夢魔
MIN:作

■ 第21章 暗躍12

 沙希は響子の哀願に
「じゃぁ、響子さんは明日香さんがしてあげて…ほらこうやって…ここを…こうするの…」
 明日香を響子に抱きつかせると、明日香の手に自分の手を添え、そのタッチを教えた。
「あふん、くぅ〜ん…あぁ〜…はぁ〜ん…きもちい〜い…とろけちゃう〜…」
 響子は頬を真っ赤に染め、恍惚とした表情で、白い喉を晒し震える。
「そうそう、明日香さん解った? じゃあ次は、響子さんよこっち来て…」
 沙希はそう言って、身体を入れ替えると、響子の手を取り教え込む。

 沙希は2人に指使いなどを教えると
「さあ、次は2人で私を慰めて…教えたとおりやってみて…」
 2人に身体を任せる。
 明日香と響子はウットリとした表情で、沙希の身体に奉仕を始めた。
 繊細に丁寧に、まるでこの世の至宝を磨くように、手指を動かす。
「そう、良い感じだわ…じゃぁ、もっと身体全部を使ってみて…」
 沙希がそう言うと、明日香と響子は夢中になって身体をくねらせ、擦り付けながら奉仕を始める。

 3人はお互い絡み合い、愛撫し合い、鎮め合った。
 30分ほどたった時、3人は誰からともなく離れ、同時に長い満足の溜息を吐く。
「どう? お姉様達…気持ち良かったでしょ?」
 沙希が明日香と響子に向き直って、問い掛けると、2人は飛び起きて平伏し、ブンブンと頭を縦に振った。
 沙希が満足げにニンマリ笑うと
「あ、あの、あの…沙希様とお呼びしても宜しいでしょうか?」
 明日香が必死の顔で、伺いを立ててくる。

 沙希が明日香を見詰め、キョトンとしていると
「わ、私もお呼びして、宜しいですか?」
 響子も顔を上げ、必死に哀願した。
 沙希はケラケラ笑い始め、2人の背後に回り、上にのしかかると顔を持ち上げ
「小父さまこのお姉様達、気に入ったわ、私に頂戴。だめ?」
 佐山に向かって、問い掛ける。

 佐山は沙希の申し出に、面食らったが
(あの2人は年齢的に、もうじき廃棄処分だったな…まぁ、それまで預けても構わんか…。どうするかも見てみたいしな)
 沙希の申し出を承諾した。
 沙希は2人の顔を後ろから覗き込み
「だってさ」
 ニッコリ微笑んだ。

 明日香と響子は沙希の首にしがみつき、沙希の顔にむしゃぶりつく。
「やん、ほら、もう…エイ!」
 沙希は唇を交互に奪おうとする明日香と響子のオ○ンコに指を差し込み、グルリと掻き回す。
 2人は突然の刺激に、小さな嬌声を上げ、沙希の顔から離れる。
 こうして沙希は2体の人形を奴隷にした。
 この奴隷が、自分達にとってどう言う存在になるか、佐山は理解していなかった。

 沙希は黒塗りのベンツの後部座席で、ソワソワと落ち着かない表情で座っていた。
 チラリと運転席を見詰めては、モジモジと俯く。
 もう何度この行動を取ったか解らない。
「あ、あのぉ〜…い、いつも送ってもらって、済みません。明日香さん…」
 沙希は思わず言葉を口にするが、何故かそれがしっくり来ないで居た。
(いつも? う゛〜ん…何か変…。送って貰ってる、気はするんだけどなぁ〜…それに、明日香さんって仲が良い筈なのに…何か、記憶が無いのよねぇ〜…)
 沙希は後部座席で、頭を抱える。

 明日香はルームミラー越しに
「良いのよ、沙希さん…これぐらい、何でも無いわ…。私にしたら、嬉しい位よ…」
 頬を染めながら、本当に嬉しそうに沙希に告げた。
 沙希はその明日香の言葉にも、不思議そうに頭を捻った。
 そんな仕草を、ルームミラー越しにウットリとした表情で、明日香は見詰める。
(ああぁ〜沙希様…何て可愛らしいの…館の沙希様からは、想像も出来ない…でも、私達の新しい支配者…。とっても素敵な支配者…ああぁ〜…)
 明日香は10歳以上違う沙希を、完全に支配者として、服従を誓っていた。
 それは、佐山のような強要から来る物ではない、心からの服従だった。

 車は沙希の寮の有る、マンションの前に音も無く止まり、明日香は直ぐに運転席を降りて、後部扉を開ける。
 沙希はその行動に、面食らっていたが、明日香の微笑みで気を取り直した。
「あ、有り難う御座います…。明日香さん、私自分で降りれますから…」
 沙希が困ったような顔で、明日香に言うと
「えっ…私の楽しみを奪われるの…?」
 悲しそうな顔で問い掛けてくる。
「い、いえ、そんな事はないですけど…。良いです、ご免なさい…もう言いません…」
 沙希は諦めて、明日香の好きなようにさせた。

 明日香は嬉しそうに微笑んで
「有り難う御座います…」
 恭しく頭を下げる。
(何で? 何で? 明日香さんってこんなコトするの? 変…! でも、何かイメージ合うんだよねぇ〜)
 沙希は首を傾げて、考え込む。
 そんな沙希に、明日香はガッと両手で沙希の両手を掴み
「また、ご連絡下さいね…直ぐに、直ぐに飛んできますから!」
 力強く言い残して、車の中に消える。
 明日香が車の中に乗り込むと、直ぐに発進して、夜の闇の中に消えた。
 沙希はそれを見送ると、首を捻りながら、寮の自室へと戻っていった。

 佐山は自室でジッと考えている。
 最初は情報提供の手駒として、手に入れるつもりで居た沙希が、その美貌に突き動かされ、手に入れようとちょっかいを出した瞬間、サディストに変わり、責めっぷりを見ようとすれば、調教師も真っ青の責めを見せ、あまつさえ自分の人形を2体自分の物にしてしまったのだ。
 次々に自分の予想を超える反応を見せる沙希を、これからどう扱うべきか、佐山は真剣に悩んでいた。
 考えをまとめようとする佐山の自室に、ランプが明滅する。
(爺さん…また壊しやがった…。緑だから、肉体系だな…。動き回れる程度の欠損なら良いがな…)
 佐山は舌打ちをしながら、自室を後にする。
(沙希の事は取り敢えず保留だ…信頼を無くして、催眠に影響が出たら、おじゃんだからな…)
 佐山は廊下を走りながら、沙希の事を後回しにした。

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