夢魔
MIN:作

■ 第22章 教師9

 その部屋は20畳程の広さで、木板やリノリウム、果ては鉄板迄使われた、奇妙な床を持つ部屋であった。
 その部屋の床に、ウネウネと白い物が蠢いている。
 その白い物は拡がり、縮み、大きくなり、絡み合ってその形を変えていく。
 その白い物は、10人程の女体だった。
 彼女達は、無言で絡み合い、身体を擦り合い、場所を変え全身をくねらせている。
 彼女達は一様に、身体の一部が欠損し、まともな身体では無かったが、皆美しい容貌と、均整の取れた身体をしていた。
 彼女達は、竹内家の使用人だった。

 その白い女体の隙間から、1人の男がチラチラと見え隠れする。
 何の特徴もない顔、面と向かって1時間話していても、視線を外せばもう何処に行ったか解らない、それ程人の記憶に残らない顔。
 竹内家の執事、佐山だった。
 佐山は、床に横に成った、3人の女体の上に乗って横になり、その身体を5人の女に奉仕されている。
 下になった女達も、全身をくねらせ、佐山の背中を愛撫し、上に乗った女も、身体を擦りつけ舌を這わせ、次から次へとオ○ンコを使いチ○ポを擦り上げ、入れ替わり立ち替わり、位置を変えて奉仕を続ける。
 佐山はその快感に酔っていた。
 全身を隈無く愛撫され、快感がいつまでも続く。
 そして、女達の表情が今までと違う事が、これ程の快感を与えている原因だと気付く。

 女達は、佐山が支配していた時の、恐怖に怯える顔では無く、明らかに顔を紅潮させ、快感に震え自ら喜んで奉仕を行っていた。
 それが、佐山に驚くべき快感を与えていたのだった。
(これは…堪らんな…。こんな風になるのか…それに、この反応はどうだ…。うう〜ん…凄いなあいつは…)
 佐山は快感の中で、チラリとベッドに視線を向ける。
 ベッドの上には小麦色に焼けた手足を持ち、身体の中心部だけが白い、美少女が座っていた。
 沙希である。
 沙希は目の前に重なる、2人の女性を見つめ、微笑んでいた。
 その表情は、完全に加虐者に変わっている。

 沙希は自分の足下で、ピチャピチャと音を立て、甘い声を上げる2人を見下ろしていた。
「さぁ、今日はどっちが私のお相手かな? 負けた方は、お仕置き…勝った方は遊びましょ…」
 沙希はそう言いながら、明日香と響子のシックスナインを眺めている。
「あぁ〜沙希様〜…今日も、私がお相手いたします〜…。ほら、響子ちゃん…ここ気持ち良いんでしょ…早くイッてしまいなさい…」
「いや〜ん…今日は、私がお相手するの〜…明日香さん…ここが、弱いんでしょ…ほら、我慢しないで…イッて〜…」
 明日香と響子は、快感に顔を染めお互いに相手を責めながら、イカせようとする。
 2人が昂ぶり始めると、沙希がスルスルと両手を、2人のオ○ンコにあてがい。
「はい時間切れ〜」
 グリグリと、嬲り始める。
 明日香と響子は、途端に切羽詰まって、同時に絶頂を極め、潮を吹いて抱き合い、ビクビクと震えた。

 沙希は2人のオ○ンコから、指を引き抜くとそれぞれの口に指をねじ込んで、清めさせ
「はい、綺麗にしたら、6R目を始めて〜」
 楽しそうに2人に命じた。
 明日香と響子は、一生懸命沙希の指を舐め清めながら、恍惚の表情で[ふぁい]と返事を返す。
 明日香と響子はこうして沙希に弄ばれ、何度も絶頂を重ね、始めて遊んで貰える事を知っている。
 2人にとって、この勝負は真剣だが、同時に前戯でもあった。
 10数回極めて、始めて終わる前戯は、2人の服従を強めてゆく。

 明日香は完全に虜になっている。
 魂の奥底まで、嬲られて感じる、恥辱の快感。
 響子は完全に虜になっている。
 白痴のように真っ白に成った意識の中で、受ける鞭の快感。
 2人は完全に虜になっていた。
 自分の知らなかった、快感を与えてくれる、年若い支配者に。
 そして、佐山を囲み愛撫を続ける8人の人形も、一様に思って居る。
 自分達が、誰の持ち物で居たいのか。
 誰がこの享楽を与えてくれているのか。

 佐山は沙希に人形を与え、開花させ喜んだ。
 沙希の手腕は驚くべき物だった。
 痛みに、自分の心を閉じてしまった人形ですら、快感に目覚めさせ、人格が戻り始めている。
 そんな沙希の影響力は絶大で、人形の全てが沙希に遊ばれたいと思うほどで有った。
 明日香と響子の位置に取って代わりたいと、全ての人形が思うほどだった。

 全ては沙希を手に入れるため。
 全ては稔の調教した、奴隷達を手に入れるため。
 全ては稔の計画自体を手に入れるため。

 だが、佐山は気が付いていない。
 佐山自身の影響力が、落ちている事を。
 それらを全く感じず、ただ人形の反応が変わる事に目が行き、沙希に委ねていた。
 今まで恐怖で縛り付けていた支配者と、快楽と服従の両方を与える支配者と、どちらが影響力を持つか、それは自明の理だったが、それに気付いていない佐山は、沙希に人形を調教させ続ける。

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