夢魔
MIN:作

■ 第23章 絶頂9

 庵の自宅のシャワールームで、沙希は庵の腕の中に抱かれて、庵の胸板に頬を擦り付けて居る。
 沙希は壁を背に、座り込んだ庵の足の間に身体を置いて、上体を投げ出し恍惚とした顔で庵の身体に指を這わせて居た。
 庵は沙希の髪の毛を撫でながら、どこか遠くを見つめ、ポツリポツリと話し始める。
「俺は、今まで…チ○ポと同時に…生殖能力も、無くしたと、思っていた…」
 庵の呟きに、沙希はそっと視線を上げ、庵の表情を見詰める。
 庵の表情は、硬く濃い苦悩に包まれていた。
「この年に成るまで…、精通が無ければ…誰でも、そう思うだろう…」
 自嘲気味に告げた、庵の石のように硬い言葉が、沙希にポロポロと降り注ぐ。

 沙希は庵の溢した言葉を啄むように、庵の胸板を唇でつつくようなキスをする。
「だが、お前のお陰で、その悩みを解消出来た…心から、感謝する」
 沙希の顔を真正面から見詰め、真剣な表情で感謝の言葉を告げた。
 沙希は庵の顔を見詰め、その言葉を聞いて感動に震える。
 自分が愛して止まない主人が、優しく抱擁しながら、心を込めて感謝を示したのだ。
 沙希は庵に言葉を返そうとするが、その口からは、何も出ない。
 感動で胸がいっぱいに成り、何一つ言葉に成らなかったのだ。

 庵の真剣な表情が、どんどん沙希の瞳の中で大きく成り、唇に柔らかい感触が広がる。
 2人はお互いの、瞳を見詰め合いながら、静かに口づけを交わした。
 そして、沙希の口の中に庵の低く渋い声が響いた。
「俺は、愛情を感じた事が無い…。だから今まで、俺がそれを示した事は無い…。だが、今俺の胸を満たしている、この不思議な感覚が、そうなら…俺に言わせてくれ」
 庵は沙希の瞳を優しく見詰めながら、そこまで呟き、少し間を置いた。
 沙希の思考は停止し、瞳はユラユラと揺れている。

 そして、唇を重ねたまま、庵はその言葉を沙希に告げた。
「愛している」
 庵の言葉を受け止めた瞬間、沙希の身体がブルリと震え、止まっていた沙希の思考が動き始めた。
(嘘…何…。これは…夢…? 幸せ過ぎる…。でも、夢ならこんなにリアルな感触有る…?)
 庵は沙希の身体をきつく抱き締め、舌を絡める。
 沙希はその感触に、ビクリと震え、庵の舌の動きに応え始めた。
(夢じゃ無い…夢じゃ無い。夢じゃ無い、夢じゃ無い! 現実で夢じゃ無いんだ! 庵様が、私を抱き締め[愛している]って! 本当に本気で、言ってくれたんだ!)
 庵を見詰める沙希の瞳から、ポロポロと大粒の涙が溢れる。

 沙希は庵の背中に腕を回すと、涙を流しながら庵の唇を貪った。
 庵も同じように、沙希の唇を貪る。
 そうして、庵は沙希の身体をゆっくり押し倒し、唇を沙希のうなじ、耳、首と移動させ歯形を付けて行く。
 その様子は、まるで獣が自分の餌に歯形を付けてて、[自分の物で有る]とマーキングしているようだった。
 歯形を付けられて行く沙希は、ウットリと表情をとろけさせ、身体の力を抜いて庵に捧げられた[餌]に変わる。
 庵という猛獣に供される、1つの肉塊として、自分の身体を捧げた。
 自分の主人に身体を貪られ、その細胞の一つ一つの養分に代わり、同じ時を過ごす。
 沙希の頭の中には、そんな人として許されない、同化の願望が育っていた。
 それは今日、血だらけに成りながら、庵に施されたバイツで急速に目覚めた物だった。

 そして、その願望は庵の口が下半身に近付くにつれ、別の物に変わって行く。
 同化の願望は、より強い肉欲へ。
 より強い、被虐願望へその形を変えて行く。
 沙希の恍惚とした表情は、頬を、身体を赤く染め、与えられる刺激は、陶酔から子宮を締め付けるような物に変わる。
 沙希の淫裂は、ドクドクと粘り気の有る愛液を溢れさせ、秘肉は赤い粘膜を剥き出しにしていた。
 庵は舌を大きく差し出すと、ペロペロと淫裂を舐め、粘り気の有る蜜を掬い取る。
 沙希の顔は、高熱に浮かされたように、瞳は潤み、頬を赤く上気させ声を押し殺していた。
 それは、淫らな声を出せば、その存在をを猛獣に知られ、食べられてしまうと思っているような、仕草だった。

 庵は沙希の思いを理解したのか、執拗に繰り返し舌を這わせる。
 すると、沙希はとうとう快感を押さえる事が出来ず、声を漏らし、身体を震わせてしまった。
「あっ、くぅん…」
 沙希は堪まらず甘い、鼻に掛かった声を漏らし、ピクリと身体を跳ねさせた。
 庵は獰猛な笑みを浮かべ、大きく口を開くと沙希の秘肉に歯を立てる
 真正面からオ○ンコを食い千切るように、庵の口は秘肉全体を歯列に納めた。
「あひ〜っ!」
 沙希は大きな声を上げ、ビクビクと細かく、身体を震わせる。
 沙希のオ○ンコから、庵の口の中に愛液が勢い良く飛び出し、庵の喉を潤す。
 庵は沙希の愛液を、喉を鳴らして飲み込んだ。

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