夢魔
MIN:作

■ 第23章 絶頂10

 庵は攻撃先を秘肉から、移した。
 庵の次の捕食目標は、今歯で穿った秘肉の直ぐ上、赤く息づく肉芽に変わった。
 庵の舌が、それを沙希に知らせるように、ペロペロと舐め始める。
 沙希は快感に声を我慢する事が出来ない。
「あ、あ、あ、あ〜っ」
 細かい淫声を上げながら、電流に撃たれているように、小刻みに身体を震わせる。
 庵が口を大きく開いて、舌で舐める動作を止めると、沙希は次の行動に気付き、息を殺しその瞬間を計ろうとした。

 庵は十分な溜を作り、犬歯で沙希のクリ○リスを噛み締める。
「ひ〜〜〜っ!」
 その衝撃は、沙希の脳天から子宮を貫き、体内を駆け巡った。
 沙希は溜まらず、主人の名前を呼び、快感を訴える。
「庵様。庵様〜っ! 沙希、沙希こわれちゃう〜っ…沙希にも、沙希にもごほうし…させて…ください〜っ…」
 沙希はクネクネと腰を振り、庵に咬まれたままのクリ○リスを揺らし、千切れそうな痛みに酔いながら庵に訴える。
 庵はその沙希の訴えに、身体を移動させ、応えてやる。

 庵の身体が沙希の上に移動すると、沙希は下からスルスルと手を伸ばし庵の腰にしがみつく。
 沙希は顔を持ち上げ、陰毛に埋もれたチ○ポに舌を伸ばして、舐め始める。
 慈しむように、愛おしむように、丁寧に、丹念に舌を這わせ、唇で愛撫する。
 庵の腰が、ビクビクと沙希の腕の中で跳ね、沙希は庵の示す反応に、目を細めて喜びを噛み締めた。
(いやん…、庵様、かんじてる…。わたしのほうしで、ビクビクしてる〜っ。うれしい、嬉しい〜っ)
 沙希は喜びに震えながら、舌使いに熱を入れ始める。
 庵は沙希に負けじと、歯と舌と唇を使い、快感を沙希に送り込む。
 2人は、お互いの身体を貪るように、お互いの身体を求めあった。
 だが、庵は慣れない感覚のため、その感覚を止める事が出来ず、呆気なく暴発させる。
「うくっ…」
 沙希の口の中に、庵の精が飛び散るように放たれた。

 短い射精感の後、庵はぼそりと
「済まん…感覚が、分からんから、止め方も分からん…」
 呟くように早い射精を沙希に詫びた。
 沙希は唇を庵のチ○ポに押し当て、頬を窄めて少ない残滓を吸い上げる。
 沙希はニコニコと笑いながら、体勢を入れ替え、庵に向き直ると
「いいえ、沙希は嬉しいんです。庵様が、沙希の奉仕で感じて下さるのが…死ぬ程嬉しいんです。もっと…、もっとご奉仕させて下さい。もっと沙希を使って下さい…」
 沙希は庵に寄り添い、ソッと庵の胸板に頬を擦り付け囁いた。
 庵は込み上げる、不思議な感情のままに沙希を抱き締める。

 シャワールームから出ると、沙希はパタパタと走り出し、買って貰ったばかりのパジャマを手に取り
「ニヘヘッ…、庵様〜…着ても良いですか〜?」
 梱包を開いて、自分の身体の前にあわせて聞いて来る。
 庵はそんな沙希の横をスタスタと通り過ぎ、布団の梱包をあっという間に解くと、床に敷き全裸のまま布団に入る。
 沙希は、言葉も掛けずに通り過ぎた庵の行動を、不安気に見詰めて居たが、庵が布団に収まるとその意図を読み取り、パジャマを手に本気で悩み始めた。
(庵様…。今迄一度も寄り添わせなかったって…、お布団で寝た事…無かったって…言ってなかったっけ…)
 だが、庵がクッションを手にして、掛け布団を捲り、ポンポンと布団を叩くと、沙希は溜まらず全裸のまま庵の横に滑り込み、庵の逞しい身体に寄り添う。

 庵に寄り添う沙希は、これ以上無いと言う程の笑みを浮かべ、ニヤニヤと笑っていたが、庵が顔を覗き込みスッと手を頭の下に差し込むと、その顔を驚きに変える。
 庵は自分の胸板に沙希の頭を乗せると、腕を掴んで沙希の身体を自分の身体の上に引き上げ
「これが、したかったんだろ? 俺は、お前なら、大丈夫だ…」
 耳元に囁いた。
 沙希は庵の言葉を聞いた時、本気で驚いた。
 庵が言ったのは、美紀がおかしくなって、梓を熱湯風呂に沈め、それを沙希が助けた夜に、庵にねだった事だった。

 沙希は庵の胸板に顔をうずめ、涙が止まらなかった。
(庵様…、庵様…。覚えて居てくれたんだ…、沙希のおねだり…。沙希は、もうこのまま死んでも良い…。明日が、来ないでも構わないです…。このまま、庵様の胸に抱かれ眠れるなら、目が醒めなくても構わない…)
 沙希は今迄に感じた事の無い、安らぎに包まれ庵の胸に頬を擦りつける。
 そうして沙希は、幸福感と安堵感と特訓の疲労で、幸せの涙を流しながら、安らかな眠りについた。
 その寝息は規則正しく、寝顔は安らぎに満ち溢れていた。

 沙希が完全に、眠りにつくと庵は、そっと起き上がり机に向かう。
 机に取り付くと大量の紙を取り出し、物差しと三角定規を使い、カリカリと線を書き始める。
 庵は殆どフリーハンドで、驚く程緻密な図面を書き始めた。
 それは、狂と約束した庵の考案した、数々の責め具の図面だった。
 庵は驚異的な速度で、それらを書き上げて行く。
 朝までに、庵は数百枚の図面を書き上げた。
 だが、その図面ですら、庵の考案した責め具の半分に足りて居ない。
(当初の予定分を優先するか…。問題は電話で言われた、音波発生装置の音源の図面だな…)
 フウッと溜息を吐きながら、庵はペンを走らせる。
 その図面を巡って、暗躍している者が大勢いる事を、この時の庵は全く知らなかった。

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