夢魔
MIN:作

■ 第22章 教師11

 パソコンの前のカウチに座り、狂は脚を大きく開いて、モニターを見つめている。
 狂の足下には濃紺のメイド服を着た絵美が、正座をして頭を振っていた。
 大きく開いた襟から、右側の乳房だけが飛び出し、その乳房を狂の左手が弄んでいる。
 恥辱に染まった頬を赤く染め、絵美は狂のチ○ポに舌を丁寧に這わせ、奉仕を繰り返す。
 絵美の思考は淫らな行為を恥ずかしい事と考え、それを好む自分を更に恥る。
 だが、恥辱を感じれば感じるほど、自分の身体が更に淫らになって行く、堂々巡りだった。
 そして、主人である狂は、それを良く知っている。
 だから、命令も断定的に発しない、いつも絵美自らが望んで行うような言い回しで、命じる。

 この奉仕を行うときもそうだった。
「良くやったな、絵美。ご褒美をやっても良いぞ? ご褒美が欲しかったら、お願いしてみろ…」
 こうやって、必ず絵美に選ばせるのだ。
(ああ〜っ…、ご褒美…欲しいですご主人様…。でも、ご主人様は、曖昧な表現は、お許しにならない…。でも、そんな事…口にするなんて…。いっそ、命令をして下さった方が…)
 絵美の中に葛藤が産まれ、そうして必ず良識は敗北する。
「ご、ご主人様…絵美に…おちんちん…舐めさせて下さい…」
 顔を真っ赤に染め、震えながらおねだりさせられる。
「絵美は、そんなご褒美が、欲しいのか? いやらしい奴だな…ほら自分で出して咥えろ」
 狂は絵美の羞恥心を煽り、ご褒美を与えた。
 こうして、絵美は羞恥に身を灼きながら、どんどん淫らになり、また強い羞恥を感じる。

 狂が奉仕を受けながら、右手で弄んでいた携帯電話が鳴り響く。
 狂は素早く、携帯電話を取って、耳に当てた。
『狂ですか? 何なんです? こんな、早送りのデーターを送りつけて…。どう言うつもりですか?』
 稔は通話が繋がるなり、狂に文句を言う。
「へへへっ…。お前でも、そう思ったか…。だけどな、それは早送りでも何でも無いんだぜ。新しいプログラムの結果だ…」
 狂が楽しげに稔に伝えると、稔は沈黙する。
 暫くの沈黙の後
『どう言う意味ですか? 確かに、良く見るとこの脳波のパターンは、誰の物でも有りません。僕に内緒で、実験をしたんですか?』
 稔の声のトーンが低くなり、狂を問い質す。

 狂はニヤリと笑いながら
「そう、とんがんな…確かに、お前に内緒でやるのは、ルール違反だがな、俺もこんな結果が出るなんて思わなかったんだよ。そのデーターは、絵美のだ…。今までの、音響に有る物を加えたら、そうなっちまたんだ…。なんだと思う?」
 稔に問い掛ける。
 稔は暫く考え
『解りません…。もったいぶらないで、教えて下さい』
 降参して、答えを促す。
「色だ…。正確に言うと、色の群体だな…」
 狂は直ぐに、答えを告げる。

 稔はその答えに戸惑いながら
『色ですか…? それは、昔考えましたが…パターンが確立できなくて…。あっ! え、絵美さんですか?』
 絵美の存在に気付き、問い掛けた。
「ピンポン…。こいつの、感性に従って作ったら、なんと出来ちゃった! そのデーター、5日分しかねぇだろ。実際、5日でそうなったんだ。実に5倍以上の速さだぜ!」
 狂が興奮して、稔に伝える。
『このタイミングで、このプログラムの完成は嬉しいですね…。明日から合宿に出られる、サディストグループが帰って来た時には、マゾヒストも覚醒している事に成ります。問題が一つ解決しました。単独で実験をした事は、これで水に流しましょう』
 稔が冷静に告げる

 狂はブスッと表情を変えて
「てめぇ! しつけーぞ! 素直に褒めやがれ!」
 狂が携帯の電話口に怒鳴る。
『解りました…。狂、素晴らしい物を有り難う、これで計画が随分進みます。こんな物で良いですか?』
 稔が狂を褒めて問い掛けた。
「もういい…。それよりよ、こいつを学校の、PCルームで使ったら、あっと言う間に覚醒できるぜ! どうだ?」
 狂が使い方の話しをすると
『う〜ん…。多少趣には欠けますが、それの方が良いかもしれません。あそこには、狂のメインフレームも置いて有りますし、モニターも楽でしょう…。ですが、そうなった場合、庵の方の準備と弥生の準備が追いつきませんね…。町はずれのラボもまだ掛かりますし、薬剤師も不在では、ストックに頼ることになります…』
 稔は使い方に、納得はした物の、新しい問題に直面する。

 だが、狂はその問題を呆気なく解決した。
「そんなもん、弥生を変えるしかねえだろ、ラボが使えるように成ったら、フル回転で作らせるしかねぇ。玉置のおっさんは、若い綺麗な姉ちゃんが、相手してくれるんなら、文句ねえ筈だぜ! 居るだろうよ、今何にもしねぇでプラプラしてる奴隷がよ…。お前も、忙しくて相手できないんなら、送り込めば良いじゃんか。それとも何か? 自分の持ち物でもないのに、他人に任せるのは嫌か?」
 狂の痛烈な言葉に、稔は二の句が継げない。
『解りました、狂の言うとおりです。早速玉置さんに相談してみましょう…』
 稔の声のトーンは更に下がり、重く冷たい声で狂に答えた。
(あちゃ…稔の奴…完全に怒ったな…。今の自分の気持ちが、自分で理解できたら、本当は感情が有るって事に気付くんだけどな…。頭固てぇからな…、まったくよ〜…)
 狂は溜息を吐きながら、頭をボリボリと掻いた。

 稔は低い声のまま
『庵の方はどうするつもりですか?』
 狂に問い掛けてきた。
「庵に図面を書かせる…。それを元に、俺の知り合いに発注すれば、5日も有れば道具も揃う…。問題は、あいつが首を縦に振るかって事だ…。変なところで、職人気質なんだからよ…。自分が考えだした物は、自分で作んなきゃ、気がすまねぇ質だろ? まぁ、2人で説得するしかねぇだろ…」
 狂は道具の件も打開策を示した。
『そうですね…。それしか無いようです…。僕の方は明日都内に、先生方をお連れします、帰りは放課後になるでしょう。庵を交えて、今後の方針を再検討しましょう…。でわ、明日学校で…』
 稔は狂の返事も待たず、通話を切った。

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