の中で、強く否定した。

 すると、沙希がそれを見越したように
「まさか、これだけ濡らしておいて、無理矢理させられてる…何て思ってないわよね…それって、言い訳してるだけ…。良〜っく自分の心と…自分の身体に聞いてご覧…心の奥…身体の奥で、叫んでいるわよ…気持ちいいって…」
 沙希の言葉は、明日香の胸に突き刺さる。
(そんな事無い…そんな事…絶対にないわ…)
 そう思いながら、明日香は焦りながら思い浮かべてみる。
 この時点で、明日香は沙希の術中に嵌った。

 佐山の催眠暗示で縛られた明日香達は、佐山に言われた事は、どんな事でも現実に起きてしまう事を忘れていた。
 いや、佐山自体に言われれば、そうなる事は予想できたが、明日香は沙希の言葉が、佐山の言葉と同じという事を忘れていたのだ。
 そして、催眠術の暗示という物は、自らの意志で認めてしまうと、かなり深く掛かってしまうのだ。
 明日香も例外ではなく、[そんな事はない]と思っていた状態から、沙希の言う感覚を見つけてしまった時、その効果は絶大な威力を発揮し、明日香の精神を引き摺り込む。

 明日香は沙希の言うとおり、心の奥に気持ち良いという感覚を見つけてしまう。
 身体の奥に、熱い熱を感じてしまう。
 大きく見開かれた驚きの表情に、沙希は言葉を投げ掛ける。
「ほら、有った…認めなさい…」
(い、嫌…言わないで…)
「感じなさい…」
(止めて…入って来ないで…)
「貴女は、辱められて感じる…変態なの…」
(いや〜私の心を…穢さないで〜…)
 沙希の言葉は、明日香が今まで守ってきた心の殻を打ち破り、蹂躙した。

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